古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十四章 借用義定証文 其の四

2014年12月15日 08時14分59秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「借用義定証文」第一頁、上の七~八行目 

解読  貴殿名前を相唱借受候事故、私出在後両節季

    共貴殿方へ同人より厳敷さい促被申候趣、貴殿

読み  貴殿名前を相唱え借り受け候事故、私出在後両節季

     共貴殿方へ同人より厳敷く催促申され候趣、貴殿

解説  最初は「貴殿」です。崩し方を頭に入れましょう。この二行で三度出ます。 「名前を相唱」・・・あなたの名前を名乗って。 右横に小さく添え書きして、「借受候事故」・・・あなたの名前で借り受けたので。「故」も難解です。形で覚える字。 「私出在後」・・・私が村を出たあとで。 「両節季」・・・『りょうせっき』。二回の年末。「節季」は年の暮れ。 去年と今年の二回の年末。八行目最初は「共」です。「貴殿方へ」。「同人より」。これも簡単な文字ですが、読むのは難しい。 「厳敷」・・・厳しく。 「さい促」・・・「促」も読めません。 「被申」・・・申され。 「候趣」・・・厳しく催促された事情。 最後は三回目の「貴殿」です。 本頁の後半は文字の写りが薄くて読みにくくなっています。