徒然なるままに…なんてね。

思いつくまま、気の向くままの備忘録。
ほとんど…小説…だったりも…します。

運動神経ゼロ犬…(其の四 これ僕の…だよ!)

2007-02-16 17:48:17 | 運動神経ゼロ犬
 犬は散歩が好きだ…。
ちゃんと散歩の時間を覚えていて…その頃になると毎日のように…キュッキュッキュッキュッキュ~ッ…と鼻を鳴らす…。
そろそろ時間だぞ~っと請求するのだ…。
放っておこうものなら…ワォ~ンワォン…ワォーンワォン…と悲しげに鳴き始める…。

散歩の時間を心待ちにしているので…引き綱(リード)を手に取ると途端に…もう我慢できないってくらいに騒ぎ出す…。

じっとしとれ…。

動かれると引き綱を首輪(カラー)につけるのが大変…。

 ようよう付け終わると…躾けの悪い奴だけに待っているということをしない…。
勇んで先に出ようとする…。

 今でこそ一般家庭の犬も躾と訓練が必要になってきているが…その頃は訓練される犬と言えば警察犬か盲導犬だった…。
放し飼いにしている人も結構居た…。

 鼻黒は雨の嫌いな犬で…オカンが雨あがりに散歩へ連れて行った時など…前足が濡れるたびに人間のように手(前足)を振り…水気を掃いながら歩いていたそうだ…。
その様子が相当可笑しかったらしく…オカンは笑い転げた…。

 縄張りを示すために並木や植え込みにマーキングするのだが…このあたりの犬はみんな同じところを歩いているわけだから…野生の動物のようにここは俺の縄張りだ…と主張してもまったく意味を成さないように思える…。

 だって…同じ木に一日何匹の犬がマーキングすることか…。
すぐ後ろ歩いている犬だって同じとこでやってるぞ…。

 それでも…彼等にとってはそれなりに意味があるんだろう…。
また…誰かここでやりやがった…ここは俺んだよ…とでも思っているんだろうか…な…。

鼻黒の散歩は親父が居る時は親父が、他はその時々で家族の誰彼が連れて行った。

 散歩道の芝生の切れ目あたりに金属の杭をチェーンで繋げたものが設置してあって、小学生くらいにもなれば簡単に飛び越せるくらいの低い位置まで鎖が垂れていた。

 引き綱引いて…自分が飛び越した後で…勢いよく飛び越そうとした鼻黒…鎖に前足蹴躓いて顎からくしゃっと芝生にこけた…。
怪我はしなかったようだが…見ていたこっちが固まった…。

おまえ…本当に…犬か…?

まだ廊下を走っていた頃にこけたのは偶然じゃないことが判明した…。

鈍…。

足が短いせいなのかどうかは知らないが…運動神経かなり鈍い…。
犬でも居るんだねぇ…。

えっ…?
飼い主に似たって…?
う~ん…確かに小学校の時はそうだったなぁ…。
鈍くさかった…。

いいのよ…doveは人間だから…。

 本犬は別にショックでも何でもないようで、そのまますたすたと先へ進んだ…。
周りより一段高くなっている芝生の植えてあるところをぐるっと回ってきた後で、段差に腰かけて休憩した…。

 こちらが休憩している間、鼻黒はあっちを眺めこっちを眺めしていた。
と…何を思ったかいきなり近づいてきて…あろうことかdoveの背中にマーキング…。

うぉぉぉぉ~何してくれてんねん…!

飼い主なめとんのかぁ…!

鼻黒…顔を覗いてにっこにこ…。
これ…僕の…とでも言いたげにすりすり…。

ううぅ~怒るに怒れん…。

仕方がないのでそのまんま散歩を続行して…戻った…。

後にも先にも家族の中で鼻黒におしょんかけられたのはdoveひとり…。
泣くべきか…笑うべきか…。

それが問題だぁ~!!






続く…。