TS-530Vの手入れを続けています。今回はケースの塗装とリレーの交換の話です。
本機の前面には多目的のメーター(指示計器)が付いています。スイッチの切り替えにより,
①ALC, ②IP, ③RF, ④HV
のいずれかの値を表示させることができます。いずれも送信時に必要な諸量です。受信のときはこのスイッチの状態とは無関係にSメーターとなります。アルファベッドの記号ばかりで何のことかお分かりにならないでしょうが,まあ,ここでは説明は省略いたしましょう。ただ,受信時のSメーターとは受信した信号の強さを表すものだということだけ申し添えます。
このメーターの指示が不安定なのです。外部から推測すると,どうも送信/受信の切り替えリレーの接触不安定のように感じられます。そこでこのリレーを調べ,必要なら修理/交換することにしました。
上蓋を外しました。下の写真の左側のプリント基板の上部に問題のリレーが実装されています。
今回は写真に目印を付けなかった(付けるのを忘れた!)のでわかりづらいかと思います。写真の上の方に丸太(電解コンデンサ)が4本並んでいますが,その一番右側の丸太のすぐ下の長方形の部品がリレーです。透明プラスティックのケースに覆われていますので光を反射して輝いています。
このままの状態ではリレーの点検などできませんので,そのプリント基板(IF基板)を取り外しました。
紙フェノール製の片面基板ですね。リレーはどれか?もうお分かりいただけますね?
リレーをプリント基板から取り外して動作チェック。すなわちコイルに直流12Vを印加して接点間の導通(抵抗)を確認しました。すると,ON/OFFするたびに抵抗値が変化しています。接点チップが汚れているのでしょう。
接点を磨いてやりましょう。そのため透明プラスティックのカバーを「強引に」はずしました。
接点が見えますが,問題の接点は中ほどに位置していて手が届きません。実際は「手」,「指」などではなく,細いマイナスドライバーの先とか,紙やすりとかを接点に接触させようとしたのです。磨くのは諦めて細いラジオペンチで接点部分を強引に曲げたのですが,結果は芳しくありませんでした。
では,交換。
しかし,同じ仕様の物が手元にありません。インターネットでも探したのですが見つかりませんでした。組み合わせて機能的におなじものを作るしかありません。リレーはトランスファー接点4回路です。手許には大きさから適合するものとしては2回路のものしかありません。そこで,2個をプリント基板に実装して構成することにしました。
組み立てて実装しました。
上の写真で小さい黒羊羹のようなリレーが2個基板に取り付けられているのがお分かりいただけますか?その左側に見えるのはダイオードです。元の回路にはダイオードが付いていませんでした。すると,リレーのコイルに通じる電流を切った瞬間に高電圧が発生します。これはいけません。ダイオードでこのサージ電圧を抑えるのです。
さて,組み戻して特性を確認。ばっちりです。
ケースの塗装が綺麗になっていることがお分かりいただけますか?灰色が少し明るすぎたようです。
手入れはまだまだ続きます。
以上
本機の前面には多目的のメーター(指示計器)が付いています。スイッチの切り替えにより,
①ALC, ②IP, ③RF, ④HV
のいずれかの値を表示させることができます。いずれも送信時に必要な諸量です。受信のときはこのスイッチの状態とは無関係にSメーターとなります。アルファベッドの記号ばかりで何のことかお分かりにならないでしょうが,まあ,ここでは説明は省略いたしましょう。ただ,受信時のSメーターとは受信した信号の強さを表すものだということだけ申し添えます。
このメーターの指示が不安定なのです。外部から推測すると,どうも送信/受信の切り替えリレーの接触不安定のように感じられます。そこでこのリレーを調べ,必要なら修理/交換することにしました。
上蓋を外しました。下の写真の左側のプリント基板の上部に問題のリレーが実装されています。
今回は写真に目印を付けなかった(付けるのを忘れた!)のでわかりづらいかと思います。写真の上の方に丸太(電解コンデンサ)が4本並んでいますが,その一番右側の丸太のすぐ下の長方形の部品がリレーです。透明プラスティックのケースに覆われていますので光を反射して輝いています。
このままの状態ではリレーの点検などできませんので,そのプリント基板(IF基板)を取り外しました。
紙フェノール製の片面基板ですね。リレーはどれか?もうお分かりいただけますね?
リレーをプリント基板から取り外して動作チェック。すなわちコイルに直流12Vを印加して接点間の導通(抵抗)を確認しました。すると,ON/OFFするたびに抵抗値が変化しています。接点チップが汚れているのでしょう。
接点を磨いてやりましょう。そのため透明プラスティックのカバーを「強引に」はずしました。
接点が見えますが,問題の接点は中ほどに位置していて手が届きません。実際は「手」,「指」などではなく,細いマイナスドライバーの先とか,紙やすりとかを接点に接触させようとしたのです。磨くのは諦めて細いラジオペンチで接点部分を強引に曲げたのですが,結果は芳しくありませんでした。
では,交換。
しかし,同じ仕様の物が手元にありません。インターネットでも探したのですが見つかりませんでした。組み合わせて機能的におなじものを作るしかありません。リレーはトランスファー接点4回路です。手許には大きさから適合するものとしては2回路のものしかありません。そこで,2個をプリント基板に実装して構成することにしました。
組み立てて実装しました。
上の写真で小さい黒羊羹のようなリレーが2個基板に取り付けられているのがお分かりいただけますか?その左側に見えるのはダイオードです。元の回路にはダイオードが付いていませんでした。すると,リレーのコイルに通じる電流を切った瞬間に高電圧が発生します。これはいけません。ダイオードでこのサージ電圧を抑えるのです。
さて,組み戻して特性を確認。ばっちりです。
ケースの塗装が綺麗になっていることがお分かりいただけますか?灰色が少し明るすぎたようです。
手入れはまだまだ続きます。
以上