
さて『死亡遊戯』ラフカット徹底検証コラム、その第8回ですが、まずは上の画像をジックリとご覧下さい。
五重塔は4階“龍殿”、そこから5階へと繋がる階段の下に倒れた亡骸。それは“未知の恐怖”カリーム・アブドゥル・ジャバールに上階から突き落とされて転落死した(設定の)解元、のはずでした。
思えば、私たちがロバート・クローズ監督作品『ブルース・リー死亡遊戯』(78)を初めて観た時、ビリー・ローと武芸者(池漢載)が激しく闘う傍らで、この階段下に倒れた黒の道着を着た正体不明の亡骸が気になって仕方がなかったのをよく覚えています。
さて、そのご覧の画像はラフカットのテイクとテイクの間に一瞬映るカットをキャプチャした画像ですが、画面左端の階段下に座り込んでいる黒の道着を着た男性が解元ではなく、胡奀である事がハッキリ分かる貴重なカットです。
恐らく『死亡遊戯』 の撮影現場でスチールを撮影したのは嘉禾影業のオフィシャルカメラマンだったと思いますが、例えカメラマンがこの解元の代替員を務める胡奀の姿を撮影していたとしても、その種の特殊なスチール(俳優の負担を軽減するためにスタッフやエキストラが俳優と同じ服を着て顔が見えない状態で入れ替わる)は絶対に社外には公開されないのが普通です。なので、このラフカットだからこそ垣間見れた“胡奀演じる解元”は本当に貴重な映像資料と言っていいでしょう。
同じ事がさらに上階の5階でジャバールに殺され、そのまま部屋の隅に亡骸状態で倒れたままの田俊にも当てはまるわけで、もしかしたら田俊も誰か別の人間が田俊の服を着て代替員を担当していたかも知れません。
改めてこのようなマニア感涙の発見が可能なのも、今日まで『死亡遊戯』の約96分版ラフカットと約110分版ラフカットが現存していたからこそなわけです。BRUCE IS BACK AND BACK AGAIN!!
今回の画像も高橋眞人さんにご協力頂きました。ありがとうございました😊。
We can find dead body Gai Yuen is doubled by Wu Ngan.