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日本の部門別CO2排出量データの怪

いよいよ 京都議定書の第一約束期間が 始まっているらしいが、2005年度実績は、基準年の1990年から7.7%増加しているため、本来は6%削減だったのが、全体で13%減少させなければならない、という。大変な ことだ。
そこで、7.7%の増加分の中身は何か、ということになる。下図は 役所がよく引用するデータだが、工場等の産業部門は減少しているし、運輸部門も 頭打ちで 途中から減少の傾向すら見られる。しかし、何故か オフィスビルと家計部門が順調に増加している。



したがって、一般国民の意識の問題も大いにあるということになるが、家庭部門の増加は 果たして何に起因するのだろうか。これまで、役所の引用するデータということで、ウンそうか、と疑問も抱かずにいたが、実体験的に よく考えてみると 腑に落ちないデータであるのではないかと考え始めている。

人口が 増加した訳でもないし、むしろ減少し始めているのではないか。それに、家電製品が増加したようなことも無いはずだ。90年代と言えば パソコンの普及が進んだのだが、それが こんなに影響するのだろうか。逆に、一般的に日本の家電は メーカーがマーケットの縮小に喘いでいる状態だ。それに 家電製品の中でエネルギー多消費型のエアコンや冷蔵庫は、近年特に省エネ性能が向上し、これらの電力消費は 減少しているのは大いに実感しているところだ。

その上、家計は90年代以降 収入が減少し、やりくりをして耐え忍んできた時期だ。稼ぎ手がリストラされ、所得水準が低下した家庭も多いはずなので、その家計で どうして家庭の排出CO2ガスが増加したのだろうか。苦しい家計にもかかわらず、エネルギーが それまでより余計に消費されているとは考えにくいのではないか。
日本の社会でも お金持ちの数は増加したようだが、ゴアさんのようなエネルギー多消費型のお金持ちが増えたのだろうか。

とにかく上に示した図のデータの出所は 確かなのだろうか。お役人が捏造したデータということはないのか。人口や家計に関連する政府統計を精査する必要があろうが、それらのデータの特徴など知悉しておかなければ 誤った判断を下す懸念は大いにある。まして、これらデータによって政府間の排出権取引がなされるというのであれば、相手国のデータの信頼度も問題も起きよう。中国政府のデータは 人口統計すら怪しいと杉本信行氏は指摘していた。

それにしても環境問題では 温暖化による“海面上昇”などの疑わしい話や 合理的に検討すると変なデータが多いのは 何故なのだろう。バイオ燃料もその類だ。いつも 感覚的な話ばかりが 目立って 心底 信じられないところが多いように思う。

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