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不妊症の漢方治療

2008-04-03 08:04:31 | ブログ

生理痛 頭重感 冷え症の症例より 漢方医の思考回路

6歳 結婚来4年で妊娠なし。生理不順 生理痛 頭重感 遅れ気味の生理に下腹部の激痛が走るようになった。婦人科、内科、脳神経外科、胃腸科受診特に異常なし。やや肥満傾向がある。自律神経失調の診断を受け、テニスをすすめられる。子宮後屈があるが、基礎体温は生理がある場合は正常。3ヶ月ぐらいは生理がこないことがある。常に、冷えを感じ、頭が重く、帽子をかぶっているような感じがある。生理前には抑うつ気分が生じる。アレルギー性鼻炎がある。歯を磨くとよく出血する。歯肉炎や歯周病に良くかかる。タバコをすうためか、咳や切れにくい痰があり、

誘引も無く突如吐き気が来る場合がある。

肩凝りがひどく、歯科衛生士をしているためか手指がしびれる

腰が痛くだるい 足先が冷える よく夕方になると足がむくむ。

生理は遅れ気味で、生理血は少なく、血塊が混じる。色は暗い赤。下腹部痛の生理通がある。白色のおりものが多い。特に避妊はしていないが4年間妊娠していない。舌質は暗紫、舌苔は白厚、歯痕多数

漢方医の頭の中を覗いてみれば

舌象(ぜっしょう)や浮腫、白色のおりもの、痰、手指の痺れ、ひえなどから瞬間的に「寒湿(かんしつ)」を想起します。寒凝淤血や寒湿淤滞、痰気中阻などが次々に連想されます。

生理痛を経行腹痛と漢方では呼びます。冷えて痛むような場合は、生理痛でも経行少腹冷痛とも言います。寒湿が体内にたまると、

生理の前から生理中にかけて下腹部が冷えて痛み、温めると痛みは減ります。これを喜温といいます、手足が冷え、月経は遅れがちで、生理の量も少なく、寒凝淤血のために色が鮮紅色でなく黒っぽく、血塊が混じります。血塊が排出されると一時的に生理痛が軽くなることがあります。

寒湿凝滞というのは、気候の冷えと湿気(外湿)が体内に異常に産生される内湿と冷え(陽気不足)があいまって悪影響を与えている状態です。

漢方の世界では「血海」と呼ばれる衝脈が月経を起こすと考えます。衝脈と妊娠と関係深い任脈が寒湿に覆われた状態です。

内湿は脾虚による水質の運化障害によって起こります。湿と痰は水質の病理産物で、前稿にも書きましたが、寒湿や痰は脾胃の昇降機能を生じさせるので胃気上逆(吐き気)が起こります。

目に見えない「痰」の特徴は、

病を長くさせる。久病挟痰、怪病挟痰という概念があります。

気血のめぐりを阻害し、気滞、血を生じさせる

多種多発の性質を持つ

神明を擾乱(じょうらん)する(精神を混乱させる)

舌苔が粘?(ねんじ)(診察した場合である)

体が肥りやすい(必ずしも当てはまらない場合もある)

など、さまざまな悪影響を人体に与えます。

以上から、この症例の漢方の治療原則

温里散寒(体を内側から温めて寒さを散らす)

温補脾腎(脾虚を改善し、水質の運化を正常に戻すとともに、腎陽を補う)

温宮調経(子宮を暖めて生理周期を正常に戻す)

化痰燥湿(痰湿と余分な水質の停滞を除く)

活血化淤(血液循環を改善する)

となります。

以上が、漢方医の思考回路の一部なのです。専門用語が多くて申し訳ないです。

不妊症の漢方治療のお問い合わせは下記URLより

http://okamotokojindou.com/ 岡本康仁堂クリニック