ブログ人 話の広場

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美術館のひととき

2010-03-31 08:29:10 | 日記・エッセイ・コラム

 美術館で長い間解説をしていたMさんが今日を最後に美術館から退任されるのでよかったら解説を聴きに来てください、と友人からの連絡で、幸い美術館の近くで集会があった帰りに立ち寄りました。幾人かの仲間がそのために来ていましたが、ぼくも後ろにくっつきながら久しぶりにガラス展示室の作品解説を伺いました。

 つい最近まで経験してきたことがまるで走馬灯のようによみがえり、やっぱり過去の経験は無駄になっていないなあと密かに喜んでいました。一人去り、又一人、と人が入れ替わるたびに寂しさを感じますが、それは仕方がないこと。そして去るものは日々に疎し、とも思います。

 それにしてもちょっと気になったことは受付嬢の何と愛敬のなさ。この美術館は『笑顔』を禁じているのだろうか、と思うほど。辞めて半年も経っていない僕を忘れるほどの時間でもないのに、こちらがニコリと挨拶しても実に淡々と応対。「お久しぶりですね」くらいの挨拶はあってよいもの。こういう訓練を受けていたとしたら、トレーナーは失格でしょうね。

 こういう場面は決して少なくはないのですが、顔見知りが来たのだから、笑顔で応対してほしいものだと一瞬不快な気持ちで常設館に入りました。一言の挨拶が好感度を変えます。 館全体がそうした些細なことでもサーヴィスに徹しようという心がけや自己啓発をしない限り、不快指数が高まるのではないかと危惧します。久しぶりの美術館訪問も友人たちとの出会いは別にして、どこかに潜む冷ややかさの一因を見た思いがして残念に思って館を後にしました。

やさしいタイガー