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腎炎血尿と漢方薬 3 「気陰両虚には益気養陰摂血合剤」を用いる(腎病漢方治療404報)

2014-07-02 00:15:00 | 漢方市民講座

 

患者から得られる情報は数多く、取捨選択し、弁証と治療の試行錯誤を繰り返しつつ、治療するのが漢方の態度です。血液データと画像データのみに注意を払い、診察無し(極端に言えば、患者の顔も見ない)という現代医療の一部の悪弊があることも確かなことです。したがって私の講座での自覚症状、他覚症状の診察、観察に基づく症候用語は、現代の医師らにとっては無縁のものになります。悪弊が弊害にまで及ぶ時に、実害になりえますから、可及的に時間が許す限り、患者さんから直に情報を得るように、漢方医は努力すべきなのです。<o:p></o:p>

 

慢性糸球体腎炎で血尿を主な症候とする場合、IgA腎炎で血尿が反復憎悪して、血尿が遷延する場合、紫斑病性腎炎で血尿が遷延する場合の弁証の要点は、上記に述べた情報に立脚します。<o:p></o:p>

 

即ち、本稿の気陰両虚の症候(情報)は、血尿が遷延し快癒しない(これは尿データだけでも知りえます)、周身乏力(問診しなければ得られない情報です)、気短心悸(問診、診察が必要です)、腰酸膝軟(決して整形外科に併診すれば済むことではありません)、口干口燥(自覚症状と観察が必要です、口腔外科や耳鼻咽喉科併診で済むことではありません)、手足心熱(医師が尋ねなければ患者は訴えません)、舌淡(他覚症状)、脈沈数或いは細数無力(経験を積んでの脈診が必要です)等の症候(情報)がある場合を指します。<o:p></o:p>

 

方用: 益気養陰摂血合剤側柏葉20g 大黄炭大黄は活血通腑泄濁 大黄炭は収斂止血作用)10g (養血止血 養陰潤肺)15g 蒲黄炭15g 生地黄25g 熟地黄25g 黄耆30g 血余炭15g 地楡炭20g 水煎服用<o:p></o:p>

 

方中の黄耆は補気、二地(熟地黄 生地黄)、阿膠は滋陰益気固摂、諸炭は止血に作用し、標本兼顧となります。止血するに、補気滋陰の治本を併用することで、固摂止血の効に到るのです。諸炭類の相補相成も大切なポイントであり、単味ではなく、君臣左使の方剤論理に従い、清熱止血、活血止血、収斂止血、涼血止血等の組み合わせが必要です。<o:p></o:p>

 

止血薬と使用量を再度まとめておきます。小薊涼血止血、解毒消癰)30g 白茅根凉血止血、清熱利尿30g 側柏葉涼血止血、袪痰止咳)20g孩儿茶(清熱 生津 収斂止血)15g 焦山梔子(清熱解毒 止血)15g 棕櫚炭(収斂止血)15g 蒲黄収渋止血、行血祛瘀 蒲黄炭は収斂止血増強)15 血余炭止血散瘀、補陰利尿)15g 仙鶴草(収斂止血 補虚強壮)30g 烏梅炭(生津 渋腸 収斂止血)15g 地楡涼血止血、解毒収斂)20g 地楡炭(収斂止血を増強) 茜草(涼血化瘀止血)20g 旱蓮草(養陰清熱止血)20g 赤石脂渋腸止瀉、収斂止血)20g 三七(化瘀止血 活血定痛)10g<o:p></o:p>

 

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2014年7月2日(水)<o:p></o:p>

 


腎炎血尿 漢方薬 2「下焦瘀熱蘊結 桃黄止血湯は効果良好」(腎病漢方治療403報)

2014-07-01 00:15:00 | 漢方市民講座

 

