Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

重症COVIDにECMO

2021年02月21日 | COVID-19
Shaefi S, Brenner SK, Gupta S, et al.; STOP-COVID Investigators.
Extracorporeal membrane oxygenation in patients with severe respiratory failure from COVID-19.
Intensive Care Med. 2021 Feb;47(2):208-221. PMID: 33528595.


アメリカの68施設。P/F<100でECMOをした130例としなかった1167例を比較。ECMO群の死亡のハザード比は0.55だった。

8年以上前に書いたやつ。
敗血症性ショックとステロイド
同じようなことは何度も書いた気がするし、今時学校でも習うことかもしれない。
なので改めて色々書いても仕方ないので、簡潔に結論だけ。

「高価だったり実施に手間がかかる治療は、観察研究では必ず有効性を示す。理由は医療者の選択バイアスが存在するから。若かったり、やったら有効そうな患者さんが選ばれる。そして、そういう治療法のほとんどは多施設RCTで有効性が否定され消えていく。」

高価だったり実施に手間がかかる治療が観察研究で有効性を示したという意味では、このICMの研究もそうだし、例えばこれもそう。

コストと合併症のリスクは実在する。そして過去を見る限り有効である確率はとても低い。
するな、とは言わない。
するなら、このことは知っていないといけない、とは言う。
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