The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
経済分野への雑感オムニバス150209
現下の経済問題での焦点は、原油価格の下落であり、一時期の半値になっている。それでも、未だ市場の実感では下げ止まり感は不確実な状態のようだ。途上国の産油国経済はいずれ大変になると予想される。特に、ロシア経済への影響は大きいし、ロシアからの世界経済への影響も大きいだろう。
しかし、ここで不思議なのは米国についてである。米国はシェール・オイルによって、サウジ・アラビアに次ぐ産油国になったという話だが、あたかも消費国であるかのような雰囲気がある。産油国・米国の景気は大丈夫なのか、そういう観点で誰も説明しようとはしない。昨今の米国の株式市場の乱高下は、この要素を含んでいるのではないか。
以前米国のシェール・オイルやガスの有望性の話を持ち出されたことがあったが、当時その場で言ったのは採掘コストだったが、案の定である。しかも先週の週刊誌アエラでは、シェール・オイルやガスの採掘に伴う環境問題を取り上げていた。 “米ニューヨーク州は、州内でシェール・ガスの採掘を事実上、禁止する方針”となったようだ。
もしシェール・オイルやガスの採掘可否の米国経済への影響が大きいとなると、下手するとFRBの出口戦略、つまり年央に予定の利上げは遠のくか、中止せざるを得ないのではないか。別の観点からもそういう声が、そろそろ出始めているようだ。
一方日本では、この原油価格低下で日銀の無理やりの物価上昇政策は頓挫し始めている。今のペースで国債を買い上げると2~3年で買い尽くしてしまうと計算している債券アナリストが居た。市場に日本国債が無くなった時どうなるのか、素人の私には想像がつかない。暴落しようにも市場には値付け機能が失われている。不気味な話だ。
否、市場に国債がなくなったら、これ幸いと補正予算を組んで国債を発行すればいくらでも出せる、とお気楽に言えるのかも知れない。しかし、そんな放漫経営で我が国財政や経済は保てるのだろうか。
どうやら日銀は、国債の買い尽くしを懸念しているのか、最近は株式のETFも買い上げているとの報道があった。東証には日本の年金基金GPIFも参加しており、官制相場の色彩がいよいよ濃い。これで株式市場も正常なマーケット機能が働くのだろうか。
株価や、債券の市場金利は経済の体温計と言われるが、その機能が壊れていて日本経済は大丈夫なのか。
また日銀による国債買い上げという麻薬は止められるのだろうか。麻薬中毒ならば、泥沼にはまり込む。日銀資産の増大は、いずれハイパー・インフレとなってツケを払わなければならなくなる。無尽蔵の買い上げには必ず限界が来るのだ。その限界を何によって知り得るのか、この点については誰も明らかにしようとしていない。国家破綻を謳うが、何が契機になるのか、何を指標として見ておけば確かなのかは誰も言わない。
異様な日銀の債券購入にもかかわらず、何故インフレに中々ならないのか非常に不思議なことだと思う。そこでインフレの本質について知りたいと思って本を探そうとしたが、どうにも適切で簡明な本は、日本には存在しないようだ。どうすればインフレになるのか実は誰も分かってはいないのではないか。日本の経済学者は一体何をしているのだろうか。インフレの本質を知らないにもかかわらず、クロダノミクスの是非を論じているかのように見える。インフレの本質を知らないということは、デフレの本質も分かっていないことになるのではないか。それで果たして“デフレ脱却”の道筋を誤りなく描けるのであろうか。“アベノミクス”を擁護する議論を掲載する本でも、私の見る限りでは非常に希薄でくだらないたとえ話で誤魔化している印象がある。
こういう日本の将来を左右する議論において希薄な議論展開しかできないのは、経済の要素を基礎から築き上げる素地がないからではないか。それが日本の経済学の水準が世界水準に無く、ノーベル経済学賞を受賞する学者が生まれない理由ではないか、と思うのだ。
