今年も札幌のイベント第68回札幌雪まつりが始まった。中国など大勢の感恋客が詰めかけて鑑賞している。 1か月も前から自衛隊が中心になって無垢な雪を満載に積んだ自衛隊トラックが連日大通会場に運び込み、 多くのユニフォーム姿の隊員が黙々と大きな精巧な雪像を作り上げ上げた作品だ。確かに一見に値する。
ただ地元市民はもう飽きてしまったのか、寒さゆえか、そう高い関心もなく、わざわざ見ないというつれない 返事が多かった。準備状況をバスの窓から見ていても日ごとに変化していく光景は興味をそそる。 当日に間に合うのかな、と心配することもあるし、市民用の小さな数多くの雪の塊は手つかずが多い。
メインは奈良興福寺の中金堂は細部にわたり精巧にできている。雪であることを忘れてしまう。そのほか、 「決選!雪のファウイナルファンタジー」「台湾・台北賓館」などがあるがフランス凱旋門もある。 夜間にはライトが一層鮮やかに飾り、ラッピングも施されるらしい。
初めてみち方や雪を知らずに育った方などは、少々の寒さなど吹っ飛んでしまうほど楽しいことは請負だし、 ついでにいろんなところに回られて雪景色を堪能されるのもよいだろう。だが、札幌市内はこれといった 観光スポットがない。どこに案内してよいか戸惑うのだ。文化レベルが低いといわれるのも欠陥の一つだ。
おそらくかつてはこの寒い時期に市民は何もすることなく、じっと春を来るのを待っていたのかもしれないが、 その突破口にこの雪祭りが生まれたのかもしれない。しかし、みんなでわいわい言いながら作ってきた雪像も、 今では制作技術がこんなに高度で精密になれと、素人が手を出すような代物ではなくなってしまった。
鑑賞者は、ただ一方通行になった作品の周りの道を歩き、時には出店で温かいものを口に入れる程度の 楽しみであって、今では外部からの観光用に様変わりしてしまった。近頃の地元の人は、見ないと漏らしていた。 1週間もすれば、何しろ雪のことだ。溶けて怪我でもされたら大変なので、最終日にあっという間に 専門家が来て取り壊していく。実は近年では壊す場面を観ようというツーリストが関心を高めているようだ。
一年で最も寒い日を選んだといわれる雪まつり、それが済むと、ようやく北国にも初春がやってくると市民は期待しているのである。
やさしいタイガー
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