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EDの漢方治療

2007-02-05 09:48:41 | ED

補腎陽、補腎陰、填精のバランスを考えることが必要

中国上海や広州の大都市では離婚原因の半数近くが性生活の調和が取れていないことだと報告がある。殆どが男性側の精力不足、ED、早漏が原因という。漢方伝統のお国であるから、種々の強壮剤がある。

専門中医学者(漢方医)が注意を喚起しているのが、EDや早漏の際に「補陽薬(ほようやく)に偏り過ぎてはいけない」ということだ。補陽薬に偏りすぎると体内に熱を持つようになり、その熱と過度な性行為は陰を傷つけ、精血を消耗させ早死にの原因となると説く。腎陰 腎陽 肝血 腎精の補い方のバランスを欠いた「薬剤への依存」は却って未病(みびょう)(将来に発生する可能性の高い病気)を発生させると説く。

ED治療: 補陽の「祖」といわれる五子衍宗丸(ごしえんそうがん)

 腎陽虚のED、遺精、早漏などの方薬として有名な五子衍宗丸(ごしえんそうがん)がある。出典は明代の「証治準縄」である。古くから中国では「五子壮陽、六味滋陰」(五子衍宗丸は壮陽効果、六味地黄丸は滋陰効果)と言われている。唐代の宮廷貴族が日常的に服用した保健薬でもある。菟?子(としし) 枸杞子(くこし) 覆盆子(ふくぼんし) 五味子(ごみし) 車前子(しゃぜんし)の五子からなる方剤である。

薬性は比較的穏やかで、いわゆる「即効性」には欠けるが老年期に差し掛かってきたころの腰痛、夜間頻尿、尿漏れ、足腰の冷えなどを伴う精力減退に適する。配合生薬を解説してみよう。

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覆盆子(ふくぼんし) 帰経: 肝 腎

益腎固精 固精縮尿 益肝明目

ED 早漏に特に効果がある。夜間頻尿や尿失禁にも効果がある。老年性視力減退にも効果がある。

中国産はゴショウイチゴ(写真上)の完熟直前の実を乾燥させて薬用とする。(写真下)味は甘酸っぱく「酸甘化陰」の理論に一致し、陰液を増やすことにもなり精液の量も多くする。薬性も微温であるので陰を傷つけることも無く長期に服用が可能である。小説 「宮廷女官 チャングムの誓い」の中で「クマイチゴ」として紹介されているものに相当するが、小説文中「毎晩一粒ずつ食べる」と記載されている。そのような少量では目に見える効果があるかどうかは疑問である。

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2007_130_006_2

菟? 子(としし)帰経: 肝 腎 脾

効能: 補腎陽 益精 固精縮尿

ネナシカズラの成熟種子で、辛 甘 微温(清書によっては平性)である。

腎陽虚のED 早漏に効果がある。また尿に精液が混じる精液尿や、夜間頻尿、尿失禁にも奏効が認められる。

婦人科領域では、菟? 子の補肝腎作用は安胎(あんたい)作用につながり、古来より胎動不安がある流産の防止薬としても有名である。腎陽虚、胃腸虚弱の下痢に対する治療薬として、同じく補肝腎薬である補骨脂(ほこつし)仙茅(せんぼう)と共に止瀉(ししゃ: 下痢を止める)作用が利用される。古来より「燥にも?にも偏らず、補陽すると同時に益精に働く良薬」とされる。また養肝明目に働きエイジング(老化)による目のかすみに効果がある。

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枸杞子(くこし) 帰経: 肝 腎 肺

効能: 補益肝腎 明目 滋陰潤肺

中国では寧夏(ねいか 中国名ミンシャ)産の枸杞子が有名である。 寧夏の枸杞子の薬酒 寧夏紅(ねいかこう ちゅうごくめいミンシャホン)は古来より長寿をもたらす薬酒として有名。肝腎陰虚による眩暈、視力減退、目の乾燥感、腰痛などに使用される。上海地区の目を酷使するタクシーのドライバーやコンピューター従事者の間では中国茶に枸杞子を入れて持ち歩く携帯用のお茶ボトルが人気である。六味地黄丸に菊花と枸杞子を加味した杞菊地黄丸は腎陰虚に伴う目の疲れや高血圧の合併などに使用される。肺腎陰虚の切れにくい痰や慢性の咳に対して貝母 沙参 麦冬などと共に使用される。同様の作用をもつ生薬として女貞子(じょていし)がある。

