三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

ボンボン時計修復

2019-06-30 08:02:32 | 日記
きょうで3日連続の投稿となります。
一昨日のマイクロテレビと一緒に柱時計も手に入れていたのです。わたしも
まだ持っていない珍しい形とメーカです。

店頭で時打ち(ボンボン鳴る音)ができなくなっていることは確認していま
した。そのほかはすべて揃っています: 振り子あり,ゼンマイよし,ねじ
まきあり。
持ち帰って時打ちしない原因を調べました。
その結果,歯車をいじっていると突然打ちました。さらに調べを進めていく
と,その打ち方が制御されていないことがわかりました。ボンボン時計は毎
正時(1時,2時,3時,・・・)にその数だけ音を鳴らします。(30分は鳴
るものと鳴らないものとがあります。)その鳴り方は機種によって音色とと
もに異なりますが,ボーン・ボーンと間隔を開けます。しかし,この時計は
ボンボンボンと連続的に激しく打つのです。ガンガンガンとも聞こえます。
「これは制動機構に問題があるに違いない」と睨み,その部分を詳細に調べ
ました。

上の写真の左側に金属の板状のもの(羽根)が認められるでしょう?これが
時打ちの歯車が回転するとき一緒に回転してその空気抵抗で回転数を落とし
ているのです。(自分勝手にそう理解しています。何しろわたしは時計のど
素人。)
その羽根を手で回して見ると,何と軸とは無関係に回るのです。滑ります。
すると,歯車の軸が回転してもそれと同じ回転速度で回転しないことになり
ます。当然期待した空気抵抗が得られません。
羽根と軸の固定方法を調べましたが,単にはめ込んでいるだけのようです。
溶接/はんだ付けのような痕はないし,ねじとか鋲もありません。すると,
はめ込みのときの締まる力が不足しているに違いありません。その締まる力
を増すためには羽根を軸ごと取り外さなければなりません。しかし,軸は両
側から真鍮の板でぴったり挟まれています。
仕方がありません。真鍮板をペンチで強引に曲げて引っ張り出しました。

羽根を軸から引き抜いて,軸の通る部分をハンマーで手加減しながら叩いて
膨らみを小さくしました。そして軸に通すとピッタリです。軸と固定されま
した。もちろん,はめ込んだだけですから,強引に回せば滑って回ります。
元に戻して修理完了!いい音でボンボン,いやボーン・ボーンと鳴るように
なりました。

ところでこの時計ですが,メーカがよく分かりません。文字盤には上の方に
SとTを重ねたようなシンボルが描かれています。そして,下半分にはTUKYO
のほかMADE BY TACHIMOTO CLOCK CO.との記載があります。

TUKYOのUの字の上には―(横棒: 長音記号?)がついており,わたしは店
頭ではTOKYOと誤読しました。つまり,東京時計だと早合点したのです。
一方,振り子室(と呼ぶのでしょうか?)の中に貼られている紙にはSATO'S
CLOCK FACTORYと印刷されています。

舘本時計と佐藤時計?どうなっているのだろう?また,TUKYOとは何だろう?
困ったときのインターネット。さっそく調べました。
断片的な記事をいろいろ参照した結果以下のようらしいことが分かりました。
製造元 佐藤時計製造株式会社
販売元 舘本時計製造会社
つまり,舘本時計は時計販売業を営み,自らは時計を製造していなかったよう
です。
また,佐藤時計のシンボルは「地球鶏」印です。すると,TとSを重ねた図案は
どのように考えたらいいのでしょうか?
これはわたしの勝手な想像ですが,TとSはそれぞれ舘本と佐藤の頭文字では
ないでしょうか?つまり両社共有のシンボルでしょう。その結果,文字盤にも
また,振り子室の中の佐藤時計の張り紙にも使われていると思われます。
ただどうしてもTUKYOだけは謎です。
ご存知の方はご教示ください。
以上