超級龍熱

香港功夫映画と共に

女ジェット・リーがジージャに挑戦状!熊欣欣導演、ジャン・ルウシャ主演『戦無双』

2009-07-07 00:21:58 | 作品レビュー
今日7月7日の七夕の日はショウ・ブラザース“薄命の貴公子”傅聲の26回目の命日ですね。私も今日は傅聲を偲んで孫仲導演、狄龍共演作品『風流断剣小小刀』(79)を観ていました。
いや何度観てもクライマックスの傅聲&狄龍vs陳恵敏の息詰まる決戦は素晴らしいですね!繰り返しになりますが、この孫仲導演の最高傑作が遂に日本でDVDが未リリースに終わってしまったのが本当に残念です。

さてさて、以前からコアなクンフー映画ファンの間で注目されていた熊欣欣導演、ジャン・ルウシャこと蒋璐霞主演『戦無双』(09)を観る事が出来ました!(kazuさん、多謝です!)
主演の“女ジェット・リー”こと蒋璐霞は全国少林拳武術王者など数々の肩書きを誇る真正の女性武術家で、そこに『ワンチャイ』シリーズで鬼脚七を演じた熊欣欣(出品人&動作導演も兼任)が構築する本格的なクンフー・アクションが合体されるとあっては、これは観ないわけにはいきません!
物語は(字幕が画面の下に隠れて観難かったんですが)武術の名門に生まれた主人公の依依(蒋璐霞)が香港に渡って来て富豪のセキュリティーの仕事に着きますが、そこから悪の組織の陰謀に巻き込まれていく、という展開です。気になるヒロイン蒋璐霞のルックスなんですが、私はすぐにあのシンシア・ラスターこと大島由加里にソックリだなー!と思いました。特に蒋璐霞が両手で力コブシを握って「ババッ!」と戦闘ポーズを取った時なんてこりゃ大島さんに激似だな!と思いましたねえ。共演にはサム・リーを初め、張兆輝、あと導演の熊欣欣もチラッと顔を出しています。で、肝心の蒋璐霞の見せるアクションなんですが、とにかく全編に渡って闘志溢れる戦闘的なファイト・スタイルを貫き通していてもうこれでもか!とばかりに猛スピードの蹴り技を多用します。
序盤の厨房内での白人(マイク・モラー)との対決、プールを舞台とした女キック戦士との怒涛のキック合戦、工場内での男性刺客との対決、路上での2人組ラップダンサーとの乱闘、そしてクライマックスの小杉健(即:ケイン・コスギ!)とのリング上での一騎討ちと、劇中では次々と蒋璐霞の積極果敢なクンフー・アクションが披露され、観ている側を少しも退屈させない作品に仕上がっています。特に蒋璐霞とケインの決闘は2人がリング上から場所を同じビル内の狭い通路に変え、さらに延々と激しい闘いを繰り広げる様子は、まるで劉家良導演によるショウ・ブラザース作品『武館』(81)のラストの黄飛鴻(劉家輝)vs単雄(王龍威)の路地裏の大決闘を彷彿とさせますねえ(笑顔!)。
ただ今回この『戦無双』で熊欣欣導演が蒋璐霞に体現させているクンフー・アクションは、あのジージャ・ウィサミタナンが『チョコレート・ファイター』で披露したある意味セオリー無視のアクロバティックなクンフー・アクションではなく、あくまでもオーソドックスな中国武術の延長線上としてのファイト・スタイルを、よりパワー・アップさせたクンフー・アクションなんですね。私としてはそこが良い意味でも悪い意味でも印象的に残った作品でした。
と言いながら、全編に渡って本格派の女武打星アクション満載の『戦無双』、女ドラゴン映画ファン、そして香港クンフー映画は必見の作品と言っていいでしょう!
コメント (4)
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