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五味子(ごみし) 帰経: 肺 心 腎

効能: 斂肺益腎 固渋止瀉 養心益気 収斂固渋 生津止渇 斂汗

効能は烏梅と共通する部分が多いが、烏梅が平薬であるのに対し五味子は温薬である。腎経に作用する五味子の特徴として補腎固精作用があり腎虚の早漏や遺精に効果がある。心経に対する作用として養心安神作用があり、不眠症にも有効である。斂汗(れんがん)作用とは異常な発汗である自汗や寝汗(盗汗)を抑える作用を意味する。

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車前子(しゃぜんし) 帰経: 肝 腎 肺 小腸

効能: 清熱利水 滲湿止瀉 清肝明目 化痰止咳

清熱利水(せいねつりすい)作用は膀胱炎に対して主として利用される。滲湿止瀉(しんしつししゃ)作用とは、尿量を増加させることによって水様便を固くさせる作用を指し、この作用を中医学では「利小便実大便」と言う。高血圧症に伴う眼球結膜の発赤(目赤)や緑内障にも効果があり、肝火、肝熱を清し眼症状を軽減することから「清肝明目」作用があると言われる。呼吸器感染症による膿性痰や咳嗽に桔梗紫菀などとともに使用される。EDに対する直接的な効果は無いと判断できるが、陰部の痒みを伴う場合などの「湿熱」が関与する場合などには効果があると推定される。

以上のように五子衍宗丸に配合される生薬は薬性から判断すれば、微温薬である覆盆子 菟? 子 平薬である枸杞子、温薬である五味子と反対の寒薬である車前子の配合であり、全体として平~微温の構成になっている。補陽といわれているものの枸杞子などの補陰薬の配合もなされている。このため長期にわたって服用しても安全である。現代西洋のED治療薬は単一成分の錠剤である。西洋と東洋の医学体系の発達の違いが存在するにせよ、中国人の「安全性に対する伝統」と「生薬の配合の妙」を再認識させる事例でもある。

   続く、、


糖尿病EDの漢方治療

2007-02-03 09:56:26 | ED

「寅卯の刻に行為すべし」とは?

中国古書「素問 生気通天論、金匱真言論」には「鶏鳴の時陽気が生じ始める。」とあり、「霊枢 順気一日分為四時」には「寅卯の時刻(朝の3時から7時までの間)は陰中の陽、五行では木(もく)(肝は五行学説では木に属する)の時刻」とある。健常な男性なら生理的に勃起現象が生じる時間帯でもある。

 男性の勃起現象や射精を肝の機能と結びつける考えは古来より存在する。

そこで

「EDならば一眠りしてから寅卯の時刻に性行為に及びなさい。」

と忠告する漢方医が存在する。確かに自然界の陽気が衰え始める夕刻から夜間に、その日の労働の疲れが抜けきれないままに性行為に及ぶのは賢明でないかも知れない。

症例

中国医案(症例)集にある症例である。25歳男子、若くして糖尿病発生。精神的緊張が極度に達し、それまでED気味であったのが初夜の失敗から完全にEDとなった。夫婦の両親が心配のあまり名高い漢方医を受診させた。その医者は「肝よりEDを治す医師」として名高かかった。柴胡 郁金 川芎 仙茅 淫羊藿 牛膝 蜈蚣 炙甘草にて治療を開始、5日後効果現れず。医師は言った。

「今日、明日と今回処方する薬を寝る前に服用しなさい。眠前に飲む薬を飲んだらゆっくりと三百を数えなさい。房事は明け方に鶏が鳴く時間帯に及ぶように。」

それからというもの、男は昼はせんじ薬を飲み、夕食後しばらくしてから眠前の頓服を服用すると三百を数えないうちに眠りに落ちた。鶏が鳴いても目が覚めない。

さらに5日後、自然に鶏鳴と共に目が覚めた。柔らかい朝の光が窓から差し込んでくる。心は落ち着いている。久しぶりに伸びやかな安らいだ気持ちを感じた。傍らには新妻が男の腕の中で薄い絹の寝衣をまとって眠っている。いとおしさを感じて男は妻の体に触れ始めた。妻はまだ目を覚まさない。男は体の奥から盛り上がってくる性感を感じ始め激しい勃起に気がついた。

