ニュージーランド日記 例えばある日の水辺

2010年11月26日 | 風の旅人日乗
仕事関係者との待ち合わせで、ロイヤルニュージーランドヨットスコードロンに行く。
約束の時間より早めに行って、ヨットクラブの前で行なわれているマッチレース選手権を、駐車場の縁に座って観戦する。



見ている目の前で、クリス・ディクソンが地元のユース選手に負けた。

22年前の1988年。マッチレースの修行のためにオーストラリアのフリーマントルに行ったときに見たクリス・ディクソンの強さは普通ではなかった。
それまでのマッチレースの名だたるベテラン・スキッパーたちをバッタバッタとなぎ倒し、彼が操る艇は、まるで生き物のように自由自在に海の上を走った。

そのクリス・ディクソンが、それから22年後の今日、このヨットクラブのユースプログラムで育った少年セーラーに、なす術もなく敗れた。
この国のセーラーたちの技術とセーリング文化は、世代から世代へと、確実にバトンタッチされている。

仕事の話を済ませ、それからセーリングに出て、後片付けを終えてふと西の空を見たら、典型的なウエストヘイブンの夕焼け空が広がっていた。



これまでの何十年かの間に、何度ここでこの夕焼けを見たことだろう。

今回のニュージーランド滞在で得たことは特に、次のステップに生かしたいと願った。