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慢性腎不全 張琪氏漢方治療18.補脾腎化湿、通腑瀉濁法治療 (腎病漢方治療218報)

2013-12-24 00:15:00 | 慢性腎不全 漢方

慢性腎不全の治療の大綱は益気健脾補腎、通腑泄濁、活血化瘀、清熱解毒祛湿であることに変わりは無いようですが、自覚症状の改善目的には降逆止嘔、濁湿化熱防止、腰痛の軽減などが必要です。どのような順序で治療するのかが課題なのです。本日も飽きないで張琪氏の医案を紹介します。

患者:孫某 53歳 女性

初診年月日2005823

主訴:全身乏力2年間

病歴

2年前、疲労が重なった後に乏力出現、ヘモグロビン6.0g/dl20047月腎機能検査:Cre7809μmol/L8.82m/dL)、二酸化炭素結合力16.6mmol/L、診断“腎不全”。20058月:Cre710μmol/L8.02m/dL)。中医治療を求めて氏を受診。

初診時所見

全身乏力、納少、腰酸、顔面少華、唇白色淡、大便1/日、舌質淡、苔白、脈弦細。ヘモグロビン9.7/dlCre6408μmol/L7.12m/dL)、BUN20.96mmol/L125.76m/dL)。超音波検査:双腎萎縮。

中医弁証:脾腎両虚 濁毒内蘊

西医診断:慢性間質性腎炎 慢性腎不全

治法:補腎健脾 活血化濁

方薬

熟地黄25g 山茱萸20g 巴戟天15g 肉蓯蓉15g 女貞子20g 淫羊藿15g 枸杞子20g 山薬20g 白朮20g 茯苓20g 黄耆30g 党参20g 鶏内金15g 砂仁15g 陳皮15g 紫蘇15g 桃仁20g 丹参20g 川芎15g 紅花15g 大黄10g 黄連15g 黄芩15g 甘草15g 当帰20g 生姜15g

水煎服用 11剤。

(付記:熟地黄から党参までと当帰はいわゆる補薬群です。鶏内金は消食、砂仁 陳皮は行気和中化湿、桃仁から紅花までは活血化瘀薬、大黄は通腑泄濁、活血に作用し、黄芩 黄連は清熱解毒燥湿に働きます。以上から標本兼治の意味合いの方薬組成になっています。)

二診

服薬14剤後、まだ倦怠乏力、発熱無し、納尚可、時に咳嗽あり、舌淡、苔白、脈細、血圧115/70mmHg、症状寛解は不明瞭、化濁活血解毒を主とする。

方薬:

桃仁20g 赤芍20g 丹参20g 川芎15g 枳実15g 厚朴20g 大黄15g 生地黄20g 山茱萸20g 枸杞子20g 女貞子20g 巴戟天15g 肉蓯蓉15g 黄連15g 黄芩15g 金銀花30g 桔梗15g