解毒活血湯については前稿を最終稿とし、今回は参（人参）耆（黄耆）地黄湯に養血活血、解毒泄濁法を加えた慢性腎不全の医案を紹介します。（ ）内に私の解釈を付記します。
患者：冉某 51歳 女性
初診年月日：2005年4月30日
現病歴：
慢性腎盂腎炎を多年患う。6年前、倦怠、乏力が出現、次第に加重し4月上旬ハルピン医科大学付属第一病院受診（具体的検査所見不詳）、慢性腎不全と診断され、対症治療を受けるが、症状は好転せず、氏を受診。
初診時所見：
乏力、心悸、気短、易惊(少しのことでも驚きやすい)、胃脘灼熱、食欲減退。舌質紫、苔白厚、脈沈細。尿蛋白（２＋）。末梢血：WBC14800、RBC195万、ヘモグロビン6.9g/dl、Cre696μmol/L（7.86mg/dl）、BUN20.3mmol/L（121.8mg/dl）、二酸化炭素結合力19mmol/L、尿酸326μmol/L（5.48mg/dl）。
中医弁証：虚労（脾腎両虚、濁毒内蘊）
西医診断：慢性腎盂腎炎、慢性腎不全
治法：補脾益腎、養血活血、解毒泄濁
方薬：参耆地黄湯 加 黄耆建中湯加味
黄耆40g 党参20g 熟地黄20g 山茱萸20g 山薬20g 茯苓20g 牡丹皮15g 澤瀉15g 枸杞子20g（養陰） 莵絲子20g（助陽） 巴戟天（補腎助陽、袪風除湿）15g 淫羊藿（補腎壮陽、祛風除湿）15g 何首烏20g（補益精血 潤腸通便） 当帰20g（養血活血、潤腸通便） 白芍20g 桂枝15g 川芎15g 肉蓯蓉（補腎陽、益精血、潤腸通便）15g 玉竹15g（滋陰潤肺、生津養胃） 砂仁15g 麦芽30g 神曲15g 石斛（甘、微寒 胃、腎養胃生津）20g 山楂15g 大黄10g 黄連10g 陳皮15g 甘草15g 生姜15ｇ 大棗（補中益気、養血安神、緩和諸薬）5