「当世の政治は、何事でも杓子定規の法律万能主義でやろうとする。それは理窟はなかなかつんでも居ようが、どうも法律以外、理窟以上に言ふに言はれぬ一種の呼吸があって、知らず識らず民心を纏めるといふ風な妙味がない。人心を慰安するところの余韻がない」（勝海舟「氷川清話」より）
今も昔も政治はまったく変わっていません。勝海舟が現代の政治に語っているようです。
今月は新聞代などの月極の集金で必ず4月から消費税が上がるので金額が上がりますと申し訳なさそうにやってきます。困っているのはご近所でも小さなお店や弱い立場の人たちです。政府のお偉さんは景気に影響しないようにと経済政策を口にしますが、末端の庶民の苦しさは肌で感じるはずもなく遠い世界で議論しています。税金を無駄なところにジャブジャブ使っても庶民の気持ちが落ち込んで暗くなるばかりです。こういう生活が苦しい時だからこそ、最も苦しい人、困っている人に目を向け寄り添うことによって人間の生活は心から温まり良くなっていくのではないでしょうか。
「主義といい、道といって、かならずこれのみと断定するのは、おれは昔から好まない。単に道といっても、道には大小厚薄濃淡の差がある。しかるにその一を揚げて他を排斥するのは、おれの取らないところだ」（勝海舟「氷川清話」より）
なんとも視野の広い勝海舟です。窮地に陥ってしまうと先が見えなくなって一つのことしか見えなくなってしまうことが多いですが勝海舟のように広く世界に視野を広げて前を向いて歩みたいものです。
今日は渋谷の日本薬学会長井記念ホールで行われた東京肝臓友の会主催の医療講演会に参加してきました。講演会ではB型C型肝炎の最新治療のお話で大勢の肝炎患者さんが集まりました。患者さんにとってこれからの治療方法もそうですが、年齢と治療のタイミング、治療費などの経済的問題など様々な悩み事を抱えておられ肝炎患者さんの生活支援がいかに重要かが分かります。今日も肝炎患者さんたちと交流してきました。
「智識あるものは智識を他人に恵ぐめよ。足手あるものは足手を寄付せよ。金銭あるもまた同じ。かく互いに長短補足して一致漸くなる。また人は金のみで動くものにあらず、食のみで動くものにあらず。人は心、人は精神、人は道理、人は大義名分、人は誠実。高く信じ、厚く信じ、深く信じ、互いに信と信との結合に限るべし」（田中正造）
今正に田中正造を想う。
