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賢人も拳参(けんじん) 玄参(ゲンジン) 間違える

2012-10-01 00:15:00 | うんちく・小ネタ

賢人も拳参(けんじん) 玄参(ゲンジン) 間違える

続 本日の「漢方市民講座」

漢方向上委員会   俳句講座

あるC型肝炎 肝硬変 肝臓がんの症例に処方した煎じ薬の内容です。

それぞれの乾燥重量のg数は省略します。ある時点での処方です。

漫然と同じ処方ではありません。

人参 黄蓍 黄精 白朮 白芍 山薬 生甘草 猪苓 茯苓 女貞子 亀板 

土鼈甲 麦冬 生地黄 百部 桑白皮 知母 黄柏 黄 萋根 黄連 

梔子 龍胆草 玄参 丹参 牡丹皮 金銀花 連翹 蒲公英根 虎状根 霊芝

拳参 山帰来 魚腥草 敗醤草根 蛇舌草 半枝蓮 青蒿 茵陳蒿 仙鶴草

この拳参は漢方抗がん生薬の一つとして使用しています。勿論養陰作用はないと考えてもいいでしょう。清熱解毒消腫がメインの薬剤です。

中国では草河車といえば拳参(けんじん)タデ科を指します。

草河車を調べてみると、蚤休(そうきゅう)あるいは拳参(けんじん)となっている著書があり、「蚤休はユリ科の七叶一枝花(しちよういっしか)の根茎であり、ここまではいいのですが、

賢人(拳参)早速 タデ根食い 拳参はタデ科植物の根茎です。

乾燥した根茎を切り刻んで市販されているものは、玄人で判別しにくいのです。

蚤休み重労働も売ってなし

そもそも七叶一枝花の根茎である蚤休=重楼は日本国内で市販されていない。

「蚤休め!重労働」という感じで覚えれば いいんです。

使ったこともない素人が日本語で教科書いているのですから、教科書などはアテになりません。

それでは「玄参」とは?

賢人も拳参(けんじん) 玄参(ゲンジン) 間違える

養陰剤の側面と涼血薬の側面を持つ

玄参は元参とも書く。性味は苦 (中国語で塩辛い意味でシエンと読む。噛めば苦味とやや塩辛い)寒であり、肺 胃 腎に帰経を持つ。玄参は養陰生津作用があるので本邦の教科書では養陰剤に分類されている場合が多い。

一方、中薬学では清熱涼血薬に分類している。こんな分類上の問題は常に付きまとう。

清熱涼血薬は湿熱病中期の血分に熱邪がある場合に用いられる。

血分とは清代に生まれた温病学の概念である。温病学の衛気営血弁証では、温熱病の進展していく過程の「浅深軽重」を4つのステージ分類する。温熱病邪は衛から気に、気から営に、営から血に伝わり、病状が段々重くなる。営血は同質であり程度の軽い状態が営分、重い状態が血分である。何しろ日本は鎖国、それで明治になれば、日清戦争なので、腰を据えた学者間の交流など不可能でした。

営分に温熱病邪があると、高熱煩燥、舌赤脈数 斑疹隠隠(皮下出血)が起こり、さらに、血分に入ると斑疹悪露が生じるとある。現代医学のように、血液生化学検査も病原体の概念も、ましてや血液培養などの検査もまったく無かった時代の漢方医のものの考え方と捉えていいと思う。従って、元来の「血分」の概念から離れて、玄参の有効性を利用するという立場はむしろ許容範囲に入ると私は考える。

玄参と他の清熱涼血薬との比較

生地黄は養陰剤としての側面が強く、清裏熱作用は玄参より弱い。

一方、玄参は生地黄比較して養陰作用は弱い。

牡丹皮は活血祛瘀作用に優れ、淤血性の疼痛に効果的である。

赤芍は牡丹皮より清熱涼血作用は弱く活血作用もやや劣る印象がある。

紫草は清熱涼血作用とともに、解毒透疹作用があるが、養陰作用は疑問である。