ジョン・ディクスン・カーは「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」で
書評を担当しており、そこに日本人として初めて掲載された推理作家が松本清張のこの作品、
という前回とのつながり。
おそらく短編と分類されるであろうこのミステリーが、映画化、ドラマ化されている
歴史を見ると、やはり松本清張が作り上げたストーリーの骨太さのおかげ、という感がある。
ネット上の情報では原作と違う展開になっているドラマもあり、見てみたい気もするが・・・
主人公芳子の影の部分は当時の時代背景あってのもの、と思う私が、果たして入り込めるか
どうか。。。
他の作品もいくつか拾い読みしたのだが、ダントツでこわかったのは「鬼畜」。
夫に浮気されていた妻の心境の複雑さがリアルに表現され、「狂気」じみた雰囲気が
ひしひしと伝わる。
夫への怒りと執着、浮気相手への憎しみ、何も知らなかった自分への苛立ち、だまされた
悲しみ。。。そして子供を捨てる、という行為を夫にさせるまさしく鬼と化した女。
そしてとうとう殺害のターゲットとなった長男は、自分の置かれた立場を知っているが
ゆえ、自分の運命に逆らおうとしない。
だが、燃え尽きようとする寸前に人間としての生命力が無意識のうちに働いてしまう・・・
あって当然のように思われている「母性本能」という言葉はここでは完全に消え去り、
その存在すら疑わしくなる。
しかもそれは他人事でない気にさせてしまう力がこの小説に備わっている。
書評を担当しており、そこに日本人として初めて掲載された推理作家が松本清張のこの作品、
という前回とのつながり。
おそらく短編と分類されるであろうこのミステリーが、映画化、ドラマ化されている
歴史を見ると、やはり松本清張が作り上げたストーリーの骨太さのおかげ、という感がある。
ネット上の情報では原作と違う展開になっているドラマもあり、見てみたい気もするが・・・
主人公芳子の影の部分は当時の時代背景あってのもの、と思う私が、果たして入り込めるか
どうか。。。
他の作品もいくつか拾い読みしたのだが、ダントツでこわかったのは「鬼畜」。
夫に浮気されていた妻の心境の複雑さがリアルに表現され、「狂気」じみた雰囲気が
ひしひしと伝わる。
夫への怒りと執着、浮気相手への憎しみ、何も知らなかった自分への苛立ち、だまされた
悲しみ。。。そして子供を捨てる、という行為を夫にさせるまさしく鬼と化した女。
そしてとうとう殺害のターゲットとなった長男は、自分の置かれた立場を知っているが
ゆえ、自分の運命に逆らおうとしない。
だが、燃え尽きようとする寸前に人間としての生命力が無意識のうちに働いてしまう・・・
あって当然のように思われている「母性本能」という言葉はここでは完全に消え去り、
その存在すら疑わしくなる。
しかもそれは他人事でない気にさせてしまう力がこの小説に備わっている。