社員がしてはいけない行為を具体的にイメージできることが必要<就業規則に「職務専念義務」を具体的に>
10月は社労士制度推進月間です。その広報のために、全国社会保険労務士連合会が作成したパンフレット⇒全国社会保険労務士連合会編の「中小企業における職場トラブルの防止」というパンフレットは、「きちんとした就業規則を作って、それを定期的に見直すだけで職場のトラブルは防ぐことができる」をテーマに書いてあります。別の観点からいえば、就業規則を労使双方に常に身近に置き、実態に合わなくなれば見直していき、いつでも労使ともこれを基に議論し、自分たちの職場のルールとして、活用していくことが必要です。(これを、逆説的に、社長の本音で作成するという主張で書かれた著書に、「すごい就業規則」(真部賀津郎著、自由国民社)があります。ちょっと見ておいても損はない本だと考えます。)
このパンフレットでトラブルとなる可能性がある就業規則の例として、「職務専念義務」として、「勤務時間中は職務に専念すること」というのがあります。ここのどこがトラブルになるのか。職務専念義務をただそのまま描いただけでは、労働者は「職務専念義務」がどんなものかわからないからです。たとえば、仕事をするふりをしてインターネットで遊んでいたとか、また、勤務時間中の私用メール(他の社員もそのメールを見ることになると他人にも迷惑をかけます)、長時間席を離れて外出している、人が居るときは、仕事に没頭できないという理由で勤務時間中はのらりくらりとしながら勤務時間終了のチャイムが鳴るとガゼン仕事に精を出すという人もいますが、この勤務時間中の「だらだら勤務」、どれも職務専念義務に違反していますが、これが職務専念義務違反とは意識していないというのが実情です。であれば、具体的に職務専念義務違反を明示していく必要があります。
職務専念義務違反とは、そもそもなんでしょうか。労働契約によって、所定労働時間は使用者に労働力を売り渡した時間であり、使用者の指揮命令に服し、使用者の許可承認なく勝手に業務以外のことに時間を消費することとは、職務専念義務違反ですし、これは裁判でも支持されています。(「採用から退職までの法律知識」安西愈、中央経済社、平成4.4.28帝国警備保障事件)
*1(公務員での規定) 公務員では、法律そのものによって「職務専念義務」が規定されている。⇒「職員は、法律又は条例に特別の定めがある場合除くほか、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。」 (解説)職員が、勤務時間中、その全力をあげて職務に専念すべきことは、法律の規定を待つまでもなく当然のことであり、民間企業においても、労働契約、就業規則等の定めるところによって、労働者は職務に専念する義務を負わされれているところであるが、地方公務員の場合は、住民全体の奉仕者として公務に携わる者に対して課せられた公法上の義務であるところに特徴があるといえよう。(地方公務員制度 現代地方自治全集7、ぎょうせい 田中基介著、私が地方公務員であったから、「地方公務員法」から取ってきたが、「国家公務員」でも同様の規定がある。)
職務専念義務違反を具体的に記した就業規則の例として、前回同様に、紹介しておきます。
第●条<服務規律>
(1)社員は、会社の規則及び業務上の指示、命令を遵守し、職場の風紀・秩序の維持ならびに能率の向上に努め、互いに人格を尊重し、誠実に自己の職務に専念しなければならない。
(2)業務上の都合により、担当業務の変更または他の部署への応援を命じられた場合は、正当な理由なくこれを拒ないこと
(3)勤務時間は業務に専念し、所属長の許可なく職場を離れ、または、他の社員の業務を妨げるなどの行為をしないこと 以上、「就業規則ここが問題です」北村・桑原共著(実務教育出版)から
従業員は、次の各号に掲げる職務専念に関する事項を守らなければならない。
(1) 会社の事前の許可なく、他社に雇用されるなど、報酬を得て第三者のために何らかの行為をしないこと
(2) 会社の事前の許可なく、勤務時間中に政治活動、宗教活動、業務に関係のない放送、宣伝、集会、又は文書画の配布、回覧、掲示その他これに類する活動をしないこと
(3) 勤務時間中は許可なく職場を離れ、又は責務を怠る等の行為をしないこと
以上、「就業規則・諸規定作成マニュアル」森・岩崎共著(日本法令)から
また、「すごい就業規則」(社長の本音で書け、そのまま書けという主張、真部賀津郎著、自由国民社)では、一例をあげると、次のような書きぶりになっています。
会社で働く以上、会社に迷惑をかけるようなことはあってはならない。
よって、次の行為は労働契約違反とする。
●・・・
●勤務時間に私用で携帯電話等を使うこと(私用メールも)
●勤務時間に勝手に職場を離れ、自分の用事を行うこと
●・・・ など、先ほど挙げた具体的にしてはならないことを一つ一つ具体的に書いておくことが必要ですし、状況、時代に合わせ、必要に応じて書き足していくことも必要かもしれません。
