I’ll be dis-ABSOLUTER

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貫け!みんなの武装錬金!!

2007-03-29 23:24:07 | Anime(アニメ・コミック)
■アニメ「武装錬金」---第26話(最終話)「ピリオド」

「臓物をブチ撒けろ!」という斗貴子さんの決めセリフを、次回予告のキャッチに使ってくるというインパクトを受けた、そんな放送第1話から2クール---途中、作品全体の尺を詰める為か、原作の進行を大きくアレンジした結果、やや構成にバラつきが出てしまった感は否めないものの、総じて見れば高いクオリティで製作されて来たアニメ「武装錬金」も、いよいよラスト。
そのサブタイトルの通り、原作における「ピリオド」(コミックス10巻収録)をベースとしている訳ですが、時系列をシャッフルして構成していた原作とは異なり、既にカズキとヴィクターが月へ昇ってから、パピヨン VS. 斗貴子さんのバトル以前の物語は前話において消化済みなので、今回は直ぐに2人の戦いが幕を開ける事に。

此処でパピヨンが語る「武藤カズキのいない世界など、何の興味もない」というセリフは、色褪せた世界への失望と、それでもまだカズキとの約束を信じて、白い核鉄を完成させるという執念の、ダブルミーニングになっていたのは言うまでもないですが、前話においてパピヨンが街を見下ろして、コレに近いものを吐いていた分、仮に原作未読で、パピヨンの真意を計りかねていない場合、このセリフの意味する所、それが明らかになった際には、より効果的に働いたのではないかと。
そうなると(後述しますが)「アフター」の枠を削ってまで、前話の大半を「ピリオド」序盤への肉付けに徹底し、数多くのオリジナルシーンを混ぜ込んだ価値は十分にあったのかもしれません。
それは当然に、斗貴子さんにも同じ事が言え、何とか失意のどん底から立ち上がるまでの過程をしっかりと描いた結果、「カズキの代わりはいない 誰もカズキの代わりになれるはずもない ~」というセリフも重みが増しているのは確かかと。
もしも「武装錬金」という作品が打ち切られず、これが連載中に描かれていたならば、作品全体の評価にも大きく影響したのかもしれませんけど、それはそれで”後付け”的に組み込んだからこそ、語る描写部分の足りなかった原作を超える内容になったとも言えるので、原作時点で沈鬱な雰囲気を描き続けるのが、果たして正解だったのか否かは、今となっては判断の仕様がありませんけどね。

追加されたと言えば、僅かながらもカズキとヴィクターの月面決戦が描かれていた点。
原作では、月面でカズキがヴィクターに突っ込んだ後、それを受け止めたヴィクターがカズキを眠りに付かせて、同じ満月の夜に「サンライトハート改」の輝きを使って、自分たちの存在を知らせるという---戦闘らしきものが見られなかった展開だったものが、アニメ版では月齢が再び満ちるその日まで、ふたり戦い続けていたとの解釈がなされていて、ヴィクターの唐突な心境の変化も、差ほどには違和感を感じなくなった印象に。

そしてまた、カズキと斗貴子さんの抱擁シーンは、黒崎さんの進言こそあれど、原作者曰く「もう少し絵の勉強を積んでから」という理由から書かれなかった、イメージとしての裸での抱擁を、しっかりとビジュアル化。
本当に此処数話に関しては、原作ではページ数や諸事情で叶わなかった部分を盛り込んでいるだけ、内容としては密度が濃くなっているのは間違いないなと思われ。
ちなみに細かい所では、居並ぶホムンクルス達の中に、陣内や太・細などまで居たのは、ちょっと拘り過ぎと言えなくもw

OP主題歌「真赤な誓い」をBGMとして、再びまみえるカズキ VS. パピヨン。
この結末然り、そして月面から脱出する際のカズキの行動は、全て「真赤な誓い」の歌詞---「どんな敵でも味方でも構わない この手を放すもんか」で歌われている通りだけに、此処でこの曲を持ってくるのは、否が応にも燃えますねw

少女が少年を非日常へと誘う事から始まった物語は、果たして少年が少女を日常へと誘い、幕を閉じる。
此方ではBGMを「ホシアカリ」に、原作そのままの構図でのラストカットから、スタッフロール内にて、何と吹き出し付きアニメという形で「アフター」を映像化w
確かに「アフター」は外伝的なストーリーなので、物語の締めを飾るとなると、ややインパクトに欠けるのは否めませんけど、この扱いは少し寂しいなぁ;
それでも「ホシアカリ」のEDアニメのラストカットと、「アフター」のラストカットに共通点を持たせていたのは、巧い構成でしたが、残念だったのは毒島…というか、毒島役の矢作さんについて。
毒島の素顔については、前半パートにてマスク越しに見えた瞳や、「アフター」内にてガスマスクを外した素顔も登場したものの、結局は音声加工されずに喋ったシーンはひとつも無し;
いくら何でも、これは可哀想ですよ…出来ればコレは、DVD版に収録される際、音声を追加収録するか、或いは「アフター」自体をしっかりと作り直すかして、その可愛い声を聴いてみたい所ですよw
とりあえず、それが叶うまでは、「ドラマCD 武装錬金2」で補填しておきましょうw(ぉ

「ありがとう。心から」
「ホシアカリ」のサビの一節を最後のキャッチに、これにてアニメ「武装錬金」は終了。
とは言え、まだ「//(ダブルスラッシュ)」は映像(或いはドラマCD)化されていませんし、今後も企画CDやPS2ゲーム、勿論DVDシリーズなどもリリースされるので、まだまだ終わるには早いですけど、ともあれまずは、製作スタッフ+キャストの皆さんに、精一杯の拍手とお疲れ様を。
面白い作品を、ありがとうございました。


…さて、予算が付いたら「武装錬金EXPERT-CD1」でも購入してくるか…。→To be continued?