「塩は辛い、砂糖は甘い、火は熱い、水は冷たい.....」これらはみな
万国共通の「法(法則)」です。
この「法(法則)」を離れてものは存在しません。
例えば塩を舌の上にのせても、舌は辛い、甘いと分別するものではありません。
「辛い」と思う「自分の計らい」があるだけです。
このように「四苦八苦」を含めた人間(にんげん)のあらゆる感情は、
「自分の考えのなか」で生じたもので、たとえどんな立派な教えであっても
他からの教えに因って「迷い」を失くすことは出来ません。
それが道元禅師の「正法眼蔵」の「仏道をならうというは自己をならう也」
というお示しの真意なのです。