さて、ここで今の日本では日銀の大量の国債購入にあっても絶対にハイパー・インフレにならないとする唯一のそれらしい議論がある。例えば、戦後直ぐ日本でハイパー・インフレになったことがあるが、軍需で赤字国債を野放図に発行した挙句だったが、当時は米軍の攻撃によって生産力が破壊され尽くしていて、需要に対する供給力が不足していたからだという議論だ。現在は供給力が十分にあるので少々のことではインフレにはならない、というのだ。つまり、貨幣と実物資産の供給力(その可能性も含めて)のバランスによってインフレになるかデフレになるか決まるという見方だ。強い説得力を感じる議論だが、学説としてしっかりと立証されているのだろうか。それとも俗説のまま流布されている議論なのだろうか。
確かに日本経済の現状では、供給力を示す潜在GDPが需要の実質GDPを数パーセント上回っており、2000年以降その状態が継続している。従い、インフレとはなっていないのだろう。2007年から2年弱の僅かな期間でデフレ・ギャップが解消していたが、リーマン・ショックで需要は落ち、再び実質GDPは回復していない。供給余力が落ちたはずの東北の震災時も潜在GDPは上回ったままだったようだ。
もし、こういう見方が正しいと言うのならば、工場の海外移転が国内回帰へ戻りつつあるのは、供給余力を増す一方となるので、政府・日銀にとっては一概に喜ばしいこととは言えないのではないだろうか。こう考えると、一体何が正しい議論なのか理解不能である。繰り返すが何としてもしっかりして欲しいのは、日本の経済学界である。
一方、トマ・ピケティ氏が来日した。マスコミはいつものようにエライはしゃぎようだが、“格差解消”の政策が必要だと言う彼の主張には何の新味性もない。世界各国の何年ものデータを長期にわたって丹念に調べ上げて得た結論だと言うことに過ぎず、しかも、その議論はモデル化できていないと言う。にもかかわらず、何故そんなに騒ぐのか。それよりも、水野和夫氏の“資本主義は死んだ!”とする主張の方がはるかに大きな衝撃であり、パラダイム転換を迫る斬新な視点ではないかと思うが、いかがだろうか。フランス人経済学者が来日したことにニュース性があって騒ぐというのだろうか。そんなことで一々騒ぐのか?(もしかして、現在の日本がインフレにならないのは水野氏の説で説明できるのだろうか。)
かつて、日本人で一番ノーベル賞に近い経済学者と言われた故森嶋通夫氏は“英文で論文を書かなければ世界に知られることはない。”と言われてロンドン大学経済スクールの教授に就任され多くの英文本を出された。水野氏も英文で“資本主義は死んだ!”とする主張を出さなければ世界的に有名にならないのかも知れない。そのピケティ氏自身がロンドン大学の森嶋教授の下で勉強することを希望したことがあったらしい。しかもそのピケティ氏に人気が出たのは英訳本が出て、格差拡大に疑問を持つ層が取り上げて、騒ぎとなり米国の経済学者やエスタブリッシュメントが取り上げて広がった、という。
かく言う私は未だ水野氏もピケティ氏も読んでいない。読める力があるかどうかも疑わしいが、いずれどうにかしたい。
“格差解消”の政策が必要だと言う背景にはr(資本収益率)>g(経済 成長率)という不等式が現代社会では成立するということのようだ。しかもr~5%,g~1%だという。もしそれが正しいのなら、正業に就き額に汗して時間外までして働くのは実にバカバカしい所業で、ディ・トレーダーとしてパソコンに張り付いて1日5.5時間を過ごしていれば、正業に就いて働くより5倍の収益が得られるはずだが、本当だろうか。投信を相手にするならば、もっと短い時間で済む。ラップ・ファンドなら一回頼んでおけば専門家がファンドの差し替えを勝手にやってくれる。ラップ・ファンドの収益が5%以上という経験はないが、実はファンド・マネージャーに持っていかれているのだろうか。
ここで話は全く変わるが、外資銀行の個人相手のリーテル部門が、日本市場を見限ったかのようにシティやHSBC等相次いで撤退している。(神戸ではP&G極東本社も逃げ出した!日本の将来はそんなにダメなのか?)