以来、男のEDは改善され子宝にも恵まれた。後日談によると、新妻は医師からこう言われていたそうだ。

「5日後、あなたの夫は自然に鶏鳴時刻に目が覚める。その時は眠ったふりをして夫の好きなようにさせてから目を開けなさい。」

まさに名医であった。眠前の薬剤は酸棗仁(さんそうにん)遠志(えんし)菖蒲根(しょうぶこん)であった。肝腎心の三臓を調正し、安眠をもたらす眠剤である。

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牛膝(ごしつ) 帰経: 肝 腎

効能:補肝腎 強筋骨

日本で流通しているのが牛膝である。懐牛膝 あるいは准牛膝とも言われる。EDに使用される場合は補肝腎作用と川膝(せんしつ)の活血化淤の作用と牛膝、川膝一般の性質である引血下行、諸薬下行(諸薬を下へ導く)の引経薬の働きが利用される。補益肝腎薬として杜仲(とちゅう)続断(ぞくだん)なども併用される。

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川牛膝または川膝(せんしつ) 帰経: 肝 腎

効能: 湿 活血化淤

牛膝に比較して色が黒い特徴がある。中国では活血化淤の作用は川膝にあるとされ、風湿作用を併せ持つ。EDに対しては牛膝 川膝の両者を使用する。

補益肝腎により精気を養い、引血下行 活血作用にて陰茎の充血を促し、温腎壮陽の諸薬を下に導くことによりED治療の効果を高めるとされる。

  続く、、


糖尿病のEDの漢方治療 起陽回復湯とは?

2007-02-02 10:26:25 | ED

糖尿病の病期における漢方治療の原則

糖尿病に伴うEDに対する基本的な漢方治療の原則は「滋陰壮陽(じいんそうよう)強腎固摂(きょうじんこせつ)填精養陰(てんせいよういん)気血双補(きけつそうほ)」である。内臓では肝腎心と陰血が重要なポイントとなる。一般的な精力不足に「温腎壮陽(おんじんそうよう)」が行われるのとは趣が異なる。

糖尿病が進行するにつれて陰虚証が顕著になってくる。多尿状態が長くなり、尿蛋白などが出現し、目のかすみ、手足のほてりなどが出現してくると、漢方では陰虚内熱(いんきょないねつ)といい、腎陰虚が進行してきたと考える。これに対しては、腎陰を補い、腎の固摂作用(こせつさよう)を強める方法である養陰固腎という治療原則をとる。さらに倦怠感 自汗などが合併するようになると気陰両虚と言い、気陰双補という治療原則に従う。


 さらに糖尿病が進行し、手足の冷え、陽萎(EDインポテンツ)、腰痛、下肢のだるさ、浮腫みなどが出現してくると、漢方では陰陽両虚と診断される。これに対しては、腎陰を補い、腎陽を暖め、腎の固摂作用を強める方法をとる。海馬補腎丸(かいばほじんがん)や六味地黄丸、金匱腎気丸(きんきじんきがん)や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などが古来より有名な方剤である。しかし、EDに特化して治療をしようとすればこれらの市販薬だけでは不十分だ。

起陽回復湯

 糖尿病のEDの漢方方剤の一つを紹介しよう。EDの中で特に糖尿病に合併するものは治療が困難とされている。逆に言えば、その他のEDは治療が簡単であるということだ。

柴胡 白芍 枳壳 炙甘草 白藜 蜈蚣 遠志 石菖蒲 菟? 子 肉? 蓉

三七人参粉 亀板 枸杞子 当帰 玄駒粉(? ?の別称:中国語 ヘイマーイー 日本語 黒蟻 くろあり)を基本処方とする。

冷えなどの陽虚証が強い場合や高齢者では巴戟天 仙霊脾 鹿茸 陽起石を加味する。

胃腸虚弱者には、人参 山薬 黄耆 茯苓 白朮を加味する。

陰部のじめじめした痒みなどの炎症を伴う場合には、白花蛇舌草 龍胆草 蒲公英 蛇床子などを加味する。

淤血証が強ければ王不留行 路路通 三棱 莪朮 水蛭などを加味する。

基本処方の柴胡 白芍 枳壳 白蒺藜はストレスによる肝気の鬱結を除く。亀板 枸杞子 当帰 黒蟻粉 三七人参(田七人参)は血液の流れを良くし、肝腎を補い、心血を調正する。遠志 石菖蒲は三臓(肝腎心)を協調させる。蜈蚣 肉? 蓉 菟? 子の三薬は助陽通絡 壮陽に働く。

症例

糖尿病歴8年、現在インスリン自己注射施行中の49歳の会社役員である。数年来のEDで奥様がいくつかのサプルメントや漢方薬を買い求めご主人に服用させたが無効。診察してみるとかなり鬱(うつ)の状態である。また眼底検査にて動脈硬化が進行中のこと(KW二度)。さらに負荷心電図で軽度の冠状動脈硬化症が疑われている。

