CozyConer

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世界遺産~熊野古道~馬越峠編

2005年08月25日 | 登山・ウォーキング
前日の疲れはさほどでもない。お世話になっている民宿では、実は不思議な水を扱っている。東紀州水と言い、この近辺の道の駅等で購入できる。民宿のおじちゃんとおばちゃんの話では、瀕死の患者が何人も助かった、ということだ。この手の話は世界各地にあるので興味のある方は一度お試しあれ。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~iwana/densi.htm
この夢の水のおかげかあまり疲労感はない。おじちゃんが毎日たくさん飲ませてくれるし、山行くときはペットボトルに凍らせて持たせてくれる。本当に有り難かった。

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お世話になった民宿を後にして、この日は「馬越峠」という所を歩く。まごせ峠と読む。車で15分も行くと、その峠の入口が見えてくる。その近くにある道の駅に車を止めさせてもらい、峠入口まで国道沿いを歩くことした。まだ朝9時過ぎだが夏の太陽は容赦ない。国道のアスファルトを照りつけるから下から熱気が上がってくる。古道入口まで歩くだけで汗だくだ。

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馬越峠の入口は、熊野古道らしく石畳が続いている。おそらく入口付近は整備されているので、新しい石を敷き詰めたものであろう。やがて古びた石畳になってきた。徐々に傾斜がきつくなるが、昔の知恵なのか、この石畳は割と歩きやすい。ただし濡れているところは滑りやすいので注意だ。事実なんどかコケてしまった。資料によると、雨水はこの石の下を流れるように敷かれているので、昔の旅人は草履を濡らすことなく歩けたそうだ。

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それほど標高は高くないので気温は国道沿いと変わらないハズである。しかし木々がもたらす木陰や葉の呼吸のおかげで気持ちの良い風が吹いてくる。森林浴は本当に気持ちが良い。鳥のさえずりが聞こえてきたので、バードコールという鳥の鳴き声を真似る小道具でピーピーと呼びかけてみた。すると縄張りを荒らされたと思ったのか、すかさず鋭い声で鳴き返してくる。中々面白い。

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やがて峠の頂上である馬越峠に到着した。昔茶屋があったとい言われるところが休憩所となっている。こんなところに茶屋があったなんて、なんとも言えない感じだ。俣旅姿の旅人はダンゴとお茶をすすっていたのだろうか。
しかしここが本当の頂上ではない。実はこの上に小高い天狗倉山(てんぐらやま)があり、この上からの景色が絶景とのこと。ところがこの山が手ごわい。高低差で言うと200m程度だが、ここを一気に登る。足元も不安定な道だが頂上付近には巨大な岩がある。ここで頂上までの道は左右に分かれており、迷った末に右手を選んだ。実は左を選ぶとこの大きな岩のてっぺんまで登れるのを後から知った。しかしこちらから見る景色も十分なほど迫力がある。眼下に尾鷲湾が広がっており、ここまでの疲れも一気に吹き飛んだ。

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ここからは一気に下る。下りの石畳はいっそう滑りやすいので、トレッキングステッキを使って慎重に下る。そんなへっぴり腰な横を身軽にさっさと歩いていくハイカーが数名いた。歩きなれているのだろう、初老の男性は毎日歩いている、と話してくれた。
山道が終わると一般生活道路になる。下りきったところに尾鷲神社があり、ここで民宿のおばちゃんと待ち合わせをしていた。途中心配してくれて電話をくれたおばちゃん。実は出かけにどうやって車を止めてある道の駅まで戻ったら良いか相談したところ、迎えに来てくれるという話になった。本当に世話になりっぱなしのおばちゃん。ところが待てど暮らせど来ない...民宿に電話してみると、「これから出るからなぁ~。涼しいとこで待っとってぇ~」といつもの人懐っこい声。しばらくするとワゴン車を運転するおばちゃんがやってきた。マニュアルミッションだ。70歳のおばちゃん、峠のコーナーをアウトインアウトのトレースで見事にクリアしていく。いやぁ元気な姿に驚くばかりだ。これも東紀州水のおかげなんだろか。

道の駅でおばちゃんと別れた。今日はこの足で静岡まで戻るのだ。なんだがちょっと寂しくなった。