古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十六章 不調法書附壱札 其の一

2014年12月29日 07時13分44秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「不調法書附壱札」第一頁、上の一~二行目まで

解読 此度私共等厳敷御禁制之博奕致シ御役

    人衆ニ相聞郷役所江御達御取扱ニも

読み この度私共ら厳しき御禁制の博奕『ばくえき』致し、御役

    人衆に相聞こえ、郷役所へお達しお取扱にも

解説 表題部。 「不調法」・・・考え違い。失敗。行き届かない事。 「書附」・・・文書。書類。ここの「書」は楷書体で書いており、その下の「附」の字の上に再度崩し体の「書」を上書きしています。 「壱札」・・・一通。

   本文壱行目。「此度」・・・このたび。「此」は形で覚える字。 「私共等」の右下に「厳敷」と挿入しています。きびしき。厳しき。 「御禁制」・・・法律で禁止されている事。 「博奕」・・・『ばくえき』と読みます。「奕」は「囲碁」の事と広辞苑に載っていますが、「博」は双六『すごろく』の事を言い、何れも勝負ごとで、懸け勝負などから、「博奕」がばくちを意味する様になったと言う事です。「奕」という字は「亦」の下に廾と書くのが本字の様です。 「御役人衆」の「衆」が読めません。 「相聞」・・・相聞こえ。 「郷役所」・・・「郷」の崩し字は要注意です。「郷」は大庄屋の居る組の事。 「相達」・・・相達し。通知が届き。 「お取扱」・・・郷の事件として取り扱うこと。