今日23日は満月の日とカレンダーにはマークしてある。確かにFull moon. ぼくはこの言葉を聞くと思い出す。かつて国鉄のコマーシャルに定年後の夫婦への旅行案内のポスターを見かけことがある。確か上原 謙と高峰三枝子がモデルだった。
「ふと振り向けば君がいて」という何ともいえぬロマンティックな雰囲気を感じさせるものだった。もちろんぼくは未だその頃現役だったから、ほど遠い話で憧れてみていたことを思い出す。そして今その年齢も越え、老いの坂道を登りつつあるとき、いつのまにかロマンティックな思いは失せて、相変わらず現実の雑務に追われている日々の罪深さを感じる。
「ふと振り向けば君がもういない」なんてことにならないようにと心している毎日である。それにしても今朝の太陽は眩しいくらいに照り輝き、間違いなくfull moonだろうと思う。凍てつく寒さの中のこうこうと輝く月の光は夢の世界への誘いのような思うのはぼくくらいのものだろう。
やさしいタイガー(阪崎 健治朗)