6月も最終夜になりました。前前報の401報でやっと400代の素数の401にたどり着きました。さて本稿の桃黄止血湯は、急性糸球体腎炎、紫斑病性腎炎、IgA腎炎の肉眼的血尿、(中医学的には尿血色紫とか尿如醤油色と表現されます)あるいは顕微鏡学血尿(一般的には400倍高視野での尿沈渣中の赤血球の数が多い場合は、無数、多数、100個から数個と個数化して定量化して表現されます)がある場合に、同時に排尿渋痛不暢、下腹部張満、腰痛、便秘、手足心熱、或いは咽痛、扁桃腺が赤く腫れ、舌質暗紅或いは舌尖紅少津、苔白燥、脈滑数有力などの症候がある場合に、熱壅下焦、瘀熱結滞、血不帰経と弁証します。血不帰経とは離経の血、つまり出血して瘀滞していることを意味します。<o:p></o:p>

 

方用 桃黄止血湯(とうおうしけつとう):大黄7.510g 桃仁20g 小薊30g 白茅根3050 生地黄2030g 側柏葉涼血止血)20g 山梔子10g 蒲黄15g 桂枝15g 甘草10g 水煎服用<o:p></o:p>

 

本方の主薬は桃仁 大黄で瀉下熱結、除熱開瘀止血に作用します。(すでにお気づきでしょうが)桃核承気湯の方意を根拠にしています。(桂枝は通陽し寒凝を防止しています)小薊 側柏葉 白茅根 生地黄 山梔子等は皆涼血清熱止血に作用し、諸薬は合用して清熱止血に働く有効な方剤となります。<o:p></o:p>

 

およそ、急性腎炎あるいは慢性腎炎の急性発作性血尿で瘀熱に属する症例には卓効があります。<o:p></o:p>

 

ひたすら用量を守って投与し続ければ良いものではありません。患者の年齢、疾病の病期、症候の軽重を観察しながら加減するのです。<o:p></o:p>

 

(例を挙げればキリがありませんが)<o:p></o:p>

桃仁(活血化瘀 潤腸通便)15g 大黄(活血通腑泄濁 泄熱通便)5g 生地黄(養陰清熱)20g 牡丹皮(清熱活血涼血)15g 赤芍清熱涼血、祛瘀止痛)15g 貫衆(=貫仲 清熱解毒 止血)20g 黄芩(清熱解毒利湿)10g 茜草(涼血化瘀止血)20g 生甘草(清熱)10g 地楡炭地楡の効能は涼血止血、解毒収斂、地楡炭となると収斂止血が増強される)20gの如き加減もありますし、<o:p></o:p>

桃仁5g 大黄5g 赤芍(清熱涼血 祛瘀止痛)15g 連翹清熱解毒、清癰散結)20g 貫衆(貫仲に同じ、清熱解毒 止血) 甘草15g 白茅根凉血止血、清熱利尿30g 小薊涼血止血、解毒消癰)30g 藕節(収斂止血)20g 生地黄(養陰清熱)20gの如き加減もあります。<o:p></o:p>

要するに、細かい臨床的な観察が必要だということに落ち着くのです。臨床応用については過去の記事をご参照ください。

慢性腎炎:

 

http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20140221<o:p></o:p>

 http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20140222

2014年7月1日(火)

 

 


腎炎血尿と漢方薬 1 急性発症血尿には清熱利湿を法とする(腎病漢方治療402報)

2014-06-30 00:15:00 | 漢方市民講座

 

急性糸球体腎炎あるいは慢性糸球体腎炎の患者さんが上気道感染等により血尿が悪化することは臨床的な事実です。検尿では大量の赤血球或いは肉眼的血尿となり、尿蛋白は定性+~2+程度です。症候として、咽干口燥、心煩熱、目の乾燥感、手足心熱、口舌生瘡、咽痛、扁桃腺が赤く腫れ、小便は深黄、尿量は少なめで色は赤、下腹部張満、腰酸痛、眼瞼、顔面と下肢の浮腫、舌質紅、苔白乾、脈滑数等の症候がある場合に、湿熱蘊蓄入侵足少陰腎経と弁証されます。<o:p></o:p>

