古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十九章 山火事に付き願口上控 その四十四

2013年11月20日 06時44分43秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十五頁、上の四~六行目

解読 心得呉候様ニと申置、其侭 次左衛門ハ罷帰り申候。

    (当所ニ者嘗以覚無之候へ共、)最早

        両度ニおよひ私方へ急度

読み 心得呉れ候様にと申し置き、その侭次左衛門は罷り帰り申し候。

 (右横へ添え書きで、当所には嘗て以て覚えこれ無く候えども、)

    最早両度に及び私方へ屹度『きっと』

解説 「其の分に心得呉れ候様にと」・・・その積もりで心得て置いて呉れる様にと。 「申置」・・・言い置いて。 「置」が難しい字です。 「其侭」・・・これは比較的分かりやすい。 「次左衛門」・・・二回目です。 「罷帰り申候」・・・帰りました。 右横の添え書き部分は、字が小さく読みにくいですが、「当所ニ者」・・・当所には。こちらとしては。 「嘗以」・・・嘗て以て。これも二回目です。 その下は「覚」・・・覚え。 「無之候へ共」・・・今までに一度も心当たりは無いけれども。 本文へ帰って「最早」・・・もはや。「最」はウ冠に「取」と書いています。 最後は「両」。 「両度ニおよひ」・・・二回にわたり。 「急度」・・・『きっと』。ここでは「厳しく」という意味。


第十九章 山火事に付き願口上控 その四十三

2013年11月19日 07時47分26秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」、上の一~三行目

 

解読 被存候。右之趣一ト通り大庄 屋御元江願出一應御裁許

    預り可申積りニ御座候間其分ニ

 

読み 存じられ候。右の趣一通り大庄 屋御元へ願い出一応御裁許

    預かり申すべき積もりに御座候間、其の分に

 

解説 最初から難しいですが、「被存候」・・・存じられ候。当村よりの付け火の様に思われます。 次も難しい、何度も出ますが、「右之趣」・・・右の趣旨。 「一ト」の次は「通り」・・・ひと通り。 「大庄屋」も難解です。 「御元江」・・・大庄屋のところへ。 「願出」・・・願い出。「出」も何度も出ましたから、もう形で覚えましょう。 三行目最初は「預り」・・・預かり。 「可申積リニ」・・・申すべきつもりに。 「御座候間」・・・読み取り困難です。言わねばならないと思っているので。 最後は「其の分ニ」・・・その様に。


第十九章 山火事に付き願口上控 その四十二

2013年11月18日 07時59分47秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十四頁、上の七~九行目

 

解読 貫衆も焼拂ひ不申哉との 義も有之候へ者、此度之

    火者弥当村より被付候様ニ

 

読み 貫衆も焼き払い申さずやとの義もこれ有り候えば、この度の

    火はいよいよ当村より付けられ候様に

 

解説 「貫衆」・・・串本町史では「観衆」の当て字と解釈しています。つまり火事の見物人と言う解釈です。私の考えは、「貫衆」には「鬼ワラビ」という意味も有るので、私はワラビ派です。採取時期ではなくても、株は有るわけですから。 「不申哉」・・・これは読むのは不可能ですが、文の流れから読みます。 「弥」・・・『いよいよ』。 「当村より被付候様ニ」・・・「被付」が読みにくい。点が「候」。最後は「様ニ」。


第十九章 山火事に付き願口上控 その四十一

2013年11月17日 05時34分14秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十四頁、上の四~六行目

 

解読 次左衛門を以被申越候口上ニ者 先達而霞ヶ谷より出火

    之節、いつそふ市之谷之

 

読み 次左衛門を以て申し越され候口上には、先だって霞ヶ谷

    より出火の節、いっそう市の谷の

 

解説 人名で「次左衛門」。回数で慣れていくしかありません。中の字が「左」で、「衛」はかすかに点が一つ有り、下の「つ」の様な形が「門」の崩しです。 「被申越候」・・・申し越され候。「越」の下の点が「候」。 「口上ニ者」・・・口上には。口頭で申し述べること。有田上村の次左衛門を寄越して言って来た言い分では。 「先達而」・・・二回目ですが、「達」が難解です。「先だって」。この前。 「出火」の「出」も何回も出ますが、覚えていって下さい。 「節」も読むのは困難。文章の流れから類推して行きます。 「いつそふ」・・・二回目です。「いっそ」。「いっその事」。思い切って。


第十九章 山火事に付き願口上控 その四十

2013年11月16日 07時57分48秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十四頁、上の一~三行目

 

解読 (至)極尤ニ付、一ト通り懸合ひ 可申筈ニて評定仕罷居

    候折柄、又候有田上村より

 

読み 至極尤もに付き、一通り懸け合い申すべき筈にて評定仕り

     罷り居り 候折柄、またぞろ有田上村より

 

解説 最初の字は「極」です。前行の続きで、「至極」・・・『しごく』。この上なく。極めて。 次も難しい書き方で「尤ニ付」・・・尤もに付き。すごく筋が通った話しなので。 「一ト通り」・・・一通り。「通」が難解。 次も難しく、「懸合ひ」・・・懸け合い。交渉する。 「可申」・・・申すべき。 「評定仕罷居」・・・『ひょうじょう仕り罷り居り』・・・色々と議論して居た。「居」が非常に読みにくい。よく見ていたら「居」に見えて来ます。 「候折柄」・・・候折りから。最初の「レ」のような字は「候」です。 「又候」・・・『またぞろ』・・・一種の「宛て字」です。またしても。またまた。 「有田上村より」・・・この字は何度見ても分かりにくい。