「乍恐奉願口上書付」第二ページ、上の三~四行目
解読 立寄事相鎮メ候得共、何分
若連中之幟り通シ不申との
読み (場所江)立ち寄り、事相鎮め候えども、何分
若連中の幟り通し申さずとの
解説 「立寄」・・・立ち寄り。 「事相鎮メ候得共」・・・争いごとを治めたが。「鎮」が読むのは困難。「候」は縦の棒になっています。 「何分」・・・これは比較的分かりやすい。 「若連中」・・・若い連中。「若ひ者」。 「不申との」・・・申さずとの。字が薄くて済みません。
「乍恐奉願口上書付」第二ページ、上の三~四行目
解読 立寄事相鎮メ候得共、何分
若連中之幟り通シ不申との
読み (場所江)立ち寄り、事相鎮め候えども、何分
若連中の幟り通し申さずとの
解説 「立寄」・・・立ち寄り。 「事相鎮メ候得共」・・・争いごとを治めたが。「鎮」が読むのは困難。「候」は縦の棒になっています。 「何分」・・・これは比較的分かりやすい。 「若連中」・・・若い連中。「若ひ者」。 「不申との」・・・申さずとの。字が薄くて済みません。
「乍恐奉願口上書付」第二ページ、上の一~二行目
始めは読めと言っても無理です。現物を見てもよく判りません。解読文のままとさせて下さい。
解読 可申抔と口論相成申候處、上村
頭立之者両三人も右之場所江
読み (引き破り)申すべしなどと口論相成り申し候処、上村
頭立ての者両三人も右の場所へ
解説 壱行目は、訂正が多く読めと言われても無理です。串本町史の通りにしました。 「可申抔と」・・・申すべしなどと。「抔」は『など』。 「口論」は行の右に書いている文字です。 「相成」と「申」の間の字は消しているものと見ています。「申」と「處」の右の間に「候」が小さく見えます。 二行目はじめは「頭立之者」・・・頭立と言う役の人。「頭」も難解。 「両三人」・・・「両三」は「二・三」の意味で、この場合は「計三人」ということ。「三」も読むのは困難。 「右之場所江」・・・「場所江」もなかなか読めません。
「乍恐奉願口上書付」第一頁、十三~十四行目
解読 右上村大幟り下村領内通シ
不申彼是相争ひ既ニ引破
読み 右上村大幟り、下村領内通し
申さず、彼是相争い、既に引き破り
解説 「右」・・・右に述べた。 「上村大幟」・・・田並上村の大のぼりを。 「下村領内」・・・田並浦の領内を。 「通シ不申」・・・通し申さず。通行させない。 「彼是」・・・あれやこれやと。色々と。 「相争ひ」・・・喧嘩をし。「争」の字が「魚」の様に見えますが、「串本町史」に倣いました。 「既ニ引破」・・・もはや、引き裂いて破り捨てる。字の写りが薄く、ほとんど読めません。申し訳ない事です。
「乍恐奉願口上書付」第一頁、十一~十二行
解読 もの右之つな江幟りを引かけ
右故彼是相論ニおよひ
読み (若ひ)もの、右の綱へ幟を引っかけ
右故かれこれ相論に及び
解説 「もの」・・・田並浦の若い者。最初の字は「も」で、「毛」の崩し字です。平仮名の「も」の元字になります。 「右之つな江」・・・右に述べた上村の幟の綱へ。「つな」の「な」の元字は、「奈」で、ヒラカナの「な」の元字になります。 次ぎも薄いですが、「幟を引きかけ」と書いています。 十二行目最初は「右故」・・・右の結果。 「彼是」・・・かれこれ。何やかやと。色々と。 「相論」・・・争論。言い争い。言いあらそい。 「ニおよび」・・・何々になる。言い争いになり。
「乍恐奉願口上書付」第一頁、九~十行目
解読 殊同日西風烈敷多方ニ手縄
ヲ付御座候。然ルニ田并浦若ひ
読み 殊に同日西風烈しく多方に手縄
を付け御座候。然るに田並浦若い
解説 「殊」・・・この字は教えて貰わないと読めません。殊に。 次は訂正して右側に、「同日」と書き添えています。 「西風烈敷」・・・西風が烈しく。 「多方ニ」・・・「多」の崩しは「両」かもしれません。しかし二本では少ないと思うので、何本もと言う意味で「多方」としました。幟が倒れないように、何本もの手縄を付けて倒れないように支える事。 「手縄」・・・幟を支える手綱。手ツナ。 「ヲ付御座候」・・・を付けました。 「田并浦」・・・田並浦。「浦」が難しい。推定で読みます。 「若ひ」・・・若い。