温暖の地から、はるばる厳冬のこちらに移転してこられたご夫婦と我が家で、妻が用意した鍋料理を囲んで歓談のときを持った。ご夫婦の共通のご趣味はどうやら海外旅行のようだ。もう20カ国も回ったという。そこでの危険な話、初めての体験で戸惑う話、身振り手振りで何とか通じたコミュニケーションなど、話は尽きない。大変興味深かった。
ついこの前学生たちが自分たちの海外体験を話してくれたことと共通するところが随分あって、ほとんどが「やはり日本が一番いい」というところも共通していた。なまじ英語で話すことによって、嫌う国の人々のいることも行ってみて初めてわかることもある。
ぼくの周辺の旅行好きの多くの人々はそんなに語学が出来るわけでもない。それでも平気で行ったこともない国に行き、驚きながらも郷に従わざるを得ない異文化との出会いのなかに、自分を大きく創っていくことを学んだような気がした。
打ち解けて話しているうちにすっかり世もふけてお帰りになったときには、もう11時を過ぎていた。
やさしいタイガー