郵政民営化に反対して自民党を離党した無所属の平沼赳夫元経済産業相(67)が昨年12月に脳梗塞を起こし、東京都内の病院に入院中であるらしい。平成16年3月4日には読売巨人軍終身名誉監督の長島茂雄さんが脳梗塞で倒れたが無事復帰を果たした。平沼さんもリハビリを終え一日も早く復帰されることを祈る。思い返せば故田中首相がロッキード裁判公判中に、竹下登氏の創政会設立の「造反行為」で1985年2月に脳梗塞で倒れ入院、さらには、故小渕敬三氏が首相在任中の2000年4月に脳梗塞で倒れ順天堂大学医学部附属順天堂医院に緊急入院し、意識を回復すること無く約1か月半後に逝去された。62歳のまだまだ働き盛りである。動脈硬化の体質に精神的肉体的ストレスが加わったときに脳梗塞が発症する。
脳出血から脳梗塞へと死因は変化しつつある
日本人の死因統計では第一位が悪性腫瘍 第二位が心臓病 第三位が脳血管疾患である。脳血管疾患で増加しつつあるのが脳梗塞だ。脳血栓と脳梗塞は基本的に発症病理が異なるが、簡単に言えば、脳梗塞は脳の血管が閉塞することによって発症する。どうしたら脳梗塞の発症を予防できるのだろうか?
動脈硬化の防止とアテローム血栓の防止
巷では「血液さらさら健康法」などと称していろいろなサプルメントが人気がある。しかし一向に脳梗塞が減少しない理由は何故であろうか?原因は「片手落ち」の考え方にある。
すでに動脈硬化が激しく、血圧が高い場合には、「血圧を放置して血液さらさら健康法」などは馬鹿げている。先ず、血圧を安定させ、血管を強化し、動脈硬化の進行を抑制したうえで血小板凝集抑制剤などを服用するのが順序である。無理なダイエットなどをすれば血管の弱体化が進む。
動脈硬化が軽度で、血圧が高い場合には、先ず血圧を安定させて、動脈硬化促進因子である高脂血症、肥満、喫煙、過剰な飲酒などに留意する。
漢方の役割は①血圧の安定 ②高脂血症の改善 ③肥満の改善 ④血流を良くし淤血を取り除き総合的に動脈硬化の進行を遅らせることだ。西洋薬と共同した方が効果は確実なものとなる。漢方薬やサプルメントを選択する際に重要なことは単一生薬やサプルメント製品であたかも万能であるような広告に惑わされないことである。
高麗人参は血圧を上げる副作用がある
高麗人参は特に補陽の効果があり、過剰に摂取すると血圧が上昇したりする副作用がある。また、製品の中には調剤のために糖分が過剰に含まれているエキス剤も有り、糖尿病の悪化をきたす場合も報告されている。専門医に相談してから服用するほうが安全である。
良質の田七人参は脳梗塞を防止する
田七人参は三七人参とも言われ、漢方薬学では化淤止血薬に分類されている。
化淤止血とは、「瘀血を取り除いて、その結果止血する」という、やや難しい概念であり、現代薬理学で説明すれば、血液をサラサラにすると同時に出血を止めるという、特殊な血管強化薬である。近年は動脈硬化予防作用が注目されている。
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1.田七人参はβ―リポ蛋白、中性脂肪などの血清脂質を減少させ、
善玉コレステロールを増加させる。
2.動脈硬化指数の有意な改善効果がある。
3.高脂血症、心血管の動脈硬化症に有効性が認められる。
4.脳動脈硬化症の防止、脳梗塞の防止作用が期待されている。
5.捻挫、打撲による腫れをのぞき(消腫作用という)、痛みを除く(除痛)
今や、中国大陸で働きまわる日本の猛烈サラリーマンの多くが、心臓の冠状動脈や脳血管の動脈硬化を防止する守護神として、田七人参を愛用している。
写真は粉末製剤である。粗悪品は色が黒く、不純物が多く、極端な例では砂様な混入物があるので注意されたい。
丹参を含む製剤は病状、体質に合わせて服用する
淤血を取り除き血流を良くする生薬の代表に丹参がある。丹参のなかでも紫丹参が良質とされている。
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丹参(たんじん)を含む中国産の製剤は多く市販されています。それぞれ病状、体質によって使い分けをしなくてはなりません。代表的な製品を挙げれば、
消栓再造丸(しょうせんさいぞうがん)
製造元:北京同仁堂製薬厰
成分:丹参、田七人参、血竭、安息香、蘇合香、川弓、人参、沈香、天麻、金銭白花蛇。
効用:血液の流れよくさせ、お血を除去。補気養血、高脂血症をコントロール。脳硬塞などによる後遺症、半身不髄、口の歪み、言語障害、胸の苦しみ、高脂血症などに使用。
鎮脳寧(ちんのうねい)カプセル
製造元:通化東宝薬業股分有限公司
主要成分:川弓、藁本、細辛、天麻、水牛角、丹参など。
効用:吐き気、手足のしびれ、目眩耳鳴りなどに伴う頭痛。高血圧、動脈硬化、血管神経性頭痛。とくに頭痛が酷い場合に使用。
糖脈康(顆粒)(とうみゃくこう)
製造元:中医研究院中匯製薬公司
成分:黄耆、生地黄、丹参、牛膝、麦冬、黄精など。
効用:養陰清熱、活血化淤、益気固腎。糖尿病の気と陰の虚(気陰両虚)と淤血による倦怠、多汗、渇き、胸の痛み、手足の痺れ、便秘、舌の腫れなど。糖尿病を合併した場合に使用。
安神補心丸(あんじんほしんがん)
製造元:上海和黄薬業
成分:丹参、五味子、石菖蒲、合歓皮、墨旱蓮、女貞子、首烏藤、地黄、珍珠母、莵絲子。
効用:養心安神。体力が低下気味で、動悸、息切れ、いらいら感、肩こり、不眠等の神経症状の改善を目的とした薬です。配合されている生薬には、体力の低下を改善する作用、神経のいらだちを鎮める作用があります。自律神経失調気味の場合に使用。
天王補心丸(てんのうほしんがん)
製造元:北京同仁堂
成分:丹参、当帰、石菖蒲、党参、伏苓、五味子、麦冬、天冬、地黄、玄参、遠志、酸棗仁、柏子仁、桔梗、甘草、朱砂
効用:滋陰養血、補心安神。不眠症、動悸、健忘症、神経衰弱、更年期障害など。
復方丹参片(ふくほうたんじんへん)
製造元:上海雷允上製薬有限公司
主要成分:丹参エキス、三七(田七)、など。
効用:血液の流れをよくし、淤血除去、気の流れをよくし、痛み止め。胸の苦しみと痛み。主として冠状動脈硬化症、狭心症に使用。
消栓通絡片(しょうせんつうらくへん)
製造元:哈薬集団太陽島製薬厰
主要成分:丹参、川弓、三七人参、黄耆、澤潟、郁金(ウコン)、木香、槐花、桂枝、山楂子、氷片。
効用:活血、通絡。高脂血症、脳血栓、脳梗塞による精神痴呆、舌が硬く、言語障害、手足冷え、動きに伴う痛みなどがある場合に使用。
以上のように各々症状や体質に合わせて服用することが大切である。最近では中国から取り寄せて服用されている患者さんも多いが、是非とも専門の医師に相談なさってから服用していただきたい。
続く、、