尿蛋白定性1プラス、糖尿病性腎症の始まりでもあった。不眠傾向もあり、脈は細数であり、上半身の異常発汗 のぼせなどがあるものの下肢の冷えも著明である。動脈硬化の予防のために田七人参を薦め、陰陽双補、強腎固摂、活血化淤を治療原則とした。

問題のEDに関しては基本的に起陽回復湯をベースに石斛 天花粉 知母 黄柏にて滋陰降火、水蛭 王不留行にて淤血の除去、西洋人参 五味子 麦冬で陰液を補い、仙茅 仙霊脾 巴戟天 鹿茸にて温腎壮陽を行った。治療開始後3ヶ月で性生活は「満意(満足)」すべき状態まで改善した。その後は定期的に超音波検査で頚動脈のプラークの有無の確認(動脈硬化の検査)を受けているがプラークの出現傾向は無く、腎機能も正常に保たれている。

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2007_015

田七(でんしち)人参末(粉) 帰経: 肝 胃

効能: 散淤止血 消腫定痛

田七人参は三七人参とも言われ、漢方薬学では化止血薬に分類されている。

止血とは、「血を取り除いて、その結果止血する」という、やや難しい概念であり、現代薬理学で説明すれば、血液をサラサラにすると同時に出血を止めるという、やや矛盾するように感じる特殊な止血薬である。近年は動脈硬化予防作用が注目されている。

1.田七人参はβ―リポ蛋白、中性脂肪などの血清脂質を減少させ、

善玉コレステロールを増加させる。

2.動脈硬化指数の有意な改善効果がある。

3.高脂血症、心血管の動脈硬化症に有効性が認められる。

4.脳動脈硬化症の防止、脳梗塞の防止作用が期待されている。

5.捻挫、打撲による腫れをのぞき(消腫作用という)、痛みを除く(除痛)

今や、中国大陸で働きまわる日本の猛烈サラリーマンの多くが、心臓の冠状動脈や脳血管の動脈硬化を防止する守護神として、田七人参を愛用している。

写真は粉末製剤である。粗悪品は色が黒く、不純物が多く、極端な例では砂様な混入物があるので注意されたい。

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2007_004

? ?(ヘイマーイー)黒蟻 帰経: 不明

効能: 解毒止痛 

古くは慢性関節炎などの治療薬としての記載がある。近年では滋補強壮作用があると言われ、老年の体力低下に用いられる。黒蟻の粉が性能力をアップさせるかについては異論も多く、過剰な期待は持たないほうが賢明であろう。滋養強壮の効果はあるらしい。

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2007_008

巴戟天(はげきてん) 帰経: 腎

効能: 補腎壮陽 除湿

腎機能の低下などが見られる腎陽虚に慢性関節炎などに特に有効である。老人の慢性関節リュウマチに奇効を示すことがある。一般に性機能のアップにつながる補陽薬は温熱の性質を持つが巴戟天は微温であるために「温而不燥」の生薬と言われ糖尿病の陰虚のEDに対して安全に使用できる。

   続く、、


糖尿病のEDの漢方治療 勃起不堅とは?

2007-02-01 11:55:12 | ED

現代中国の医学用語に勃起不堅がある。いわゆる「半立ち」の状態で十分な勃起が得られない状態を指す。経済発展の著しい中国沿海地区、特に上海地区ではうなされたような美食、過食過飲の傾向が出現し、どのレストランも空席を見つけるのが難しいくらいである。現代日本での国民病ともいえる糖尿病が上海地区でも急速に増加している。そこで問題となっているのが「勃起不堅」である。始末に悪いのは、加えて「半立ち状態での早漏」が多くなっていることだ。極端なケースでは30秒から1分弱で射精してしまう。

現代医学では、糖尿病に伴いやすい(正常人の約3~4倍)EDの原因として動脈硬化症、糖尿病性神経症、テストステロンなどの男性ホルモンの減少、心理的ストレス、合併症に使用される薬の副作用など様々な原因を挙げている。しかし決定的な治療法がないのが現状である。

中国人は日本人と異なり、あまり医者の指示を守らない。食事療法などは至難の業だ。加えて脂肪分の多い食事である。トンポーローをつまみにビールを飲んでピーナッツをバリバリ食べて、甘い上海料理に舌鼓を打つ。注意すると「知道了、知道了 明白了(知ってるよ、わかったよ)」と言うものの延々と食事を楽しむのである。

