ブログ人 話の広場

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冬の小樽

2010-03-10 08:43:16 | 日記・エッセイ・コラム

 列車を待つプラットホームは身を切るように寒い。やっと着いた列車に飛び乗るように車内に入りました。小樽までわずか30分、やっと暖かくなったかと思うともう小樽築港駅に着きました。昨日講演依頼を受けたので小樽ロータリークラブを訪ねました。短い時間でしたが、小児ガンや難病と闘う子どもとたちへの支援について話してきました。

 こうした難病と闘う子どもたちは日本には約20万人もいると聞きます。自分は毎日元気で学校に行く子どもたちとの住む世界が違うのだと思い込んでしまいがちです。限られたいのちを少しでも幸せに過ごす時間を与える事が出来ないかと、創設されたキャンプ場が滝川にあります。親御さんは我が家に授かった子どもが限られた命である事に納得できないけれど、これも運命として受け入れていく辛さはこのような子どもを持つ家庭でないと心から理解できないかもしれません。

 僕はいまこのキャンプに間接的に関わっているのですが、与えられた命の一瞬の灯がその子にとってかけがえのない喜びだと心に刻んでくれるなら、応援するほうもまた喜びをもらえると思い、話しをしてきたのです。人は必ず命の限界を知っています。しかし初めから分かっている子どもたちは日めくりをめくるように近づく恐怖に小さなハートを痛めていることでしょう。

 重い話しでした。小樽は想像していたほど雪が少なく、海も穏やかで帰りの列車から眺める雄大な日本海には船一艘も見ませんでしたが、ここでも春を待つ人々がひっそりと海岸沿いに住んでいるのだと思いながら小さな旅をしてきました。

やさしいタイガー