Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
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心臓手術中の強心薬使用における患者、臨床医、施設レベルのばらつき

2023年10月06日 | 循環
Mathis MR, Janda AM, Kheterpal S, et al.; Multicenter Perioperative Outcomes Group.
Patient-, Clinician-, and Institution-level Variation in Inotrope Use for Cardiac Surgery: A Multicenter Observational Analysis.
Anesthesiology. 2023 Aug 1;139(2):122-141. PMID: 37094103.


心臓手術中の強心薬使用のばらつきの原因は、施設が22.6%、麻酔科医が6.8%、患者が70.6%、と。
おお、数字を初めて見たかも。

これは手術室の話だけど、ICUでも同様。ICUの7不思議の一つに数えてもいいんじゃないかと思うくらい、みんな好き勝手に使っている。そもそも心外(特に予定手術)は死亡率が他のICU患者に比べて極端に低いので、好き勝手にやっても予後は大きく変わらないし、研究もしにくい(大きなNが必要)。ここ20年でほぼ何も進歩していない分野ではないか?
医療と臨床研究のDx化がさらに進んで、RCTのサンプルサイズは数万〜数十万が普通、という状況にならないと、きっと決着しないんだろうな。

でも、さすがにドーパミンはいらないと思う。この文献でも1.2%にしか使われていないし。
コメント
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