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糖尿病のEDの漢方治療 起陽回復湯とは?

2007-02-02 10:26:25 | ED

糖尿病の病期における漢方治療の原則

糖尿病に伴うEDに対する基本的な漢方治療の原則は「滋陰壮陽(じいんそうよう)強腎固摂(きょうじんこせつ)填精養陰(てんせいよういん)気血双補(きけつそうほ)」である。内臓では肝腎心と陰血が重要なポイントとなる。一般的な精力不足に「温腎壮陽(おんじんそうよう)」が行われるのとは趣が異なる。

糖尿病が進行するにつれて陰虚証が顕著になってくる。多尿状態が長くなり、尿蛋白などが出現し、目のかすみ、手足のほてりなどが出現してくると、漢方では陰虚内熱(いんきょないねつ)といい、腎陰虚が進行してきたと考える。これに対しては、腎陰を補い、腎の固摂作用(こせつさよう)を強める方法である養陰固腎という治療原則をとる。さらに倦怠感 自汗などが合併するようになると気陰両虚と言い、気陰双補という治療原則に従う。


 さらに糖尿病が進行し、手足の冷え、陽萎(EDインポテンツ)、腰痛、下肢のだるさ、浮腫みなどが出現してくると、漢方では陰陽両虚と診断される。これに対しては、腎陰を補い、腎陽を暖め、腎の固摂作用を強める方法をとる。海馬補腎丸(かいばほじんがん)や六味地黄丸、金匱腎気丸(きんきじんきがん)や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などが古来より有名な方剤である。しかし、EDに特化して治療をしようとすればこれらの市販薬だけでは不十分だ。

起陽回復湯

 糖尿病のEDの漢方方剤の一つを紹介しよう。EDの中で特に糖尿病に合併するものは治療が困難とされている。逆に言えば、その他のEDは治療が簡単であるということだ。

柴胡 白芍 枳壳 炙甘草 白藜 蜈蚣 遠志 石菖蒲 菟? 子 肉? 蓉

三七人参粉 亀板 枸杞子 当帰 玄駒粉(? ?の別称:中国語 ヘイマーイー 日本語 黒蟻 くろあり)を基本処方とする。

冷えなどの陽虚証が強い場合や高齢者では巴戟天 仙霊脾 鹿茸 陽起石を加味する。

胃腸虚弱者には、人参 山薬 黄耆 茯苓 白朮を加味する。

陰部のじめじめした痒みなどの炎症を伴う場合には、白花蛇舌草 龍胆草 蒲公英 蛇床子などを加味する。

淤血証が強ければ王不留行 路路通 三棱 莪朮 水蛭などを加味する。

基本処方の柴胡 白芍 枳壳 白蒺藜はストレスによる肝気の鬱結を除く。亀板 枸杞子 当帰 黒蟻粉 三七人参(田七人参)は血液の流れを良くし、肝腎を補い、心血を調正する。遠志 石菖蒲は三臓(肝腎心)を協調させる。蜈蚣 肉? 蓉 菟? 子の三薬は助陽通絡 壮陽に働く。

症例

糖尿病歴8年、現在インスリン自己注射施行中の49歳の会社役員である。数年来のEDで奥様がいくつかのサプルメントや漢方薬を買い求めご主人に服用させたが無効。診察してみるとかなり鬱(うつ)の状態である。また眼底検査にて動脈硬化が進行中のこと(KW二度)。さらに負荷心電図で軽度の冠状動脈硬化症が疑われている。

尿蛋白定性1プラス、糖尿病性腎症の始まりでもあった。不眠傾向もあり、脈は細数であり、上半身の異常発汗 のぼせなどがあるものの下肢の冷えも著明である。動脈硬化の予防のために田七人参を薦め、陰陽双補、強腎固摂、活血化淤を治療原則とした。

問題のEDに関しては基本的に起陽回復湯をベースに石斛 天花粉 知母 黄柏にて滋陰降火、水蛭 王不留行にて淤血の除去、西洋人参 五味子 麦冬で陰液を補い、仙茅 仙霊脾 巴戟天 鹿茸にて温腎壮陽を行った。治療開始後3ヶ月で性生活は「満意(満足)」すべき状態まで改善した。その後は定期的に超音波検査で頚動脈のプラークの有無の確認(動脈硬化の検査)を受けているがプラークの出現傾向は無く、腎機能も正常に保たれている。

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2007_015

田七(でんしち)人参末(粉) 帰経: 肝 胃

効能: 散淤止血 消腫定痛

田七人参は三七人参とも言われ、漢方薬学では化止血薬に分類されている。

止血とは、「血を取り除いて、その結果止血する」という、やや難しい概念であり、現代薬理学で説明すれば、血液をサラサラにすると同時に出血を止めるという、やや矛盾するように感じる特殊な止血薬である。近年は動脈硬化予防作用が注目されている。

1.田七人参はβ―リポ蛋白、中性脂肪などの血清脂質を減少させ、

善玉コレステロールを増加させる。

2.動脈硬化指数の有意な改善効果がある。

3.高脂血症、心血管の動脈硬化症に有効性が認められる。

4.脳動脈硬化症の防止、脳梗塞の防止作用が期待されている。

5.捻挫、打撲による腫れをのぞき(消腫作用という)、痛みを除く(除痛)

今や、中国大陸で働きまわる日本の猛烈サラリーマンの多くが、心臓の冠状動脈や脳血管の動脈硬化を防止する守護神として、田七人参を愛用している。

写真は粉末製剤である。粗悪品は色が黒く、不純物が多く、極端な例では砂様な混入物があるので注意されたい。

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2007_004

? ?(ヘイマーイー)黒蟻 帰経: 不明

効能: 解毒止痛 

古くは慢性関節炎などの治療薬としての記載がある。近年では滋補強壮作用があると言われ、老年の体力低下に用いられる。黒蟻の粉が性能力をアップさせるかについては異論も多く、過剰な期待は持たないほうが賢明であろう。滋養強壮の効果はあるらしい。

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2007_008

巴戟天(はげきてん) 帰経: 腎

効能: 補腎壮陽 除湿

腎機能の低下などが見られる腎陽虚に慢性関節炎などに特に有効である。老人の慢性関節リュウマチに奇効を示すことがある。一般に性機能のアップにつながる補陽薬は温熱の性質を持つが巴戟天は微温であるために「温而不燥」の生薬と言われ糖尿病の陰虚のEDに対して安全に使用できる。

   続く、、


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