古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の一

2015年02月05日 08時33分11秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第一頁、上の一~二行目

解読 當上下両村持合之氏神當村領

    内ニ鎮座仕御座候。例年八月廿五日祭禮

読み 当上下両村持ち合いの氏神当村領

    内に鎮座仕り御座候。例年八月二十五日祭礼

解説 田並上村文書の中では長文で、文字が読みにくい文書に挑戦しましょう。文字の映りが薄いのが難点です。この地区には、田並上村と田並浦二ヶ村共有の氏神様が有り、田並浦境界に近い上村領に立地しています。元々慶長年間の検地表では、田並村一か村でしたが、江戸時代に二村に分割されたものと思われます。神社だけではなく、寺院も共通の一寺で、こちらは田並浦の中心地に有ります。神社は「天満宮」、寺院は「圓光寺」と言います。本文は、天満宮の祭礼の際に幟(ノボリ)の行列の運行でもめた際の大庄屋宛の陳情文です。

「口上書付」・・・口頭で述べた内容を文章にした陳情書。「書」の書体がいつもながら読みにくい。 「下村」の右あいだに読めませんが「両」と言う字を挿入しています。 同じく「村」の次ぎに「持合」と挿入しています。 二行目最初は「内」です。続いて「御座候」の右側に挿入で「鎮座仕」と書いています。 「例年」の「年」は形で覚える字。 「八月」の次は「廿五日」です。この三文字も難解。最後は「祭禮」です。「禮」は「礼」の旧字体。