10月は社労士制度推進月間です。その広報のために、全国社会保険労務士連合会が作成したパンフレット⇒全国社会保険労務士連合会編の「中小企業における職場トラブルの防止」というパンフレットは、「きちんとした就業規則を作って、それを定期的に見直すだけで職場のトラブルは防ぐことができる」をテーマに書いてあります。別の観点からいえば、就業規則を労使双方に常に身近に置き、実態に合わなくなれば見直していき、いつでも労使ともこれを基に議論し、自分たちの職場のルールとして、活用していくことが必要です。(これを、逆説的に、社長の本音で作成するという主張で書かれた著書に、「すごい就業規則」(真部賀津郎著、自由国民社)があります。ちょっと見ておいても損はない本だと考えます。)
このパンフレットでトラブルとなる可能性がある就業規則の例として、「職務専念義務」として、「勤務時間中は職務に専念すること」というのがあります。ここのどこがトラブルになるのか。職務専念義務をただそのまま描いただけでは、労働者は「職務専念義務」がどんなものかわからないからです。たとえば、仕事をするふりをしてインターネットで遊んでいたとか、また、勤務時間中の私用メール(他の社員もそのメールを見ることになると他人にも迷惑をかけます)、長時間席を離れて外出している、人が居るときは、仕事に没頭できないという理由で勤務時間中はのらりくらりとしながら勤務時間終了のチャイムが鳴るとガゼン仕事に精を出すという人もいますが、この勤務時間中の「だらだら勤務」、どれも職務専念義務に違反していますが、これが職務専念義務違反とは意識していないというのが実情です。であれば、具体的に職務専念義務違反を明示していく必要があります。
職務専念義務違反とは、そもそもなんでしょうか。労働契約によって、所定労働時間は使用者に労働力を売り渡した時間であり、使用者の指揮命令に服し、使用者の許可承認なく勝手に業務以外のことに時間を消費することとは、職務専念義務違反ですし、これは裁判でも支持されています。(「採用から退職までの法律知識」安西愈、中央経済社、平成4.4.28帝国警備保障事件)
*1(公務員での規定) 公務員では、法律そのものによって「職務専念義務」が規定されている。⇒「職員は、法律又は条例に特別の定めがある場合除くほか、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。」 (解説)職員が、勤務時間中、その全力をあげて職務に専念すべきことは、法律の規定を待つまでもなく当然のことであり、民間企業においても、労働契約、就業規則等の定めるところによって、労働者は職務に専念する義務を負わされれているところであるが、地方公務員の場合は、住民全体の奉仕者として公務に携わる者に対して課せられた公法上の義務であるところに特徴があるといえよう。(地方公務員制度 現代地方自治全集7、ぎょうせい 田中基介著、私が地方公務員であったから、「地方公務員法」から取ってきたが、「国家公務員」でも同様の規定がある。)
職務専念義務違反を具体的に記した就業規則の例として、前回同様に、紹介しておきます。
第●条<服務規律>
(1)社員は、会社の規則及び業務上の指示、命令を遵守し、職場の風紀・秩序の維持ならびに能率の向上に努め、互いに人格を尊重し、誠実に自己の職務に専念しなければならない。
(2)業務上の都合により、担当業務の変更または他の部署への応援を命じられた場合は、正当な理由なくこれを拒ないこと
(3)勤務時間は業務に専念し、所属長の許可なく職場を離れ、または、他の社員の業務を妨げるなどの行為をしないこと 以上、「就業規則ここが問題です」北村・桑原共著(実務教育出版)から
従業員は、次の各号に掲げる職務専念に関する事項を守らなければならない。
(1) 会社の事前の許可なく、他社に雇用されるなど、報酬を得て第三者のために何らかの行為をしないこと
(2) 会社の事前の許可なく、勤務時間中に政治活動、宗教活動、業務に関係のない放送、宣伝、集会、又は文書画の配布、回覧、掲示その他これに類する活動をしないこと
(3) 勤務時間中は許可なく職場を離れ、又は責務を怠る等の行為をしないこと
以上、「就業規則・諸規定作成マニュアル」森・岩崎共著(日本法令)から
また、「すごい就業規則」(社長の本音で書け、そのまま書けという主張、真部賀津郎著、自由国民社)では、一例をあげると、次のような書きぶりになっています。
会社で働く以上、会社に迷惑をかけるようなことはあってはならない。
よって、次の行為は労働契約違反とする。
●・・・
●勤務時間に私用で携帯電話等を使うこと(私用メールも)
●勤務時間に勝手に職場を離れ、自分の用事を行うこと
●・・・ など、先ほど挙げた具体的にしてはならないことを一つ一つ具体的に書いておくことが必要ですし、状況、時代に合わせ、必要に応じて書き足していくことも必要かもしれません。
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