金融資産預入のリスク分散で、外銀を利用するのは意味のあることだが、このように居なくなるのは困ったことだ。そんな中で、先日オーストラリア・ニュージーランド銀行ANZが先日、個人相手のPRセミナーを大阪で開催したので興味本位で参加してみた。
ANZは名前の通り、メルボルンに本拠を置き、オーストラリアとニュージーランドをホームグラウンドとする銀行で、極東~東南アジア、インド、米欧に金融サービスを提供しているとのこと。S&P格付けではAA-となっており、邦銀でそのレベルに達しているところはないようだ。同行日本部門では適正に利益を上げており、健全経営を強調していた。これは特にシティ・バンク銀行が名目だけの重役が多く在籍し、これも要因となって利益を上げられずに撤退に追い込まれたということに対するカウンターPRなのだろうと思われる。また、先述の日本からの外銀のリーテル撤退をANZは商機として捉えているようで、こうしたPRセミナー開催となったようだ。
経済見通しなど聞いていると、様々な要因で揺れ動く北半球経済に対し、鉱業、農業等の1次産業も盛んなオセアニア圏は健全な成長を持続しているようだ。よく指摘される中国経済の影響は、開発設備投資の鈍化に主として現われており、2012年3月をピークに減退の一途をたどっている。従って、今後は非鉱業セクターでの経済活動の伸びを促進させることが課題になっているとのこと。しかし、全体としては不況という印象は少なく、一般に考えられているほどは中国の影響は大きくなさそうな印象を持った。長期投資には非常に有利な国という印象だ。
別な所で聞いた話だが、ニュージーランドは農産物取り分け酪農製品で立国しており、食料は景気に左右されずに輸出されるということだ。また観光産業もシステム化が進んでおり、低廉で優良な施設利用が可能で、気楽なドライブでの移動が容易のようだ。また自然も一般に温暖で、虫も少ないのでキャンピングがやり易いとのことであった。
これもANZのPRであるが、オークランドでの手続きは日本語で十分可能だとのことだった。また、オーストラリアは世界で一番日本語学習意欲のある人の割合が多い国ということだ。
これを契機に今後、オセアニアには、余裕があれば移住やロング・ステイ含めて注目しておくべきかも知れない。特に日本の将来に展望が描けない中では殊更である。
しかし、オセアニアでは北向きの家でないと日当たりは悪いのだろうか。以前英語のインストラクターだったニュージーランド人に聞いたことがあったが、キョトンとしていたので逆に驚いたことがある。ニュージーランドは外国人の不動産購入に制限はないようだ。また、かつて身近にニュージーランドに移住した人が居たが、その後いつのまにか音信不通となっている。消息を確認してみたい。
*先週日曜日に、時間設定を誤ってこの原稿がブログ上に出てしまった。ところが邦人2名の殺害事件が報道されたので、そちらを優先した。先週時点よりは多少事態が変化しているのでその分は考慮して修正して投稿し直した。申し訳ない。

しかし、ここで不思議なのは米国についてである。米国はシェール・オイルによって、サウジ・アラビアに次ぐ産油国になったという話だが、あたかも消費国であるかのような雰囲気がある。産油国・米国の景気は大丈夫なのか、そういう観点で誰も説明しようとはしない。昨今の米国の株式市場の乱高下は、この要素を含んでいるのではないか。
以前米国のシェール・オイルやガスの有望性の話を持ち出されたことがあったが、当時その場で言ったのは採掘コストだったが、案の定である。しかも先週の週刊誌アエラでは、シェール・オイルやガスの採掘に伴う環境問題を取り上げていた。 “米ニューヨーク州は、州内でシェール・ガスの採掘を事実上、禁止する方針”となったようだ。
もしシェール・オイルやガスの採掘可否の米国経済への影響が大きいとなると、下手するとFRBの出口戦略、つまり年央に予定の利上げは遠のくか、中止せざるを得ないのではないか。別の観点からもそういう声が、そろそろ出始めているようだ。
一方日本では、この原油価格低下で日銀の無理やりの物価上昇政策は頓挫し始めている。今のペースで国債を買い上げると2~3年で買い尽くしてしまうと計算している債券アナリストが居た。市場に日本国債が無くなった時どうなるのか、素人の私には想像がつかない。暴落しようにも市場には値付け機能が失われている。不気味な話だ。
否、市場に国債がなくなったら、これ幸いと補正予算を組んで国債を発行すればいくらでも出せる、とお気楽に言えるのかも知れない。しかし、そんな放漫経営で我が国財政や経済は保てるのだろうか。
