12月15日 スリランカ

2008年12月15日 | 風の旅人日乗
12月15日 スリランカ
ボルボ・オーシャンレースのフリートは、スリランカの南に到達。
大接戦が続いている。
各艇のボートスピードの変化を表すグラフを見ても、
風の不安定さが伝わってくる。





この写真は、
スペインのテレフォニカブルー(ブルース・ファー設計 キングマリン建造)が、
プーマ・レーシングのイルモストロ(ボティン&カーキーク設計 ゴーツ建造)を
風上側からセールオーバーしている場面を、
プーマのメディアクルーRick Deppeが撮影したもの。
手前でイルモストロをステアリングしているのはクリス・ニコルソン。
表情には出さずに悔しがっている。



そしてこちらは、
同じときにテレフォニカブルーのGabriele Olivoが撮った写真。
テレフォニカブルーのナビゲーターのサイモン・フィッシャー(シーフィー)が、
風下を走るイルモストロのベアリングが後ろに変わっていくのを確認しているところ。
表情には出さずに、笑いをこらえている。

少なくともこの風域では、
テレフォニカブルーがイルモストロよりも勝っているみたいだ。

しかし、なんでボルボ・オーシャンレースのフリートが、
スリランカの南端からあんなに距離を離してコースを取るのだろう
と不思議に思っていた。

俺だったら、間違いなく、岸に寄せる。
距離的にも、風的にも、スリランカから遠く離れる理由はないからだ。
なぜだ?

その答えををテレフォニカブルーのスキッパーのバウエ・ベッキンが教えてくれた。

スリランカは、まだ一部政情が不安定な部分がある。
そのスリランカにレース艇が近づきすぎて、危険にさらされる可能性をなくすために、
レースコミッティーが、帆走指示書に変更を加えて、
スリランカ南方を通過するときのウエイポイントを新たに設置したのだそうだ。
そのウエイポイントがスリランカ沿岸から離れているのだそうだ。

だから、みんな、あんなにスリランカを離して回りこんでいたんだな。
一般に配給される情報だけでは分からないことが多い。

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