 

方用 清熱利湿湯車前草(甘/寒 清熱解毒 利水滲湿薬に分類)20g 萹蓄(苦/微寒 利水通淋)20g 瞿麦(苦/寒 活血利水通淋)20g 石葦(甘苦/微寒 利水通淋、止咳 涼血止血)15g 白茅根/寒 凉血止血、清熱利尿30g 小薊(甘/涼 涼血止血)30g 大黄(苦/寒 活血通腑泄濁)7g 山梔子(苦/寒 清熱解毒燥湿)15g 金銀花(甘/寒 清熱解毒)30g 連翹(苦/微寒~寒 清熱解毒散結消腫)20g 錦草清熱解毒、活血化瘀止血)20g ?菜花(涼血止血 清熱利尿)20 甘草15g 白花蛇舌草(微苦甘/寒 清熱解毒利湿 免疫調整)30g 蒲公英(苦甘/寒 清熱解毒燥湿)30g 滑石(甘淡/寒 清熱利湿 下焦湿熱の要薬)20g 水煎服用<o:p></o:p>

 

方中の石葦 車前草 萹蓄 瞿麦 滑石は皆、清熱利水通淋の効果があり、(生地黄) 白茅根 小薊 山梔子 地錦草 ?花は清熱涼血に、金銀花 連翹 白花蛇舌草 蒲公英は清熱解毒に働きます。<o:p></o:p>

 

大黄は苦寒瀉下剤です。方法中では清熱解毒 開瘀利水通淋として作用し、量は510gが一般用量ですが少量が宜しいようで、多用すれば瀉下剤となります。少量を以って開瘀利水止血することが、小便渋痛および血尿治療に有効であり、本方では不可欠な薬剤です。<o:p></o:p>

 

やや長い講座が続きましたので、今回は短く、解説も最小限にとどめました。<o:p></o:p>

 

次回も「腎炎血尿と漢方薬 2」と題し、お話しします。<o:p></o:p>

 

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2014630日(月)<o:p></o:p>

 


蛋白尿 漢方薬 5 「湿毒内蘊には利湿解毒を先に行う」(腎病漢方治療401報)

2014-06-29 00:15:00 | 漢方市民講座

 

糸球体腎炎が慢性化し、水腫は消退或いは消失するも、尿蛋白は持続し消失せず、以下のような症候:即ち、腰酸腰痛、周身困重、尿は混濁あるいは黄赤、咽痛口苦口干、舌質紅、苔白膩、脈滑数などを患者が呈した場合、湿熱毒邪蘊結下焦精微外泄(結果としての蛋白尿を形成)と弁証するのです。<o:p></o:p>

 

方用 利湿解毒飲土茯苓(菝葜 山帰来に同じ、清熱解毒泄濁除湿利関節50g 萆薢(苦/平 利水滲湿)20白花蛇舌草(微苦甘/寒 清熱解毒利湿 免疫調整)30g 萹蓄(利水通淋)20g 竹葉清熱除煩、生津、利尿)15g 山薬(益気健脾)20g薏苡仁25g(健脾利水滲湿) 滑石(清熱利湿 下焦湿熱の要薬)20g 通草(甘淡微寒 泄熱利水通淋)10g 白茅根凉血止血、清熱利尿25g 益母草(活血利水消腫)30g 金桜子(酸渋/平 固精、縮尿、渋陽止瀉)15g 水煎服用<o:p></o:p>

 

本方は清熱利湿解毒に作用し、熱毒蘊結下焦 精微外泄蛋白尿に用いられます。慢性腎炎は湿熱を挟むことが多く、湿熱が除かれなければ蛋白尿は消除されません。清利湿熱の剤を使用するにあたっての注意点は苦寒薬による傷脾です。本方には苦寒傷脾の品は配伍されてなく、皆、淡滲利湿の品であり、清熱しても脾を傷さず、利湿しても傷陰することがないのが特徴です。<o:p></o:p>

