昨夜は忘年会、河豚を鱈河豚食べました。
阪神御影(みかげ)塚町の割烹「一心(いっしん)」です。昨年も同会場、河豚でした。美味かったですよ。
本日も引き続き張琪氏の医案を紹介します。
( )内に私の印象を付記します。
患者:姜某 49歳 女性
初診年月日:2005年6月20日
主訴:浮腫軽重5年、乏力軽重ここ2年。
病歴:
5年前浮腫出現、時に軽く時に重い;ここ2年乏力出現。2週前胸悶気短、平臥不能、現地病院診断;慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、心不全Ⅲ度、中薬の薬湯を与え、貧血を補正し、心肌供血、利尿消腫により改善。1週間前、氏を受診、外来では“虚労”“慢性糸球体腎炎”慢性腎不全“と診断、入院治療となった。萎縮性胃炎病歴9年、乙方病毒性肝炎(B型肝炎)病歴9年、陳旧性前壁心筋梗塞あり。
初診時所見:
症見乏力、胸悶、気短、咳嗽、咳白痰、悪心、嘔吐、納差、舌質紅、苔白膩干、脈沈。腎機能:Cre377μmol/L(4.26mg/dl)。
(肝炎、心不全のデータが有りませんが、本案は腎病医案ですので省略は可とします。)
中医弁証:湿熱化濁 胃熱陰虚
(舌質紅、苔白膩干 悪心 嘔吐から湿濁化熱、湿熱内蘊傷陰、胃中湿熱と診断したわけです。)
西医診断:慢性腎盂腎炎 慢性腎不全(失代償期)
治法:甘露飲加減
方薬:
生地黄20g 茵陳蒿15g 黄芩15g 枳殻15g 枇杷葉15g 石斛20g 麦門冬15g 甘草15g 竹茹15g 黄連10g 砂仁15g 陳皮15g 大黄10g 厚朴15g 半夏15g
21剤、水煎服用 1日1剤 二回に分けて服用
(甘露飲加陳皮、厚朴、白豆蔲、砂仁により行気化湿濁、半夏、竹茹、黄連、大黄で清熱解毒降気止嘔 通腑泄濁を図りました。)
二診
服用前方21剤後、気短、胸悶、乏力残存、咳嗽なし、白痰、悪心、嘔吐、身熱、不欲飲、舌質紅、苔白膩干、脈沈。腎機能:Cre313.6μmol/L(3.54mg/dl)、BUN13.71mmol/L(82.26mg/dl)、ヘモグロビン8.5g/dl、尿検査:WBC0~1/HP、RBC1~2/HP、尿蛋白(2+)。養陰清熱 益気活血、寛胸を治法とする。
(身熱、舌乾燥から熱盛陰傷、不欲飲水などから血瘀の証があり、胸悶、気短を血瘀阻絡により胸の陽気が阻閉されていると捉えました。紅参(三診で出現)、黄耆、桃仁、丹参、川芎、赤芍で益気活血を、半夏瓜蔞薤白湯にて寛胸散結を目的としたわけです。以下。)
方薬
石斛20g 麦門冬15g 黄芩15g 枳実15g 川黄連15g 大黄10g 柴胡15 半夏15g
瓜蔞20g 薤白15g 黄耆30g 桃仁15g 丹参20g 川芎15
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