うれしはずかし朝帰り

2011年12月09日 | 風の旅人日乗
今日は、東京から朝帰り。

昨夜は、
あるヨットのチームと楽しい夕食会のあと、
久し振りに深夜の六本木を、ひとりで彷徨。

ロアビルの上階にまだプレイボーイクラブがあった頃、
週に何日も、この街に通っていた時期がある。

セーリング関係の年上の友人がテレビ朝日の美粧部に勤めていて、
ある年下の友人と2人して、
テレビ朝日の美粧室で、
出演者たちのメーキャップをしている
年上の友人の仕事が終わるのを待っては、
六本木の街に出て、
時に終電に乗り遅れるまで、
夢中になってヨットレースの話ばかりしていた。

その、年上の友人は胃癌で亡くなったが、
亡くなる直前まで自覚症状がないまま、
セーリングの話をしながらお酒を飲んでいた。

12月の冷たい小雨が降る中、
今はもう、あるはずがないことを知りつつ
あの頃通ったニコラス・ピザハウスや
ヘンリーアフリカがあったとおぼしき辺りを
当時のことを思い出しながらゆっくりと歩く。

俳優座1階の
ロビー奥のパブがまだ開いていたので、
そこの暗がりのテーブルに座ってビールをすする。
今もまだ、ダーツボードが壁に掛けられている。

隣のテーブルでは、
演劇関係者らしい若いグループが
有名俳優たちの名前を呼び捨てにして
ちょっと得意気に厳しく演技を批評している。

彼らの、恐いもの知らずの若さを少し羨み、
彼らを待っているはずの
これからの人生の苦闘に、密かに同情する。

あの頃、夜の早い時間はボクたちもここで、
次のレースのライバル艇の情報についてや、
先週の大島レースで千波に寄せたのは
結局いい判断だったのか、失敗だったのか、
なんてことを、熱く語り合っていたのだった。

なんとなくセンチメンタルになった夜が明けて、
始発の日比谷線に乗り、
東横線、横須賀線、京急バスを乗り継いで
葉山に、朝帰り。

今日は一日書き仕事に埋没しないとマズイ。

明日は、東京湾でアメリカ製クラシック型ヨットで
セーリングのお仕事。
いい天気だけど気温が低いとのことなので
いい北風に恵まれそうで楽しみ。