 

金桜子は固渋の品です。清熱利湿薬の中に、一味固渋の品を加えることで、「通中寓塞」(説明は省略します)の意義が生じます。<o:p></o:p>

 

加減を申し上げれば、病情が慢性化して気虚症状が出現した場合には、黄耆30g 党参20gを加味することもあります。扶正と祛邪を同時に行うわけです。咽痛には山豆根(清熱解熱毒利湿利咽)20g 重楼(清熱解熱毒利湿利咽)30g 玄参(清熱解毒兼養陰)15g 麦門冬(養陰)15g等を加味します。<o:p></o:p>

 

腎炎患者で蛋白尿が長期に消えず持続するいくつかの症例の臨床では、健脾補腎法がなかなか効を奏さない場合にこの方薬で頑固な蛋白尿が往々にして消失することがあります。<o:p></o:p>

 

この方薬は、湿熱を弁証して、湿>熱の病情に適宜し、若し湿<熱の場合には加味八正散治療が宜しいでしょう。<o:p></o:p>

 

総合して言えば、(中医学では)慢性腎炎は脾肺腎の機能失調、水液代謝障害、湿毒内停、鬱滞化熱を原因とします、故に(中医が)慢性腎炎に湿熱の病機が一貫して存在すると認識することには、一定の道理があるのです。<o:p></o:p>

 

論より証拠(治療効果)の実例を二例のみ付記しますのでご参照ください。<o:p></o:p>

 

ネフローゼ症候群:http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20140207<o:p></o:p>

 

急性腎炎:加味八正散治療<o:p></o:p>

 

http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20140419<o:p></o:p>

 

本稿を以って、蛋白尿 漢方薬の(一時的)最終稿とします。次回から「腎炎血尿と漢方薬」と題し、お話しします。<o:p></o:p>

 

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2014629日(日)<o:p></o:p>

 


蛋白尿 漢方薬 4 腎気不固 参耆地黄湯の摂精(腎病漢方治療 400報)

2014-06-28 00:15:00 | 漢方市民講座

 

先ず、腎気不固という中医概念は、主として腎陽虚の症候分析に使用される用語です。症候は顔面蒼白、畏寒肢冷、下痢清穀、五更泄瀉、腰背酸痛、遺精、陽萎、多尿或いは尿失禁、舌質が淡胖、歯痕、苔は白、脈は沈遅ですが、それらの「症候分析」の中で、腎陽不足、命門火衰弱、火不生土のため、下痢清穀、五更泄瀉が出現する。腎陽不足、温煦失常のため、畏寒肢冷をみる。腰は腎の府であり、督脈は脊髄を貫いて腎に絡い、腎陽不足のため、腰背酸痛をみる。腎陽衰弱、精関不固のため、遺精、陽萎が出現する。腎気不固のため、多尿或いは尿失禁が生じる。(という具合に)腎陽不足の際の多尿や尿失禁の原因として腎気不固という概念があります。<o:p></o:p>

 

一口に、腎陽虚と言っても大きく分類すれば以下のようになります。<o:p></o:p>

 

(1)腎気不固<o:p></o:p>

 

病機概要:過度の疲労、慢性疾患、腎気虧耗、固摂作用の働きの減退による。<o:p></o:p>

 

主要症状:顔色が白く、腰や背中のだるさ、聴力低下、小便が近く、色が淡い。甚だしければ尿失禁、滑精、早漏、排尿等の余癧、舌質は淡で、舌苔は薄白、脈は細弱である。<o:p></o:p>

 

治療法則:固摂腎気<o:p></o:p>

 

方剤挙例:大補元煎(景岳全書)、秘精丸等<o:p></o:p>

 

大補元煎(景岳全書):人参 炒山薬 熟地黄 杜仲 枸杞子 当帰 山茱萸 炙甘草<o:p></o:p>

 

(2)腎不納気<o:p></o:p>

 

