国連児童基金・ユニセフがこのほど18歳未満の子どもを対象にした世界の国の子どもの貧困率を発表しました。豊かな国、日本は先進35カ国のうち悪いほうから9番目の27位という結果が示されていました。
日本の子どもは貧しい?そんなことはあるまい、と多くの日本人は疑ったかもしれません。あの戦後の混迷した時代のほうが貧しかったように、ぼくは体験的に思うのですが、今の子どもは何かに満たされていない現実がよこたわっているのでしょう。
国連によると、貧困率とは、その国の国民一人ひとりの可処分所得を計算し、その真ん中の所得の半分に届かない人の割合をいうのだそうです。
日本の子どもの貧困率は年々上昇しているようですが、子どもが貧しいというのではなく、子どもを取り巻く環境や条件に問題があると思うのです。そういえばどこか納得するところが見えてきます。
地震や放射能汚染で村や町を追われ、小さな子ども抱えて見知らぬ町に移住しても子どもを預かってくれる保育施設がなく、ずっと遠くに行かなければならないという不便さ。若い母親は仕事を持っていても不備な環境ゆえに子供連れで職場に行くという過酷さ。
そんな現実をいったい誰が解決の為に尽力しているのだろうか、と怒りたくなります。たとえば日本の子どものための施設に対する公的支出が対国内総生産(GDP)比1.3%で35か国中下から7番目に低いという。
今の政府の動きをみていると、経済優先で、富裕層や企業に厚く組まれ、いまのような課題に対しては、ずっと後回しにしててきた「つけ」がどんどん膨らみ、もはや末期的な状態がずっと続いているとさえ感じるのです。
専門家は政府にどのような助言をしているのでしょうか。日本の政治の最大の欠点は決めの細かさがなく、すべて荒っぽく抽象的な言葉でくくってしまうことです。それでいて建前論で大衆を押さえつけようとする傲慢な姿勢です。受け取る人がどうにでも解釈できるような言動は、さすがの日本人も目覚めつつあるのではないでしょうか。
子どもの貧困率が悪いほうから9番目なら、日本の政治力は最低ということになるのですか。
やさしいタイガー