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香港功夫映画と共に

熱風!韓国LEGENDS(29) 若者よ、いざ我が道場に集え!林子虎主演『金剛禅法』

2009-07-16 12:44:34 | 熱風!韓国LEGENDS
さて、もう誰にも止められない「熱風!韓国LEGENDS」第29回は、南基男導演、ジャック・ラムこと林子虎主演『金剛禅法』(81)です。言うまでも無く全編韓国語版にして本邦初のレビューとなります。
と言いながら林子虎と言えば、以前に観た『帰って来た双龍』(81)がちょっと酷すぎる出来だったので果たして今回はどうかいな?と思いながらの鑑賞でしたが、この『金剛禅法』は私がこれまで観て来た林子虎作品の中では一番作りがシッカリしていましたし、最もシリアスな展開の作品でした。
舞台は日本の圧政に苦しんでいた戦時下の韓国なんですが、映画の冒頭で主人公キム・ジョン(林子虎)がキャバレーでビールを飲んでいるんですが、ステージで日本人客たちが好む音楽を演奏しているバンドに向かってキム・ジョンは敢然と「おい、今すぐアリランを演奏しろ!」と迫ります。
店内にアリアンが流れるとそれに「バッキャロォ!」と激怒した日本人客たちとキム・ジョンが乱闘を展開!とここまででこの『金剛禅法』がナショナリズム全開の韓国武打片である事が判ります。
キム・ジョンは満州で日本相手に独立運動の闘士として活動していたんですが、日本が戦争に負けた事により韓国が解放され、キム・ジョンもソウルに帰還を決意します。
ところが戦後の動乱の中では韓国人同士でも犯罪や汚職が蔓延し、キム・ジョンは道中で恋人のユンスク(ミン・ボッキ。若い!)を暴漢にレイプされた上に2人は離れ離れになってしまいます。
傷心のキム・ジョンでしたが、やがてヤクザ(朴東龍)や荒くれ武道家(白黄基)らとの激しい闘いにも勝ち抜き、最愛のユンスクとも再会し、当地で戦後の混乱のために心が荒んでしまっている若者たちを集め、その若者たちを武道を通じて正しい人間に育成しようと自らの武館「金剛拳法道場」を開きます。
多くの門弟たちを率いて座禅を組み日々厳しい稽古に励むキム・ジョン。いや~これって本当に林子虎主演作品かいな?(苦笑)もうマジでシリアスな展開だセヨ~♪
クライマックスは浜辺でヤクザのボス(シム・サンチョン)一派とキム・ジョン武館の大乱闘(ここでキム・ジョンの門弟の女性が林銀珠顔負けの女テコンドー蹴りで大暴れ!)となりますが、最後はキム・ジョンの怒涛の蹴り技を浴び劣勢となったヤクザのボスが卑怯にも日本刀でキム・ジョンを襲おうとした所に警察が駆けつけボスは逮捕され、ちょっと中途半端な終わり方ながら劇終となります。

劇中での林子虎のアクションですが、中盤の林子虎vs白黄基のクンフー・ファイトがお互いに電撃の拳技を次々と繰り出しての見事な攻防を披露していて中々の出来でした。ただ私としては林子虎のベスト・ファイトは?と聞かれたら迷わず金時顕導演作品『スターフェリー不請客』(84)でのvs黄正利戦と答えるでしょう。
確かこの映画はIFD作品として『ニンジャ・ターミネーター』という英語題名で欧米でもリリースされていたかと思うので、ご興味のある方は是非!

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