病機概要:疲労による腎気が傷つけられ、或いは慢性病により気虚、気不帰元、腎失摂納が起こる。<o:p></o:p>

 

主要症状:喘息性の呼吸困難で、動けば増悪する。咳にともなう発汗、小便は咳が酷くなるにつれて失禁になり、顔色が白く、舌質は淡、舌苔は薄、脈は虚弱である。<o:p></o:p>

 

治療法則:納気帰腎<o:p></o:p>

 

方剤挙例:人参胡桃湯(済生方)、或いは参蚧散(人参蛤蚧散:衛生宝鑑)等<o:p></o:p>

 

人参胡桃湯(済生方):人参 胡桃肉 生姜と水煎服用<o:p></o:p>

 

主治:肺腎両虚 咳嗽気喘 効能:補肺腎 定喘逆<o:p></o:p>

 

虚喘の軽症で寒証に偏したものに用いる。人参は補肺益気 胡桃肉は潤肺納気に働く。<o:p></o:p>

 

参蚧散(人参蛤蚧散:衛生宝鑑):蛤蚧1対 杏仁150 炙甘草150 人参 茯苓 貝母 桑白皮 知母各60 散剤にして12回6gずつ服用する。<o:p></o:p>

 

主治:肺気虚兼痰熱 効能:益気清肺 止咳定喘 久咳肺虚で熱に偏したものに使用する。<o:p></o:p>

 

(3)腎陽不振<o:p></o:p>

 

病機概要:先天的な虚弱、長期の慢性病、性生活不摂生により腎が傷められ、下元虧損、命門火衰による。<o:p></o:p>

 

主要症状:顔色が白い、足腰がだるい、インポテンツ、頭のふらつき、耳鳴り、頻尿、舌質が淡白、脈が沈弱。<o:p></o:p>

 

治療法則:温補腎陽 <o:p></o:p>

 

方剤挙例:右帰丸(景岳全書)、或いは金匱腎気丸(八味地黄丸)等<o:p></o:p>

 

右帰丸(景岳全書):熟地240山茱萸90山薬120枸杞子 鹿角膠 莵絲子120当帰90肉桂60120杜仲120炮附子60180蜜丸作成 朝晩15gずつ服用<o:p></o:p>

 

(4)腎虚水泛<o:p></o:p>

 

病機概要:先天的な虚弱、慢性病、腎陽の消耗のため、水液を温められないので、水邪が犯濫し上逆する。或いは外の皮膚に溢れだす(浮腫)。<o:p></o:p>

 

主要症状:水腫、全身の浮腫、下半身が特に顕著。押えるとまるで泥の様に凹み、腰腹脹満、尿量減少、咳にともなう痰、サラサラした痰、動けば喘息が出る。舌苔は淡白、脈は沈滑。<o:p></o:p>

 

治療法則:温陽化水<o:p></o:p>

 

方剤挙例:真武湯(傷寒論)、或いは済生腎気丸(済生方)等<o:p></o:p>

 

はて、何を以って腎気不固とするのかは難しいところです。よく、「近頃は小便をするとよく泡が立つようになった」と訴える患者さんがいます。腎気不固の証の一つです。「腎気不固」という概念は、気の固摂作用の腎での低下失調を意味します。1、血液を固摂する2、尿液を固摂する3、精液を固摂する4、帯下を固摂するの、おおよそ4つですが、蛋白尿も糖尿も腎気の固摂作用の低下(腎気不固)の拡大として考えます。泡が立つのは、生体に本来必要な精微物質が尿に洩れて出てくるためと考えます。<o:p></o:p>

 

解ったような、解らないようなですね。それでは、もう少し腎について考えましょうか?<o:p></o:p>

 