結果、糖尿病はどんどん増加し、「勃起不堅」もまた増加する。

 金が出来て、社会的な地位も安定し、暇がある程度できるようになるころ、糖尿病と「勃起不堅」に悩むことになる。そして漢方医を受診する。

「先生、 なんとかしてください。このまんまじゃ生きてる甲斐が無い。早死にしたくないから西洋薬は不要(ぶーやお)!皇帝の秘方をください!!」

勝って気ままな患者が多いのである。しかし、結果よければ理屈抜きで全部良し。

「あそこの○○医生(医師のこと)は腕がいい。あそこはヤブだ。」

などと言いながら、仲間同士で食事をする。

日本人なら

「先生の言いつけを守らなかった自分が悪いんだ。ちょっと食べ過ぎたからなぁ。

ヘモグロビンA1cも上がったし、半立ち早漏も仕方ないかぁ。」

と諦める患者の方が多い。

「しらす干しを4匹多く食べてしまったからどうしよう。」

などと過剰な心配をしている日本人の患者もいる。喜劇を通り越して悲劇的ですらある。

「任せなさ~い。」

と請け負う態度が無いと中国では漢方医はやっていけない。いったんヤブの烙印を押されると、「悪事千里を走る」の喩えどおり、たちまち生計が成り立たなくなる。漢方医も必死である。密かに文献を読み漁り、秘方を探し求める。

 ちなみに、「秘方」という言葉は現代上海女性でも使われている。

「これは、私の美容の秘方(あるいは偏方という女性もいる)よ。個人努力で見つけたの。」てな具合である。

一ヶ月で糖尿病のEDを治した「名医」の話

近代中国北京での話である。糖尿病歴7年でいわゆる勃起不堅と超がつくほどの早漏の40代の患者である。殆ど勃起しないか勃起しても不堅の状態で、1分以内に射精してしまう。西洋医学的に検査をしても「糖尿病だから仕方が無い」と言われ、テストステロンの注射とバイアグラの服用を勧められたが、両親が反対して漢方医を受診させた。中国人は西洋医の助言より親の意見を大切にする。

 漢方医の診断はED、肝腎精血虚損、相火内灼、淤血阻滞であった。わかりやすく言えば、肝臓 腎臓における精気不足と血虚、陰虚による相対的な内火の増加、血流の停滞による淤血の存在ということになる。

「任せなさ~い。」と言ったかどうかは知らないが、次のように医師は述べた。

「補益肝腎、滋陰降火そして化淤通絡を以って治るでしょう。」

日本人は4文字熟語に弱い、しかし漢字だけの国の中国人は大衆でも4文字熟語を語感でつかむのが得意だ。

「先生 非常多謝!」

治療が開始された。

生地黄 熟地黄 山茱萸 烏梅 黄連 麦冬 知母 黄柏 阿膠 生鼈甲 丹参 天花粉 九香虫(前々回に写真を載せた)を煎じ7日後、動悸や発汗しやすいなどの症状は治まり、性欲が自然に盛り上がってくるのを感じ始めた。そこで、九香虫を増量、当帰を加え更に10日後、陰茎の不堅は改善され、2~3分の性行為が可能となった。そこで医師は紅景天、鹿茸、冬虫夏草、仙茅、仙霊脾を加えさらに10日後や如何?完全に30代の性能力を回復させることに成功した。

 以来、その漢方医は糖尿病のED治療の名医の評判を獲得、現在北京で盛業である。

秘方は公開されればもはや秘方ではなくなる。人口に膾炙されるようになったこの方剤は黄連の連と烏梅の梅から「連梅湯」と呼ばれるようになった。

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2007_005

烏梅(うばい) 帰経: 肝 脾 胃 大腸

効能: 斂肺渋腸 和胃安蛔 生津解毒

青梅(あおうめ)を薫蒸(くんじょう)し乾燥させたものであり、種も果肉も一緒に砕いて薬用とする。糖尿病に対する効能で最も有効なのが生津止渇(しょうしんしかつ)作用であり、陰液を増やし喉の渇きを癒す。精液量の減少にも一定の効果がある。

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2007_001

紅景天(こうけいてん) 帰経: 肝 腎 その他

元来、蔵医学(チベット医学)で用いられてきたもので、近代中国になって研究が進んできた。標高4千メートル以上に咲く高山植物の根を乾燥させたものである。

効能は填精養血であり、高山地区の低酸素環境での増血を促進させる。

筆者は骨髄異型性症候群に使用して著効を経験している。

ソビエト(現ロシア)時代に宇宙飛行士に服用させたとの報告がある。

   続く、、