Jan.10 2006 ペペロンチーノ

2006年01月10日 | 風の旅人日乗
1月10日 火曜日

軽い時差ぼけ気味の朝。
カーテンを開けると、空は真っ青に晴れ渡っている。

熱いシャワーを、身体から湯気が出てくるくらい時間をかけて浴びて、眠気を飛ばす。
ベランダに出て、関東地方の朝の空気を一段階冷たくしたような、キリリと引き締まっている空気を思いっきり吸い込む。

ここは、スロベニア。スロベニアで迎える生まれて初めての朝だ。この歳になってもまだ、『生まれて初めて』という経験ができるのが嬉しい。

ホテルのレストランで、ゆっくりたっぷりの朝食。
ヨーロッパの多くの国は、様々な種類のハムが美味しく、朝飯はそれが楽しみだ。
スロベニアのハムも美味しいぞ。
でも、もしメニューに、御飯、味噌汁、アジの干物、納豆、海苔のセットがあれば、間違いなくそちらを選ぶ。正しいニッポンの朝御飯は、世界最高的にウマイ。一日を闘う力もモリモリと湧いてくる。

朝食後、ロビーでラッセル・クーツと今回のセーリング・スケジュールを打ち合せる。
ラッセルとは、9月のサンフランシスコでのビッグボートシリーズのときに、セントフランシスヨットクラブで会って以来だ。
新しく買ったBMWで今朝早く着いたばかりだそうで、その車の性能が凄いらしく、ここに来るまでの3時間弱の爆走ドライブがどんなに楽しくてスリリングだったかを、打ち合わせそっちのけで延々と説明を受ける。

午前9時、ホテルの目の前のマリーナからアドリア海に出て、Russell Coutts 44クラスの4号艇のテスト・セーリング開始。

4号艇は、これまでに造った3隻のプロトタイプに比べると、構造を軽く、強く改良したため、まずは慎重に、徐々に負荷を掛けていきながらテストを繰り返す。
海面には12-15ノットの北東風が吹いている。

海は素晴らしく美しい。
西北西の方向の遠くに、雪を被ったイタリアの急峻な山々が見える。その手前の海岸線にベニスがあるはずだが、遠すぎて見えない。

午後は、マストチューニング。RC44のマストを作ったのは、F1のフェラーリにも参画しているカーボンコンポジット企業、Riba。素晴らしいマストだ。
ラッセルが、油圧コントロールのフォアステイのロードを慎重に試しながら、チューニングを進めていく。

チューニングが一応完成したのが、午後4時過ぎ。ヨットクラブに戻り、遅い昼飯のサンドイッチとコーヒーを摂りながら明日のスケジュールの打ち合わせ。それから艇の片付け。

一旦部屋に戻ってシャワーを浴び、午後8時にラッセル他のスタッフとロビーで待ち合わせて、夕食のレストランに向う。みんなついさっき昼ご飯を食べたばかりなので、お互いの近況報告などしつつ、ワインを飲みながらの軽い食事。
前菜のペペロンチーノだけを取ってメインディッシュにするが、これがとても美味しい。さすがイタリアの隣国、パスタの実力は脱帽モノ。

すみません、眠いので今日はここまでで、お仕舞いです。
おやすみなさい。