古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の十四

2015年02月18日 07時59分48秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第二頁、十三~十四行目

解読 下村山人薪等取可申旨、在中

    評談も御座候折節、當村若ひ

読み 下村やまびと、薪など取り申すべき旨、在中

    評談も御座候折節、当村若い

解説 「下村」・・・田並上村に対して隣村の「田並浦」の事を略して「下村」と言います。 「山人」・・・山で仕事をする人。 「薪等取可申旨」・・・薪などを伐り取って集めるとの旨。 「在中」・・・村じゅうで。 「評談」・・・集まって色々話し合う事。「評談」という熟語は辞書に見当たりません 「御座候折節」・・・評談もしている折りから。     『文意』田並浦の山人が、薪などを取っている事を上村内で色々評議している最中に、当村(田並上村)の若い者が。


第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の十三

2015年02月17日 07時05分17秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第二頁、上の十一~十二行目

解読 大勢ニ薪飛ろひ立られ、當村

    居在之者薪類甚不自由一ト廻り

読み 大勢に薪拾い立てられ、当村

    居在の者薪類甚だ不自由、ひと廻り

解説 「薪飛ろひ立られ」・・・「飛」は変体仮名の「ひ」です。拾い立てられ。拾いまくられる事。 十二行目最初は、「居在」・・・住んで暮らしている。「者」は何度も出ますが、形で覚える。 「薪類」・・・「類」も難解。 「甚」・・・はなはだ。「甚」も形で覚える。 「不自由」・・・不足して困ること。 「一ト廻り」・・・「廻」が正しいかどうか、意味がよく判りません。「一ト通り」とも読めない事はありません。


第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の十二

2015年02月16日 08時06分35秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第二頁、上の九~十行目

解読 川はたへ揚置候スくり木抔ヲ盗

    候筋も有之旁以毎日々々数百人

読み 川端へ揚げ置き候すぐり木などを盗み

    候筋もこれ有り、旁々以て毎日々々数百人

解説 九行目はほとんど解読不可能です。ここでは串本町史の解読に依っています。 「川者たへ」・・・「者」は変体仮名の「は」で、「川端へ」。  「揚置候」・・・ここも読むのは困難です。 「スくり木」・・・選りすぐった木材。「く」がどこに有るかわかりませんが。 「抔ヲ盗」・・・などを盗み。これも読むのは難しい。 十行目、「候筋も」・・・盗んだ者も有り。「筋」も「有之」も難解。 「旁以」・・・「かたがた以て」と読みます。 「毎日々々」・・・「々々」と解読していますが、ここは長い「く」の形で、言葉の繰り返しを表します。 最後の「数百人」が一番易しい。


第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の十一

2015年02月15日 09時02分37秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第二頁、上の七~八行目

解読 内ニも心得違商賣物才木等

    伐り折り薪之内江包ミ込、又者

読み (山人の)内にも、心得違い商売物才木等

    伐り折り、薪の内へ包み込み、又は

解説 「内ニも」・・・山人の内にも。山人の中にも。 次の太い濃い字は「心得違」・・・道理に外れた行為をして。 「商売物」・・・商品になる品物(木材)。 「才木」・・・これは辞書には載っていないのですが、「材木」の当て字と解釈して置きます。商品として売れる材木。   「伐り折り」・・・伐ったり折ったりして。 「薪之内江包ミ込」・・・薪の中へ隠して包み込み。「内」と「込」が難解です。 最後は「又者」・・・又は。


第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の十

2015年02月14日 08時17分53秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第二頁、上の五~六行目

解読 事ニ而、其場所より上村江引取

    候義ニ御座候。田并浦薪山人之

読み 事にて、其の場所より上村へ引き取り

    候義に御座候。田並浦薪山人の

解説 「事ニ而」・・・「而」が難しい。 「其場所より上村江引取」・・・ここはまずまず読めます。字は薄いけど。 次も薄くて読むのは困難ですが、「候義ニ御座候」・・・「義」が読みにくいですかね。 「田并浦」・・・田並浦。 「薪山人之」・・・薪を取りに山に行く人。  愛用のパソコンが壊れて、残念ながら縦書きに変えるメニューが出ません。悪しからずご辛抱下さい。十四日午後、モニターの故障であることか判明し、縦書きに編集出来ました。