古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十五章 御納所儀定書付 其の四

2014年12月26日 08時18分57秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「御納所儀定書附」第一頁、上の六~七行目

 

解読 我等悴共御上納相済候迄、歩為致納方仕候。右ニ

    付而ハ儀定之通り致シ不申候節ハ本人勿論加判人

読み 我等悴共御上納相済み候迄、歩致させ納め方仕り候。右に

    付いては儀定の通り致し申さず候節は、本人勿論加判人

解説 「我ホ」・・・我等。前行に続き出ました。 「悴共」・・・『せがれ』ども。 「相済候迄」・・・「済」が難しい。 「歩為致」・・・『歩致させ』と読みます。「歩」の意味が判りません。二行目に出ました「在歩」と関係が有ると思います。 「儀定之通り」・・・合議して決めた通りに。 「致シ不申候節ハ」・・・しない時は。 「本人」の次ぎに「ハ」が抜けていると思います。本人は勿論。 「加判人」・・・一緒に印鑑を捺印している人。


第三十五章 御納所儀定書付 其の三

2014年12月25日 08時06分23秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「御納所儀定書附」第一頁、上の四~五行目

 

解読 との儀ニ付、銀高之内金弐両たけハ来ル巳六月迄

    之内我等稼出シ以無間違御上納可仕候筈残限之處

読み との儀に付き、銀高の内金二両だけは来たる巳六月迄

    の内、我等稼ぎ出し以て間違い無く御上納仕るべく候筈、残限の処

解説 「との儀ニ付」・・・「儀」が難しいですが、何度も出て来ます。 「銀高之内」・・・借金額の内。 「たけハ」・・・だけは。古文書では、半濁点は使いません。 「無間違」・・・間違い無く。 「可仕候筈」・・・仕るべく候筈。 「残限之處」・・・「残限」が意味不明です。「限」ではないかも知れません。「銀」だったら、文意は通るんですが。「之處」は小さくて読むのは困難。


第三十五章 御納所儀定書付 其の二

2014年12月24日 06時13分30秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「御納所儀定書附」第一頁、上の二~三行目

 

解読 六ケ敷候儀ニ付、無據此節御納所為凌方在歩を

    願出候處、左候へ共余り銀高付而ハ其侭ニ難出来

読み 難しき候儀に付き、拠ん所なく此の節御納所凌がせ方在歩を

    願い出候処、左候らえども余り銀高付いては其の侭に出来難く

解説 最初は読めませんが、「六ケ敷候」・・・当て字です、『難しき候』。 「無據」・・・よんどころなく。慣用語として覚えましょう。やむなく。 「御納所為凌方」・・・無理をして年貢を納めること。 「在歩」・・・残念ながらこの言葉の意味が判りません。最近、判らない言葉や文字が増えた様な感じです。支払いを待ってほしいと言う様な意味か。 三行目、「願出候處」・・・「候處」が読みにくい。願い出ましたところ。 「左候へ共」・・・『さそうらえども』。そうは言っても。 「余り銀高付而ハ」・・・余った金額については。 「其侭ニ難出来」・・・そのままに放置出来ない。


第三十五章 御納所儀定書付 其の一

2014年12月23日 07時39分35秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「御納所儀定書付」第一頁、上の表題部と一行目

 

解読     御納所儀定書附

     右ハ此度我等難渋ニ付、御納所段々相重凌方

読み    御納所『ごなっしょ』儀定『ぎじょう』書附『かきつけ』

     右は此のたび我等難渋に付き、御納所段々相重く凌ぎ方

解説 「御納所」・・・年貢を納める所。この場合は「年貢を納めること」。 「儀定」・・・『ぎじょう』。合議をして決めたこと。 「書附」・・・書いたもの。文書。書類。 「右ハ」・・・右に書いた表題のことですが、特に意味は無く、「表題の件は」と言う様な意味。 「此度」・・・『このたび』。「此」が難解。 「我等」・・・「我」も難しい。 「難渋ニ付」・・・難儀しているので。 「御納所」は前述。 「相重」・・・相重く。 「凌方」・・・生活をやりくりして凌ぐこと。 


第三十四章 借用義定証文之事其の十一

2014年12月22日 11時27分16秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

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「借用義定證文之事」第三頁、上の宛名欄の次行から

解読 右之通双方得心之上、相決し候段

    無相違御行届候也。以上

          庄屋 御印

          肝煎 御印

読み 右の通り、双方得心の上、相決し候段

    相違無くお行き届き候也。以上

解説 「右之通」・・・「通」も難解です。 「得心」・・・これも難しい。崩しの形で覚える。 「相決し候段」・・・「決」も難解。本文二度目です。決めましたので。「段」も疑問は有りますが、一応「段」と読んでおきます。 「無相違」・・・相違無く。間違い無く。 「御行届候也」・・・お行き届き候なり。と読みましたが、正解ではないかも知れません。私の解釈です。万事手落ちなく済ませる事。 「庄屋」も「肝煎」も何れも難解です。この書き手は字は達筆ですが、難度はハイレベルです。