どうやら日銀は、国債の買い尽くしを懸念しているのか、最近は株式のETFも買い上げているとの報道があった。東証には日本の年金基金GPIFも参加しており、官制相場の色彩がいよいよ濃い。これで株式市場も正常なマーケット機能が働くのだろうか。
株価や、債券の市場金利は経済の体温計と言われるが、その機能が壊れていて日本経済は大丈夫なのか。
また日銀による国債買い上げという麻薬は止められるのだろうか。麻薬中毒ならば、泥沼にはまり込む。日銀資産の増大は、いずれハイパー・インフレとなってツケを払わなければならなくなる。無尽蔵の買い上げには必ず限界が来るのだ。その限界を何によって知り得るのか、この点については誰も明らかにしようとしていない。国家破綻を謳うが、何が契機になるのか、何を指標として見ておけば確かなのかは誰も言わない。
異様な日銀の債券購入にもかかわらず、何故インフレに中々ならないのか非常に不思議なことだと思う。そこでインフレの本質について知りたいと思って本を探そうとしたが、どうにも適切で簡明な本は、日本には存在しないようだ。どうすればインフレになるのか実は誰も分かってはいないのではないか。日本の経済学者は一体何をしているのだろうか。インフレの本質を知らないにもかかわらず、クロダノミクスの是非を論じているかのように見える。インフレの本質を知らないということは、デフレの本質も分かっていないことになるのではないか。それで果たして“デフレ脱却”の道筋を誤りなく描けるのであろうか。“アベノミクス”を擁護する議論を掲載する本でも、私の見る限りでは非常に希薄でくだらないたとえ話で誤魔化している印象がある。
こういう日本の将来を左右する議論において希薄な議論展開しかできないのは、経済の要素を基礎から築き上げる素地がないからではないか。それが日本の経済学の水準が世界水準に無く、ノーベル経済学賞を受賞する学者が生まれない理由ではないか、と思うのだ。
さて、ここで今の日本では日銀の大量の国債購入にあっても絶対にハイパー・インフレにならないとする唯一のそれらしい議論がある。例えば、戦後直ぐ日本でハイパー・インフレになったことがあるが、軍需で赤字国債を野放図に発行した挙句だったが、当時は米軍の攻撃によって生産力が破壊され尽くしていて、需要に対する供給力が不足していたからだという議論だ。現在は供給力が十分にあるので少々のことではインフレにはならない、というのだ。つまり、貨幣と実物資産の供給力(その可能性も含めて)のバランスによってインフレになるかデフレになるか決まるという見方だ。強い説得力を感じる議論だが、学説としてしっかりと立証されているのだろうか。それとも俗説のまま流布されている議論なのだろうか。
確かに日本経済の現状では、供給力を示す潜在GDPが需要の実質GDPを数パーセント上回っており、2000年以降その状態が継続している。従い、インフレとはなっていないのだろう。2007年から2年弱の僅かな期間でデフレ・ギャップが解消していたが、リーマン・ショックで需要は落ち、再び実質GDPは回復していない。供給余力が落ちたはずの東北の震災時も潜在GDPは上回ったままだったようだ。
もし、こういう見方が正しいと言うのならば、工場の海外移転が国内回帰へ戻りつつあるのは、供給余力を増す一方となるので、政府・日銀にとっては一概に喜ばしいこととは言えないのではないだろうか。こう考えると、一体何が正しい議論なのか理解不能である。繰り返すが何としてもしっかりして欲しいのは、日本の経済学界である。
一方、トマ・ピケティ氏が来日した。マスコミはいつものようにエライはしゃぎようだが、“格差解消”の政策が必要だと言う彼の主張には何の新味性もない。世界各国の何年ものデータを長期にわたって丹念に調べ上げて得た結論だと言うことに過ぎず、しかも、その議論はモデル化できていないと言う。にもかかわらず、何故そんなに騒ぐのか。それよりも、水野和夫氏の“資本主義は死んだ!”とする主張の方がはるかに大きな衝撃であり、パラダイム転換を迫る斬新な視点ではないかと思うが、いかがだろうか。フランス人経済学者が来日したことにニュース性があって騒ぐというのだろうか。そんなことで一々騒ぐのか?(もしかして、現在の日本がインフレにならないのは水野氏の説で説明できるのだろうか。)
