禅の修行というのは、自由自在な本来の自己の働きを抑え込んでいる自我の枠を取り除いて、「本来の自由自在さを真に会得していく」修行です。
それによって今、持っているものがさらに大きく使えるということです。
自分が真に自由自在に成れるか、不自由のままで終わるかは自らの実証にかかっているのです。
「みずから実証するよりほかない」ということですが、矛先をかえてみれば、ありがたいことに「自分で自分の法を実証できる」ということです。
他人に頭を下げ、頼み込んで実証してもらうという、そういう面倒さのないことです。