去年の9月に、FOSTEX のスピーカーボックス(P1000-E)に、JBL のカーステレオ用のスピーカーユニット(GX402)をつけて、自作スピーカーを楽しんでいたのですが。
先日、KORG の USB-DAC 「DS-DAC-100m」を使ってみて、DAC そのものの音の良さもさることながら、DSDフォーマットの驚異的な音に感動してしまい、もうちょっといいスピーカーにしたら、もっといい音に会えるのではと、いわゆるオーディオ沼に嵌ってしまいました。
しかし、「小さい、安い、いい音」をモットーにしていますから、金に飽かせて何十万もする、どでかいスピーカーを狙う訳にはいきません。
この間、でっかいスピーカーを捨てたばかりです。
そこで、ブックシェルフ型で、コストパフォーマンスの良いものを探しました。
巷では、デンマークのDALI ZENSOR1 の評判がいいみたいですが、海外のスピーカーは、それぞれのメーカーの個性が強く出る傾向があるので、試聴もしないで3万円も出すのはちょっと......。
【在庫あり】ブックシェルフスピーカー [2台1組]ダリ (DALI) ZENSOR1M ライトウォールナット
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そこで、価格.com の売れ筋では、11位(今日見ると急に7位に上がっています。私が検索したり、購入したりすると結構動向が変わります。WEB界のオピニオンリーダなのでしょうか......妄想か?)と、そんなに振るわず、楽天の取扱店も数店しかない、Amazon のレビューも2件しかない、という人気薄(もしくは品薄)なのですが、すごくコストパフォーマンスの高いスピーカーを発見。
SONY の SS-CS5 です。
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まず、ブックシェルフで3ウェイユニットです。一番小さいツィーターはスーパーツィーターで、ハイレゾに対応しています(再生周波数帯域53Hz~50KHz)。これは、DALI(53Hz~26.5KHz)には、無いところです。
また、このスーパーツィーターはWD(Wide Dispersion=広指向性)をもたせてあり、スイートスポットを広げて顔の向きにより落差がでないようにしています。
スーパーツィーターの効果を最大限に引き出すために、25mmメインツィーターとの間隔や奥行きなどの位置関係をミリ単位で調整し、フェイスプレート上に両者をマウント。
また各ツィーターの開口部形状は試作と試聴を繰り返し音質と特性の双方を最適に調整してあるそうです。
また、ウーファーは130mmで、ソニー独自の「MRC(発泡マイカ)」素材を振動板に採用。滑らかさと力強さを両立するユニットを実現するために、振動板のベース材と表層を異なる種類のMRCを組み合わせる2層抄紙(しょうし)技術を取り入れている。
この2層抄紙技術は、Fostex フルレンジユニット「FF-WKシリーズ」が採用する独自技術だそうですから、FostexとSONYの「MRC」素材技術とのコラボ企画の開発品のようです。
そういえば、SONYは、オーデイオ用スピーカーの製造は、自社製造ではなく専門メーカーに任せているようです。
FOSTEX/フォステクス FF125WK 12cmフルレンジ 【FF-WKシリーズ】
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更に、クロスオーバーネットワークの素子にはトゥイーター用のコイルに空芯(大入力でも磁気歪みが生じにくいという)を、ウーファー用には珪素鋼板コア(こちらは、空芯コアに比較して、馬力感のある低音とナチュラルな音質が特徴という)を採用し、さらに可能な限り太い巻線を採用。
コンデンサーは全てフィルムコンデンサー(電解コンデンサーより分解能が高いと言われる)とするなど低品位な素子では失われがちな音楽情報の欠損を最小限に留め、エネルギッシュでありながら繊細な感情の変化まで表現するようにしているそうです。
だめ押しに、十分な厚みを持つMDF材を使用することで基本的な強度を確保しつつ、入念な検討と試聴を繰り返し、13箇所もの補強を施すことでエンクロージャー剛性を高め、これにより不要な振動を効果的に抑え、立ち上がりのよいクリアでタイトなベースサウンドを実現したそうです。
と、1本8,000円ぐらいのスピーカーに、こんなに蘊蓄かたむけていいのかというほど、SONYの技術力をつぎ込んだ製品です。
噂によると、ほとんど儲けがでないそうです(そういえば最近、全然値崩れしていません)。
Stereo(ステレオ)2016年5月号では、「SPユニット」「ネットワーク」「エンクロージャー」の部品等を検証すると、2倍の価格を付けても全くおかしくない内容を持つ、超高コストパフォーマンスのスピーカーであると紹介されているそうです。
この製品、
SS-CS3、SS-CS8、
という、ホームシアター向けのコンポーネントオーディオのシリーズとして、共通の部品が使われているため、全体としてのコストダウンが図られ、かつ、シリーズ全体として売れれば儲けがでる感じなのでしょう(売れ筋はトールボーイのSS-CS3 セットで23,000円ぐらい)。
ということで、「ミーちゃん」「ハーちゃん」が買う、ホームシアターオーディオに、これだけオーディオマニアが並べるような御託を並べられては、買わないわけにはいかないということで、即、ポチッとしてしまいました。
思ったより、デカくて重い。
みっちゃんがいたら、きっと、こんな感じで睨んでいたと思います。
早速置いてみます。
うわっ、背が高くてモニター画面(37インチ)が隠れてしまいます。置き方を考えなくては。
アンプの大きさと、結構アンバランスになってしまいましたが、50W+50W の S.M.S.L の SA-50 のパワーアンプで駆動させるには、このくらいの大きさがちょうどいいのかもしれません。
見栄えは、すごくマニアックでいいですね。
で、肝心の音ですが。JBL+P1000-Eの自作スピーカーとの比較になってしまいますが、とにかく素直で上品な音がします。
驚いたのは、自作スピーカーが結構いい音がしていたんだなということでした。
10,000円で自作スピーカーを考えている方は絶対おすすめです。
低音は、さすがに、130mmのユニットに、エンクロージャーの容積も大きいので、JBLの自作スピーカーの1.5倍ぐらい出ます。それも、ぼわっとした音ではなく、引き締まった低音で聴きやすいです。
高音は、JBLに比べ、ちょっとおとなし過ぎるかなという感じ。JBLでDSDフォーマットで聴いたバイオリンが、キンキンしていたのに対し、だいぶマイルドです。
ドンシャリ感が好みの人には物足りないと思います。でも、これが本当の音なんじゃないかと思います。慣れの問題の範疇ですね。
特筆すべきは、SONYも強調していますが、ボーカルのつややかさです。あと、オーケストラによるクラッシックが得意だと思います。
JBLでは、JAZZやROCKは、すごく迫力をもって迫ってくる音が、クラシックになると、途端に薄っぺらく迫力無くなってしまったのが、同じように迫力をもって迫ってきます。これはどういう理屈なのか、説明がつきませんが、とにかく楽しく聴けます。
ということで、初めてこのクラスのスピーカーを使う方にとっては、びっくりするほどいい音がするよう感じるのではないでしょうか。SONYの意気込みが感じられる製品です。
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