腎は左右に各一つずつあり、ここに命門をつけたす。元陰と元陽を内蔵し、その経脈は膀胱に絡し、膀胱と互いに表裏の関係をなす。腎は主に精を蔵し、人間の成長と発育、生殖の源となっている。生命活動の根源であり、故に先天の本と称される。腎は五液(汗、涕、涙、涎、唾液)を主り、体内での水分の平衡を維持している。腎は骨を主り、髄を生ずることにより、骨や歯を堅固にし、脳の発達を促し、精力を充実させる。腎とその他の臓腑との関係は深く、腎は納気を主り、故に肺の吸気と粛降の働きを助けている。腎水は上の心を助け、心火は下の腎と交わる。水火既済であれば、陰陽平衡になる。腎は先天の本で、脾は後天の本である。脾の健運は、腎陽の温煦作用に頼り、精気の充足は、逆に脾胃の補養を受けている。肝と腎はともに下焦にあたり、肝木は腎水の濡養に頼り、腎精充足であれば、肝も滋養されている。膀胱は主に津液を貯め、気化すれば水は流れる。しかし膀胱の気化には腎気の蒸騰(気化)が必要である。例えば、先天性の虚弱、過度の疲労、性生活の不摂生、過剰の生育、長期の慢性病により、“五臓が傷つけられ、尽きれば腎に影響が及ぶ”とあり、精気が損傷され、そして多くの病気が生じる。もし腎陽虚衰、大小便不利、気化せず水が流れない水湿内聚、或いは皮膚にうるおいがないので、飲と腫になり、下元虧損、命門火衰であれば、陽萎(インポテンツ)、五更泄瀉になる。腎気が消耗し、蔵が封じられなくなり、固摂作用が働かないと滑精、早漏、小便の失禁が起こる。気不帰元、腎不納気であれば、喘息上逆、呼吸促拍が見られ、長期の疲労、真陰虧虚、水不涵木、肝腎不足のため、めまい、耳鳴り及び下消等の症状が現れる。腎陰耗傷、陰不済陽、心火上越、心腎不交であれば、イライラしたり、不眠、心悸、健忘、潮熱、盗汗、甚だしければ歯が抜けたり、夢精したりする。臨床上では、腎の病証である消渇(下消)、浮腫、癃(尿閉)、遺精、インポテンツ、腰痛、耳鳴り、難聴、めまい、下痢(腎泄)等がよく見られる。<o:p></o:p>

 

読者に飽きられるとこまりますからこの辺で「序章」を終わりにして本稿へ進みます。<o:p></o:p>

 

上下つき合わせて読み返してください。糸球体腎炎の蛋白尿、血尿が慢性化して消失せず、患者が次のような症候、即ち、腰痛腰酸、倦怠乏力、眩暈耳鳴、夜尿頻多、尿清長、遺精或いは滑精、舌質淡紅、舌体胖、脈沈或いは無力等を呈する時に、腎気不足、固摂失司、精微外泄と弁証するのです。<o:p></o:p>

 

方用:参耆地黄湯加味熟地黄20g 山茱萸15g 山薬20g 茯苓20g 澤瀉15 牡丹皮15g 肉桂7g 附子7g 黄耆30g 党参20g 菟絲子20g 金桜子20<o:p></o:p>

 

方中の熟地黄 山茱萸は補益腎陰 摂精気に、黄耆 党参は補気健脾に、澤瀉は健脾滲湿に、牡丹皮は清虚熱に、肉桂 附子は命門真火を補し、引火帰源に働き、金桜子は固摂精気、莵絲子は補腎填精に作用します。<o:p></o:p>

 

何のことやらさっぱりと嘆息する読者も多いかと思います。やはり、実例をご参照いただくのがいいでしょう。沢山の医案をご紹介しましたが、本稿での参耆地黄湯加味と同じ加味方を用いた例が宜しいかと思いますので一例のみにします。ご参照ください。<o:p></o:p>

 

慢性腎炎(腎機能低下例):<o:p></o:p>

 

http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20140305<o:p></o:p>

 

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次回は蛋白尿 漢方薬 5 「湿毒内蘊には利湿解毒を先に行う」をお話しします。<o:p></o:p>

 

2014628日(土)<o:p></o:p>