先日購入した、真空管ラインアンプ F-AUDIO TUBE-01J 用の予備の真空管を確保しました。
真空管は消耗品ということは一般に言われてますよね。
1.普通、真空管の寿命は約5000時間と言われているそうです。更に、常に高温でめいっぱいの動作させるような使い方(例えばパワー管)をすると、もっと寿命は短くなるそうです。
2.製造の品質管理がちゃんとされていたかにもよって、寿命は変わるそうです。例によって中国製は短命のようです。アメリカのブランドもの(RCA、GE等)、ドイツ、日本の東芝、NEC、松下といったものはやはり信頼がおけるみたいで、ついで、ソ連もいいそうです。
寿命があるとなると(ICやコンデンサーだって寿命がありますが)、いつかは取り替えなければならないときが(それも近い将来)やってくるわけです。
ところが、この真空管、現在製造されているのはごく一部の種類で、現有のF-AUDIO TUBE-01J に使われている 「6J1」(互換球として、6AK5 · 5654 · 6J1P など)は、マイナーなようで、1970~80年に製造されたものの、NOS(New Old Stock)しかないようです。
時々、どこかの倉庫に眠っているのが見つかった、とかいうことで、製品が供給されることがあっても、いつかは世の中から消えてしまうということです。
そこで、非常に安価なもの(秋葉原に行くと1本100~200円ぐらい)なので、この際、真空管の違いで本当に音に差が出るのかの興味を含めて、予備球を購入してみることにしました。
まずは、NFJさんが、予備球として売っている、「TUBE-01J 交換用真空管2個セット ミルスペック選別グレード品」というのを買ってみました。
![]() 【送料無料・一部地域除く】TUBE-01(01J)交換用真空管2個セット(ミルスペック選別グレード品) [O250]【真空管】
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これなら、互換性も心配ないし、「軍用規格品の中から更に特性の揃った球を選別した特級グレードの真空管」とうたっているので、値段は張りましたがこれにしてみました。
もともとついていたものと、外見上全く区別はつきません。信用商売ですね。
メーカーを調べてみると、中国の「北京」という元国営会社で、現在は存在しない会社だそうです。NFJさんのアナウンスによると、人民解放軍のデッドストック放出品で、空軍レーダーの保守用としてストックされていたものだそうです。
92-4の文字が見えますが、NFJさんのロット表示と比較してみると、製造年は82年の9月か84年の9月のような感じです。どちらにしても、30年ぐらい、どこかで眠っていた真空管ということになります。
1984年といえば、アップルコンピュータがMacintoshを発表した年です。
さて、真空管を差し替えてみた音ですが、標準球との違いは判りませんでした。
amazonのレビューを見ると「ベストマッチで、音に偏りが無いように思われます。」とか、「標準管と比べて下から上まで出る感じですが、エッジの効いた鋭い濁りサウンドを感じます。」とか、「全帯域の解像度が上がる感があります。」「ミルスペック選別は、ミルスペックに比べて低域 ・ 中 / 中高域での押しはやや控えめになるが、ボーカル域での奥行きが若干増え、高域はきれいに伸びる」などと、高評価もあるようですが、要は本人の気分次第かも。
もしかしたら、標準でついていた真空管が当たりで、選別品に劣らない品質だったのかもしれません。
まあ、どちらの球をつかっても同じ音がするなら、予備球として買った目的は大いに達成された訳ですから、問題ないでしょう。
で、音の違いが確認できなかったので、よせばいいのに、旧ソ連の真空管に手を出してしまいました。
ロケットマークのVoshkod(日の出)社製
「6Ж1П-ЕВ」 と書いてあります。ローマ字に直すと「6J1P-EV」
販売者のアナウンスでは、「6J1P」となっていましたが。届いたものは、「6J1P-EV」(商品写真もよく見るとこれでした)。
これは、6J1Pの高信頼、ロングライフ版(5,000時間保証)だそうです。
更に「OTK7」の刻印。軍用スペックだそうです。
製造月日が76年7月(Ⅶ-’76)のようです。中国真空管よりさらに年代物で40年前の品物です。
この製造会社「Voshkod」社は、モスクワのさらに西、カルーガ市にあったみたいです。
で、差し替えてみた音ですが、確かに中国真空管と音が違います。
ロシアの音がします(どんな音だかしりませんが)。
「オーチンハラショー!!」です。
冗談は置いておいて、低音部は少し薄くなったような感じがしますが、その分、非常に爽やかなクリアな音がします。解像度もいいです。
フィラメントの発光部分が大きく、中国管より、いい感じで灯ります。
発振(それが何を指すのかよくわかりませんでしたが)しやすいとか事前評判があったので、ちょっと気になっていたのですが、ハム音など全くなく、左右の音量の違いもなく、非常に優秀な品質のようです。
しばらくはこれを使うことにしました。
これで理論上、10年以上は真空管アンプの暖かな恩恵にあずかれることになりそうです(本体がそれだけもつか未知数ですが)。