古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十四章 借用義定証文之事  其の十

2014年12月21日 07時31分48秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「借用義定證文之事」第三頁、上の一行目~日付署名まで

解読 故障申間敷候。為後日借用儀定證文仍而如件。

             本人  勘兵衛

             證人  竹松

                  惣兵衛

                  栄作

     弘化四 未九月    吉次 殿

読み 故障申す間じく候。後日の為借用儀定證文、よってくだんの如し。

解説 最初から読みにくいですが、「故障」です。この場合は壊れた「故障」では無く、「異議」。文句を言う事。 「申間敷候」・・・小さく「申」が有り、「間敷」の次ぎに「小さく「候」が有ります。 「為後日」・・・これも読むのは難しい。慣用語です。後日の為。 「借用儀定證文」・・・表題部での「義」の字が、「儀」になっています。借金の証書。 次は小さくて読めませんが、慣用語で、「仍而如件」・・・よってくだんの如し。この様な事であります。「仍」は「依」と同じ意味。「件」は『くだん』と読みます。 「本人・勘兵衛」・・・「兵衛」は読める字ではありません。慣れるだけです。 「惣兵衛」も同様。 「吉次」・・・「次」が難しい。 日付欄・・・「弘化」・・・「弘」が難解。 


第三十四章 借用義定証文之事  其の九

2014年12月20日 09時16分03秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「借用義定證文之事」第二頁、上の九~十行目

 

解読 稼キ方い多し候而も貴殿江少も御損賦掛ケ申間敷候。

    斯義定相決候上ハ本人ハ勿論一家中ニ至迄少も

読み 稼ぎ方致し候ても貴殿へ少しも御損賦掛ケ申すまじく候。

    斯かる義定相決め候上は、本人は勿論一家中に至る迄少しも

解説 「稼キ方」・・・『かせぎかた』、金を稼ぐ事。 「い多し候而も」・・・「致し候ても」。致しましても。「多」は変体仮名の「た」です。形で覚える。 「貴殿江」・・・何度目かの字です。あなた様へ。 「少も」・・・『すこしも』。 次ははっきり読めませんが、「御損賦」としました。こういう熟語は有りませんが、「御損害」と言う様な意味で解釈しておきます。 次ぎも難解、「掛ケ申間敷候」・・・お掛けしません。 「斯」・・・『かかる』、この様な。 「義定」・・・『ぎじょう』。約束。 「相決候上ハ」・・・「決」が難しい。 「一家中ニ至迄」・・・一家じゅうに至るまで。 最後は「少も」・・・すこしも。少しも。これも読める字ではありません。


第三十四章 借用義定証文之事  其の八

2014年12月19日 08時07分15秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「借用義定證文之事」第二頁、上の七~八行目

解読 然處返済之義ハ来申極月迄ニ無遅滞屹度

    返済可申候。若萬一不埒ニおよび候ハゝ、悴竹松成人

読み 然る処、返済の儀は来たる申極月迄に遅滞無く屹度

    返済申すべく候。もし万一不埒に及び候わば、悴竹松成人

解説 最初は「然處」・・・然る処。然しながら。 「来申極月迄ニ」・・・来年申年の十二月までに。右に小さく添え字が有ります、「当冬両節季に」。小さくて文字が薄いので、推定です。今年の冬と来年の十二月の二度の節季に。「節季」は暮れの勘定どき。「極月」・・・十二月。 「無遅滞」・・・遅滞無く。 「屹度」・・・『きっと』。急度。 「返済」・・・これも読むのは困難です。 「可申候」・・・申すべく候。 「若」・・・もし。仮に。 「萬一」・・・これは何とか判ります。 「不埒」・・・『ふらち』、不埒におよび。約束を守らず。 「候ハゝ」・・・縦棒が「候」で、カタカナの「ハゝ」と書いて、『そうらわば』と読みます。 「悴竹松成人」・・・この意味がよく判りません。


第三十四章 借用義定証文之事  其の七

2014年12月18日 08時33分26秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「借用義定證文之事」第二頁、上の五~六行目

解読 済し相成、高金三両之内弐両不足、何共難相納り

    貴殿方ニ而左之通改而借財致候處、実正明白ニ御座候。

読み 済まし相成り、高金三両の内二両不足、何とも相納り難く

  貴殿方にて左の通り改めて借財致し候処、実正明白に御座候。

解説 「済し相成」・・・「済」も「相成」も難しいです。 「高金三両之内」・・・金高三両のうち。 「弐両不足」・・・「足」が読みにくい。 「何共」・・・何とも。 「難相納り」・・・相納まり難く。 六行目最初は「貴殿」です。前頁から何度も出ています。 「左之通」・・・これも読むのは困難。 「改而借財致候處」・・・改めて借財致し候処。 「実正明白ニ御座候」・・・「明白」が難解です。最後は「御座候」です。 今日は昨日よりはマシでした。


第三十四章 借用義定証文之事 其の六

2014年12月17日 08時44分18秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「借用義定證文之事」第二頁、上の三~四行目

解読 役又候彼是不  延引ニ付、改而願文御さし出

    被成候處、御役許御裁断ニ而、□□門方へ

読み  役又ぞろ、彼是○○延引に付き、改めて願い文御差し出し

     成られ候処、御役許御裁断にて、□□門方へ○○本人

解説 恥ずかしい事ですが、本文は難解過ぎて、習ったものの読めない箇所が多く解読・読み、並びに解説も出来ません。判らない処は飛ばして進みます。ご了承下さい。 初めの字は「跡」か「役」かはっきりしません。どちらでもないように思います。 次は「又候」・・・『またぞろ』。またまた。 続いて「彼是」・・・とやかく。何のかのと。 次の三文字が読めません。 つづいて「延引ニ付」・・・返済が遅れたので。 「改而」・・・改めて。 「願文御さし出」・・・願いの書類を差しだし。「出」が難しい。 四行目最初は「被成候處」・・・成られ候処。 「御役許御裁断ニ而」・・・御役人の裁決により。 「□□門方へ」・・・名前は伏せています。 次の小さい文字も読めません。 どなたか教えて下さい。