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侵蝕のディープブラッド

2008-11-30 19:51:17 | Anime(アニメ・コミック)
■アニメ「とある魔術の禁書目録」---第9話「吸血殺し(ディープブラッド)」

その血が“とある生き物”を強く惹きつけ、そうであっても“それ”にとっては最大の毒となってしまう“吸血殺し”の少女・姫神愛沙を、三沢塾を手中に収めた錬金術師・アウレオルス=イザードより救出すべく幕を開けた戦いは、自分から結界内に踏み込んだインデックスをも巻き込んで、意外な方向へと展開して行くことに---。

という訳で、原作2巻のエピソードに当たる三沢塾編のクライマックスへと至った次第ですが、前話の視聴感想記事でも触れたとおり、やはりアウレオルス=ダミー関連の要素を全てカットしてしまった分、テンポこそ速まれど、アウレオルスの“錬金術師としての”掘り下げが足りないままに、最終決戦に突入してしまった結果として、何処か存在感(迫力)が希薄になってしまった感がしないでも;
とは言え、其処は今話での「内側から弾けたステイル」や「切断された当麻の右腕」の描写が緩くなっているのを見れば、TVアニメとしての表現上の限界が深く関っているのは間違いない様子に、こうした流れも仕方がなかったとしか言えないですかね。

ところで---此方も前話の視聴感想記事で触れましたけど、そんなアウレオルスの存在は、当麻の裏返しになっているんですよね。
原作者である鎌池和馬さんが原作2巻のあとがきにて、このエピソードを称して「バッドエンド」と書いている通り、もしも当麻がインデックスを救えなかったとしたら、(カタチは違えど)こうなっていたかもしれない姿がアウレオルスであって、インデックスと姫神にしても“パートナーによってヒロインになれた・なれなかった”という対照的なポジションなだけに、とりあえずはハッピーエンドとなった(ように思われる)原作1巻から続く、正にバッドエンド=裏返しの物語であると。
そういった部分を意識して楽しめれば、このエピソードの真価がより掴めると思われるのですけどね…それゆえに展開が簡潔になり、物語の密度が下がってしまったのは本当に残念としか。

ちなみにアウレオルスが黄金錬金を使用する際、首に針を刺していたのは、神経を刺激して自らを興奮状態にし、たとえば目の前の敵に対する恐怖や不安を取り除く事で、黄金錬成を完全なものとする為の行動なのですが、更には「黄金錬金を完成させるためには膨大な量の呪文---それこそ100や200年間も詠唱し続けて処理しきれない総量を、多くの人間を利用した並列処理によって短期間で済ませるべく、この三沢塾という場所を乗っ取り、当然に反作用で生徒たちは何度も絶命→再生の流れを繰り替えしている」という設定も語られることなく、こうした説明不足もアウレオルスの設定が弱くなってしまった原因でもあるかと;

果たして当麻自身と再生したステイルを含め、アウレオルスが“最期”に見た、切断された当麻の右腕に顕現した「竜王の顎(ドラゴンストライク)」。
これに飲み込まれた者は肉体には一切の傷を受けないものの、全ての記憶を消去されてしまうという---まるで“異能の力ならば神様の奇跡さえ打ち消せる=それ以外(異能の力であっても打ち消せない例外もありますが)にはまったく効果が無い”幻想殺しとは似て非なる効果を発揮した能力。
アニメ本編でもしっかりと描かれたこの場面ですけど、原作でも未だにこの「竜王の顎」がアウレオルスの不安が生み出したものなのか、それとも当麻自身が最初から持ち得た能力なのかは判然としていないんですよね。
幻想殺しにしても科学サイドの超能力でもなければ(原作6巻にて判明)、魔術サイドの術式でもない、更に姫神の“吸血殺し”のような天然の能力者(※学園都市では原石と呼んでいます)ともまた扱いが異なるらしい、まさしく正体不明な存在だけに、そんな当麻が無能力者(レベル0)にカテゴライズされている点も含めて、今後の鍵になるのは間違いないとは思われますが。

なお、先述した設定上の説明不足に加えて、実はこの「竜王の顎」が顕現して以降、アウレオルスの攻撃が運良く当麻をかすめていったのは、原作ではアニメ版より酷い状態になっていたステイルが、魔術でアウレオルスの目測を誤らせていたからだったという、アニメ版ではそのあたりの種明かしも含め、当麻との病室でのひと悶着ももうひとつ物足りず。
物語に幕開け・導入の側面もあってか、原作1巻のエピソードで6話分を費やした半面、ややテンポの悪い部分も存在した第1~6話に比べて、今回は3話分で纏めたことでテンポは良くなったものの、逆に説明不足は否めないという、なにやら制作現場がシーンの取捨選択で悪戦苦闘しているのが感じ取れるとでも;
それでもアウレオルスとの会話シーンの最中、空気の読めないインデックスの寝言を伏線にしてか、当麻の病室でリンゴを器用に剥いているステイルの姿には苦笑せざるを(

結果はどうあれ、ひと先ずはアウレオルスの手を離れた姫神は、今後は学園都市の中(※彼女は元々、学園都市が集めていた天然の能力者=原石であり、数少ない“魔術サイドを理解している科学サイドの人間”)で(一応)サブキャラクターのひとりとして物語に絡んでいく事になるのですけど…次回から突入する原作3巻のエピソード内で彼女のそれからが描かれた後は、どうにも登場の機会に恵まれず、ようやく原作6巻から活躍が見られ始めるとは言え、彼女の能力自体が戦闘向きではないだけに、それこそ吸血鬼絡みの事件でも発生しない限り、このエピソードほどのスポットライトはもう(
こうしたポジションに加え、コミック版(ガンガン連載)ではエピソード自体がとばされてしまったが為、彼女は不幸なヒロインとして認知されてしまうことに;
それでも病室でステイルの出番を削った分、それが姫神に割り当てられていた点を考慮すれば、今後もなにかしら原作以上の出番を獲得出来る可能性だって(

ともあれ、これにて原作2巻のエピソードは幕引き。
次回からはいよいよ、人気の高いエピソードである原作3巻へと突入し、既にOP/EDアニメには登場している一方通行(アクセラレータ)や御坂妹など、これからの物語に大きく絡んで来るキャラクターが多数登場することに。
個人的には、あの“縞パン”がちゃんと描かれるかが気にな(爆

次回---第10話「お姉さま(みさかみこと)


■「とあるラジオの禁書目録」第11回配信開始>ゲスト:能登麻美子

果たしてこのタイミングに合わせてか、ゲストとして姫神役の能登麻美子さんが登場。
よもや能登さんと姫神の共通点が巫女服だったとは…(ぇ

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