かつて、日本人で一番ノーベル賞に近い経済学者と言われた故森嶋通夫氏は“英文で論文を書かなければ世界に知られることはない。”と言われてロンドン大学経済スクールの教授に就任され多くの英文本を出された。水野氏も英文で“資本主義は死んだ!”とする主張を出さなければ世界的に有名にならないのかも知れない。そのピケティ氏自身がロンドン大学の森嶋教授の下で勉強することを希望したことがあったらしい。しかもそのピケティ氏に人気が出たのは英訳本が出て、格差拡大に疑問を持つ層が取り上げて、騒ぎとなり米国の経済学者やエスタブリッシュメントが取り上げて広がった、という。
かく言う私は未だ水野氏もピケティ氏も読んでいない。読める力があるかどうかも疑わしいが、いずれどうにかしたい。
“格差解消”の政策が必要だと言う背景にはr(資本収益率)>g(経済 成長率)という不等式が現代社会では成立するということのようだ。しかもr~5%,g~1%だという。もしそれが正しいのなら、正業に就き額に汗して時間外までして働くのは実にバカバカしい所業で、ディ・トレーダーとしてパソコンに張り付いて1日5.5時間を過ごしていれば、正業に就いて働くより5倍の収益が得られるはずだが、本当だろうか。投信を相手にするならば、もっと短い時間で済む。ラップ・ファンドなら一回頼んでおけば専門家がファンドの差し替えを勝手にやってくれる。ラップ・ファンドの収益が5%以上という経験はないが、実はファンド・マネージャーに持っていかれているのだろうか。
ここで話は全く変わるが、外資銀行の個人相手のリーテル部門が、日本市場を見限ったかのようにシティやHSBC等相次いで撤退している。(神戸ではP&G極東本社も逃げ出した!日本の将来はそんなにダメなのか?)
金融資産預入のリスク分散で、外銀を利用するのは意味のあることだが、このように居なくなるのは困ったことだ。そんな中で、先日オーストラリア・ニュージーランド銀行ANZが先日、個人相手のPRセミナーを大阪で開催したので興味本位で参加してみた。
ANZは名前の通り、メルボルンに本拠を置き、オーストラリアとニュージーランドをホームグラウンドとする銀行で、極東~東南アジア、インド、米欧に金融サービスを提供しているとのこと。S&P格付けではAA-となっており、邦銀でそのレベルに達しているところはないようだ。同行日本部門では適正に利益を上げており、健全経営を強調していた。これは特にシティ・バンク銀行が名目だけの重役が多く在籍し、これも要因となって利益を上げられずに撤退に追い込まれたということに対するカウンターPRなのだろうと思われる。また、先述の日本からの外銀のリーテル撤退をANZは商機として捉えているようで、こうしたPRセミナー開催となったようだ。
経済見通しなど聞いていると、様々な要因で揺れ動く北半球経済に対し、鉱業、農業等の1次産業も盛んなオセアニア圏は健全な成長を持続しているようだ。よく指摘される中国経済の影響は、開発設備投資の鈍化に主として現われており、2012年3月をピークに減退の一途をたどっている。従って、今後は非鉱業セクターでの経済活動の伸びを促進させることが課題になっているとのこと。しかし、全体としては不況という印象は少なく、一般に考えられているほどは中国の影響は大きくなさそうな印象を持った。長期投資には非常に有利な国という印象だ。
別な所で聞いた話だが、ニュージーランドは農産物取り分け酪農製品で立国しており、食料は景気に左右されずに輸出されるということだ。また観光産業もシステム化が進んでおり、低廉で優良な施設利用が可能で、気楽なドライブでの移動が容易のようだ。また自然も一般に温暖で、虫も少ないのでキャンピングがやり易いとのことであった。
これもANZのPRであるが、オークランドでの手続きは日本語で十分可能だとのことだった。また、オーストラリアは世界で一番日本語学習意欲のある人の割合が多い国ということだ。
これを契機に今後、オセアニアには、余裕があれば移住やロング・ステイ含めて注目しておくべきかも知れない。特に日本の将来に展望が描けない中では殊更である。
しかし、オセアニアでは北向きの家でないと日当たりは悪いのだろうか。以前英語のインストラクターだったニュージーランド人に聞いたことがあったが、キョトンとしていたので逆に驚いたことがある。ニュージーランドは外国人の不動産購入に制限はないようだ。また、かつて身近にニュージーランドに移住した人が居たが、その後いつのまにか音信不通となっている。消息を確認してみたい。
*先週日曜日に、時間設定を誤ってこの原稿がブログ上に出てしまった。ところが邦人2名の殺害事件が報道されたので、そちらを優先した。先週時点よりは多少事態が変化しているのでその分は考慮して修正して投稿し直した。申し訳ない。

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