遠くへ行きたい

サイクリングの原点みたいなもの

即興詩人を読了した夜に・・

2012年03月02日 | Weblog
 安野光雅さん口語訳の「即興詩人」を読み終える。

 文語文の持つ、荘重、簡潔、明快、覇気が快感・・、自分自身、文語文の「我は海の子」の歌詞に惹かれる意味が納得できる解説があとがきにあり。
また、ゲーテの詩「漂泊者の夜の歌」 山の絵本より尾崎喜八訳も心にしみ、読了の感慨深い夜の記念に写させてもらう。

 思い出を残して歩け、すべての場所について一つびとつの回想を持つがいい。
それは他人から奪い取ることなしにお前が富む唯一の方法なのだ。
冬の都会の意地悪い夜々に、それは忽ち至福の光をまとって、お前に現れ、悲しい落胆の時に、優しかった母や姉らのように、お前の傍らへ来て、過ぎ去った日の数々の幸福でお前の心を暖めるだろう。

 この即興詩人を鴎外は9年の年月をかけて訳したとか、奇しくも今年は鴎外生誕150年、この本に巡り合えたのもすべては鴎外さんの御蔭なり。

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