桜が咲いたので、都内を散歩してきました。
スタートは地下鉄日比谷線の神谷町駅。このあたりもだいぶ変わりました。
芝学園下交差点の坂を上り、芝公園へ。
芝学園裏にある小さな広場。ここは知る人ぞ知るという場所ですが、結構花見客でにぎわっています。
すでに鯉のぼりが飾られている東京タワーを横目に、増上寺へ。
増上寺横の道は桜並木になっていて、東京タワーを背景に桜を見ることができます。
7~8分咲きといったところでしょうか。
浄土宗大本山 増上寺は江戸城の裏鬼門を守る徳川将軍家の菩提寺でもあります。
安国殿の裏手には徳川将軍家墓所がり、公開中だったので行ってみることにしました。
増上寺にはちょっとしたご縁があり、何度となく参拝に来ているのですが、徳川将軍家墓所は初めてです。
徳川歴代将軍のうち、二代秀忠とお江、六代家宣、七代家継、九代家重、十二代家慶、十四代家茂と皇女和宮の墓所と合祀塔があります。
ちなみにその他の将軍の墓所は、初代家康はご存知日光東照宮、三代家光は日光輪王寺大猷院、四代家綱、五代綱吉、八代吉宗、十代家治、十一代家斉、十三代家定は上野の寛永寺、十五代慶喜は谷中霊園となっています。
もともと秀忠の墓所は現在のプリンスパークタワー東京の敷地全部にあたり、日光東照宮の見本となったといわれる壮大な霊廟がありました。
他の将軍の墓所は現在の東京プリンスホテルの敷地にあり、両方とも国宝に指定されていましたが、空襲で焼失、発掘調査の上火葬され、現在の場所に改葬されています。
当時の墓所から移設された鋳抜門。以前は国宝でした。
墓所内も桜や椿がちょうど見ごろです。
秀忠とお江の宝塔。
他の宝塔より小ぶりなのは、秀忠の霊廟は焼失してしまったため、お江の宝塔に合祀されているためとのことです。
左が和宮、右が家茂の宝塔。
家茂の宝塔は石造りに対し、和宮は青銅製、明治になって天皇家から寄贈されたものとのことで、三つ葉葵の紋ではなく菊の紋が入っています。
ところで、皇女和宮の墓の発掘調査の時、棺の中から若い男子の写ったガラス板(写真)が発見されましたが、一晩で男子の姿は消滅してしまったとのことです。
実際には急に強い光に当たったことで化学反応を起こしたのでしょうが、和宮が大切な人を見せたくなかったからだ、という説を信じたくなります。
降嫁したとはいえ、皇族の墓所が発掘調査されたのは非常に珍しいのではないでしょうか。
増上寺大殿。以前は中に入ることができましたが、現在は入れないようです。
大殿の内部は結界に包まれているような、非常に心地の良い空間で好きだったので、残念でした。
ところで、東京タワーと増上寺は、かつては東京を代表する光景だったと思います。
現在では東京タワーの背後に麻布台ヒルズが建ってしまい、この光景は失われました。
正直、この巨大な建物は目障り以外の何物でもないと思っています。
<その2に続く>