山形市の高校に通っていた頃、社会科のK先生が、「山形新聞だけ読んでいると馬鹿になる(=日本のこと、世界のことが分からなくなる)から、必ず全国紙も読みなさい」 と言っていた。K先生はその後、H高の校長、県の教育長になられた。
私は教えを守り、その後常に全国紙1紙、または全国紙と地方紙各1紙を購読してきた。朝は1時間ほど記事に目を通してから出かける。夜、もう一度きちんと読み直す。
大学の恩師も新聞好きだったが、ある日を境に全く読まなくなった。奥様は、その日が認知症の始まりだったと思う、と話された。
読書百遍意自ずから通ず、の理(ことわり)通り、さっぱり分からない分野の記事も一字一句飛ばさず読んでいると、だんだん通じてくるものだ。
山形県における新聞別の市場占有率(2008年)を見ると、山形県内の54.47%の世帯が山形新聞を取っている。
全体 山形新聞 A紙 B紙 C紙 D紙 E紙 F紙 その他
発行部数 387,008 210,834 66,607 65,722 25,939 12,946 4,495 1,458 7
占有率 54.47% 17.21% 16.98% 6.70% 3.34% 0.90% 0.38%
2紙を取っている世帯は僅か1000世帯である。つまり山形県内の半分ちょっとの世帯は山形新聞だけを読んでいることになる。
K先生に従えば、山形県民の半分ちょっとが馬鹿になっていることになる。
昭和40年代には同紙の占有率は80%を超えていたはずだ。当時朝日新聞を取っている家は、町内で「アカ」と言われた。「赤旗」を取っている家は町内会に入っていなかった。
(続く)